外部環境の不透明感続くも、織り込み進展し下値固めの展開か

2026/3/16

提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利

今週の株式見通し(2026/3/16-3/20)

 今週(2026/3/16-3/20)の日経平均株価の予想レンジは52,500円-55,000円。4日立会いの中で注目イベントが多い。FOMC(連邦公開市場委員会)が3/17-18、日銀金融政策決定会合が3/18-19の日程で開催される。ECB理事会も3/18-19に開催されるほか、3/19には日米首脳会談が予定されている。

 週初の東京株式市場はしっかりのスタートか。メジャーSQ値(52,909.45円)が下値で意識されるほか、中銀イベントを前にヘッジファンドなどの短期筋の売り仕掛けも限られそうだ。

 一方、中東の地政学リスクが高まっており、今週も中東関連のニュースに神経質となるだろう。引き続き、日経平均先物は原油価格の上下動に振らされる展開が予想される。米主要指数が水準を徐々に切り下げており、下方向に強めの動きが生じる可能性にも留意が必要となる。

 そういった中、ゲーム関連などのエンタメ系銘柄への資金シフトや、電線株を中心としたAI関連の一角への選別物色、下げる場面では期末を前に高配当銘柄への押し目買いが予想される。日米首脳会談を前に対米投資の第2弾として注目されている原子力発電所や銅精錬施設、データセンター向け大型蓄電池に絡む思惑なども物色面での材料になりやすい。

 日本株がFOMCの結果やパウエルFRB(連邦準備理事会)議長による記者会見の内容に反応するのは3/19となり、午後には日銀会合の結果を織り込むかたちとなる。3/19の引け後に行われる植田日銀総裁の会見内容を現物市場が織り込むのは、三連休明けの3/23というスケジュールとなる。

 日銀会合では政策金利の現状維持の可能性が高いが、植田総裁がどういったメッセージを市場に届けるかが注目ポイントだ。会見内容次第では為替市場が大きく反応する可能性があるほか、3/19の米国株の動向なども織り込む日経平均先物は夜間取引から祝日取引が実施される3/20(春分の日)にかけて変動が大きくなる可能性がある。

 ちなみに、昨年のメジャーSQ後の週は堅調だった。下落基調が続いていた米国株が切り返してきたことを好感して、日経平均株価は3/17と3/18は連日で3ケタの上昇。3/18には38,000円を上回る場面もあり、下値不安が後退した。日銀金融政策決定会合の結果は大方の予想通り現状維持。結果を消化した3/19は前場では3ケタの上昇となっていたが、結果を確認した後場にはマイナス圏に沈んで安値引けとなるなど、不安定な動きとなった。FOMCの結果も大方の予想通り政策金利は据え置き。休場明けの3/21は強く買われる場面もあったが、連日で後場に失速して続落した。前半の上昇が貢献して週間では約623円の上昇。週足は2週連続で陽線を形成した。

 日経平均株価(図表1)は不安定な動きが続く。3/9は一時下落幅が4,000円を超える場面があるなど調整色を強める展開となっている。3/13は大幅安から売り一巡後は下げ幅を縮小する展開となったが、5日移動平均線(54,055円 3/13)付近で戻り一服となった。下向きの5日移動平均線に上値が抑えられるのは想定内だが、下値は75日移動平均線(53,007円 同)まで下押すことなく底堅さも目立った。

 週明けは5日移動平均線が上向きに転じる可能性が高く、反転上昇に向かえるかが焦点となる。一方、2/26高値(59,332円)からの下落途中の中段保ち合いの可能性もあり、引き続き100日移動平均線(52,255円 同)を割り込んでいく想定も必要となる。

 上値メドは、心理的節目の54,000円、50日移動平均線(54,529円 同)、10日移動平均線(54,975円 同)、3/11高値(55,745円)、25日移動平均線(56,189円 同)、心理的節目の57,000円などが考えられる。下値メドは、75日移動平均線(52,936円 同)、100日移動平均線(52,255円 同)、心理的節目の52,000円、3/9安値(51,407円)、心理的節目の51,000円などがある。

図表1:日経平均株価の日足チャート(2025/9/1-2026/3/13)

出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

 主要な国内経済指標の発表やイベントは、1月第三次産業活動指数、20年国債入札(3/17)、日銀金融政策決定会合(〜3/19)、2月貿易統計、2月首都圏新規マンション販売、2月の訪日外国人客数(3/18)、植田日銀総裁会見、1月機械受注(3/19)などがある。

 企業決算の発表では、ヒューマンメイト、JMHD、ギフトHD、山岡家、正栄食、スバル興、テラドローン、アールプランナ、エニグモ、クラシコム、Link−UG、TOブックス、ダイワサイクル、共和工業、システムディ、REVOLUTION、マーチャント、多摩川HD、トルク、SYSHD、ブレインズ、ベルグアース、ツクルバ、HODL1、カラダノート、リンカーズ、ストレージ王、マツモト(3/16)、ビジョナル、アインHD、サンバイオ、ラクスル、丹青社、GATECH、グッドコムA、ダブルエー、ACCESS、トウキョベース、アセンテック、CAICAD、明豊エンター、ポールHD、きんえい、テノロジー、tripla、梅の花G、セルソース、Mマート、プロレド、ミサワ、BRANU、クロスフォー、笑美面、クラシコ、ニッソウ、アピリッツ、学びエイド(3/17)、サツドラHD、ファーマライズ(3/19)が予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントは、中国2月小売売上高、中国2月鉱工業生産指数、中国2月固定資産投資、米3月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米2月鉱工業生産指数、米2月設備稼働率、米3月NAHB住宅市場指数、NVIDIA GTC AIカンファレンス(カリフォルニア・サンノゼ、〜3/19)(3/16)、独3月ZEW景況感指数、米2月NAR仮契約住宅販売指数、FOMC(〜3/18)、米20年国債入札(3/17)、ECB定例理事会、パウエルFRB議長会見、米2月生産者物価指数(PPI)(3/18)、ラガルドECB総裁会見、米3月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米1月新築住宅販売件数、日米首脳会談予定(3/19)などがある。

海外の企業決算の発表では、ダラー・ツリー(3/16)、ルルレモン・アスレティカ(3/17)、テンセント、マイクロン・テクノロジー、ゼネラル・ミルズ、プログレッシブ・コープ(3/18)、アクセンチュア、ダーデン・レストランツ、フェデックス(3/19)などが予定している。

今週の注目銘柄!(3/16-3/20)

  • 銘柄コード
    銘柄
    目標株価
    (円)
    ロスカット株価
    (円)
    注目ポイント
  • 3626
    TIS
    4,200
    2,980
    独立系SI大手。第3四半期決算が市場の期待に届かず決算発表翌日の2/4に急落すると、しばらく下値を探る動きが続いた。ただ、2/24に2,892.5円まで下げたところで売りが一巡。その後の上昇で3,000円台を回復した。昨年末は5,000円台で推移していた。2/24の出来高は急落した2/4を上回っており、2/24以降も商いが高水準となっていることから、大底とみた買いが入っていると推測される。2024年5月安値(2,798.5円)に近いところで切り返した点も期待の持てる動き。マーケットは不安定となっているが、先んじて下げている分、弱材料に耐性を示して戻り基調が続くと予想する。  ターゲットは4,200円、ロスカットは2,980円
  • 4888
    ステラファーマ
    700
    360
    ステラケミファ系の創薬企業。BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)用ホウ素医薬品を開発しており、同分野専業では国内唯一の上場企業となる。中東情勢の悪化と原油価格の乱高下によりマーケットが不安定ななか、東証グロース市場250指数は相対的にしっかりとしている。バイオ株物色が指数下支えに一役買っており、同社株も1月後半から上昇基調を続けている。3月前半の日経平均株価が大きく下げる場面でも、同社株は逆行高となったり、長い下ヒゲを形成しており、下値はしっかりと拾われている印象だ。チャートは崩れておらず、需給も悪化していないと考えられる。25日移動平均線上からのもみ合い上放れによる上値追いを期待したい。ターゲットは700円、ロスカットは360円
  • 5631
    日本製鋼所
    13,000
    8,500
    火力・原子力向け鋳鍛鋼やプラスチック成形機、防衛関連事業を展開している。株価は昨年秋から高値圏でのもみ合いを続けているが、直近の相場急落直前(3/3)に昨年来高値を更新した。その後、下げる局面であっても75日移動平均線あたりで押し目買いが入るなど底堅い動きがみられる。中東情勢の悪化、原油価格の乱高下といった不透明感が強いなか、同社はエネルギー・防衛といったテーマに該当する。3/12と3/13はほぼ全面安の中でも逆行高したことで、投資家からより注目されるようになった可能性が高い。日々のボラティリティが高い中でも一段高が見込めると判断する。ターゲットは13,000円、ロスカットは8,500円
  • 6208
    石川製作所
    3,500
    2,100
    段ボール製函印刷機に加え、機雷などの防衛機器も手掛ける。2月発表の2026年3月期3Q累計の営業利益は前年同期比65%増と伸長。防衛機器セグメントの売り上げ増加などが寄与した。中東情勢も好悪材料が交錯する状況にあり、小型の防衛関連として当面注目されやすいと考える。株価は上記の3Q決算発表を受けて急騰。これまで超えられなかった2024年7月高値(2147円)をあっさりと上抜け、3,000円台をつける場面も出てきた。出来高の増加とともに値動きも良くなってきており、上昇トレンドに移行した可能性が高い。3月の相場急落局面でも上向きの25日移動平均線がサポートラインとして機能している。短期の値幅調整を終えて、早い段階で高値更新を試す展開を予想する。ターゲットは3,500円、ロスカットは2,100円
  • 8088
    岩谷産業
    2,500
    1,650
    産業・家庭用ガス専門商社で水素に強みを持つ銘柄としても知られている。3月の株安局面では他の銘柄同様に売られたが、2/27には2,059円まで上昇して昨年来高値を更新した。その手前、2/10に発表した2026年3月期の通期連結営業利益予想の下方修正が売り材料となったものの、発表直後の下げに関しては早々に取り戻している。昨年は長く横ばい圏で推移していたが、今年に入ってもみ合いを上放れた格好となっている。先週は日経平均株価が2,000円を超える下落となった3/9に下落ながら陽線を形成し、その後は値を戻している。原油供給に対する不安が高まる局面では、水素エネルギーに対する注目が高まりやすい。昨年4月の1,166.5円をボトムとした上昇トレンドは崩れてはおらず、足元の戻り基調が続くと予想する。ターゲットは2,500円、ロスカットは1,650円

出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成

  • 注目銘柄採用基準・・・3/13現在、プライム・スタンダード・グロース市場に上場、時価総額が100億円以上、PBRが6.0倍未満、株価が25日移動平均線を上回っている銘柄の中から、成長性や話題性、業績面など総合的に考慮した上でピックアップした。
  • 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
  • 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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