月間の騰落率実績は良好も、波乱が生じやすい3月相場に突入
2026/3/2
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利
今週の株式見通し(2026/3/2-3/6)
今週(2026/3/2-3/6)の日経平均株価の予想レンジは57,000円-59,500円。東京株式市場は底堅い展開か。
2/27の米国株式市場は下落。注目された1月生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回る伸びでインフレの高止まりが嫌気されたほか、予想を上回る決算やガイダンスを発表した半導体大手エヌビディアが大幅に続落したことが投資家心理の悪化につながった。英国の住宅ローン会社の破綻を受けたプライベート金融関連銘柄の下落も相場の重荷となった。
3月相場入りとなるが、二日新甫でもあり今週は値動きの荒い展開が予想される。週初は米国株の下落を受けて軟調なスタートが予想されるほか、米国とイスラエルがイランへの軍事攻撃に踏み切ったことを受け、短期的には地政学リスクが相場の重荷となる。
2月は日経平均株価が10.3%上昇、TOPIXは10.4%上昇と大幅高となった。月替わりの週のため、リバランスによる売りが大型株中心に予想されるほか、直近大きく上昇した銘柄などへ利益確定売りが強まる可能性が高い。
一方、米国では2月のISM製造業景況指数や雇用統計など重要経済指標の発表がある。東京市場で雇用統計の結果を織り込むのは翌週となるため、週初発表のISM製造業景況指数は重要なポイントになる。1月のISM製造業景況指数は新規受注の急回復が寄与し、総合で52.6と前月から大幅に上昇。2022年8月以来の高水準となり、景気の拡大と縮小の分岐となる50を久しぶりに上回った。2月も改善基調が継続してみられれば、景気敏感株が買われやすい。ただ、外部環境に不透明要因が増す中、高値警戒感もくすぶる日本株の一段高の材料には、ハイテク株主体のナスダックの持ち直しが必要である。
TOPIX(東証株価指数)の過去30年(1996〜2025年)の3月月間の騰落率実績は良好である。3〜4月は年間を通じて上昇率が高くなりやすい傾向だったことが確認できる。年末にかけてのクリスマスラリーに対して、スプリングラリーともいわれるほど強かったタイミングに入ってくる。ただ、あくまでも平均であり、単年ベースでみると決してすべての年に当てはまるわけではない。
また、過去30年、3月は12ヵ月のうちで高値と安値の値幅率が平均で10.7%と最も大きく、年間では最も波乱が起きやすい特徴が挙げられる。東日本大震災が発生した2011年3月の32.8%やコロナショックがあった2020年の29.4%が平均を大きく押し上げた側面もあるが、過去30年の中で2ケタの値幅率となったのは10回もある。
ちなみに、昨年の3月第1週の日経平均株価は荒い値動きとなった。3月相場に入り、初日の3/3は600円を超える上昇。決算発表直後に急落した米半導体大手エヌビディアが持ち直したことで、前週末に悲観に傾いた分の修正が入った。そのエヌビディアが再び大きく下落したことや、トランプ関税に対するリスクが高まったことなどから、3/4は400円を超える下落。3/5と3/6は上昇し、トランプ関税に対する過度な警戒も和らいだことで、下げ止まりへの期待が高まった。しかし、米ハイテク株が崩れた上に円高も進行したことから、3/7は800円を超える大幅下落。週間では約268円下落し、週足は3週連続で陰線を形成した。
日経平均株価(図表1)は堅調な動きが続いている。2/27は5日移動平均線(58,066円 2/27)付近まで一時は下押す場面もあったが、売り一巡後は持ち直して高値圏で取引を終えた。
連日で史上最高値を更新。目先的には5日移動平均線の上昇基調が続く中、上目線のトレンドフォローが基本スタンスとなる。
上値メドは、心理的節目の59,000円や59,500円、60,000円、60,500円などが考えられる。下値メドは、5日移動平均線、2/12高値(58,015円)、10日移動平均線(57,526円 同)、心理的節目57,000円、2/17安値(56,135円)、心理的節目の56,000円、25日移動平均線(55,618円 同)、心理的節目の55,000円などがある。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2025/9/1-2026/2/27)
出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントは、2月新車販売台数(3/2)、1月失業率、1月有効求人倍率、10年国債入札、10-12月期の法人企業統計(3/3)、2月消費動向調査(3/4)、30年国債入札(3/5)などがある。
企業決算の発表では、伊藤園、ピープル(3/2)、ダイサン、エイケン工業(3/3)、内田洋、DyDo(3/4)、積水ハウス、タカショー、ティーライフ(3/5)、ハイレックス、泉州電、日本駐車場開発、ソフトウェア・サービス、アイル、ロックフィール、日本スキー場開発、ファースト住建、日本ハウスホールディングス、ゼネパッカー、アスカネット、大和コンピューター(3/6)が予定している。
海外の経済指標の発表やイベントは、世界最大級のモバイル展示会「モバイルワールドコングレス2026」(スペイン・バルセロナ、〜3/5)、中国2月RatingDog製造業購買担当者景気指数(PMI)、米2月ISM製造業景況指数(3/2)、中国2月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米2月ADP雇用統計、米2月ISM非製造業景況指数(3/4)、World Baseball Classic開幕(〜3/17)、中国・全国人民代表大会(全人代)開幕、米1月輸出物価指数、米1月輸入物価指数(3/5)、米2月雇用統計、米1月消費者信用残高(3/6)などがある。
海外の企業決算の発表では、ノルウェー・クルーズ・ライン・ホールディングス(3/2)、クラウド・ストライク、オートゾーン、ベストバイ、ターゲット、ロス・ストアーズ、プログレッシブ・コープ(3/3)、ブロードコム、ブラウン・フォーマン(3/4)、コストコ・ホールセール、クローガー(3/5)などが予定している。
今週の注目銘柄!(3/2-3/6)
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銘柄コード銘柄目標株価
(円)ロスカット株価
(円)注目ポイント -
1812鹿島8,5006,180最大手ゼネコンの一角。超高層、耐震、原発技術に強み。3Q決算発表時に通期の見通しを上方修正した。施工が総じて順調で、建設事業の売上総利益が増加する見込みであるとのこと。良好な事業環境が続いていることが確認できた。大手ゼネコンの中では決算発表日が遅めで、同業の決算を横目で見ながら先んじて株価が上昇していたため、決算を発表した2/12は下落で終え、そこから数日は売りに押された。しかし、25日移動平均線に接近したところで切り返し、値固めをしたあとは2/27に陽線を形成。スローストキャスティクスは売られ過ぎの水準からボトムアウトしており、押し目買いの好機となる。地政学リスクが高まる中、内需株の注目度が高まる可能性が高い。ターゲットは8,500円、ロスカットは6,180円
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2395新日本科学2,0501,490非臨床試験受託の最大手。株価は昨年12月に2,000円の節目を超えた後、達成感から調整局面に入った。しかし、今年に入って1月に1,600円どころで値を固め、2月に入ってからは水準を切り上げている。2/6の3Q決算発表時に通期見通しが修正されたが、売上高、営業利益、経常利益は下方修正された一方、純利益は上方修正となった。下方修正は大型案件の期ずれなどが影響したもよう。純利益の上方修正に関しては、カンボジアでの法人税が期初予想より減少することなどが寄与した。発表以降の株価は横ばいだが、25日移動平均線より上が定着しつつある。ここからは昨年12月の高値2,005円を目指す展開を予想する。ターゲットは2,050円、ロスカットは1,490円
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2602日清オイリオグループ7,5005,400グローバル油脂・加工油脂事業、ファインケミカル事業などを展開している。第3四半期累計の連結営業利益は前年同期比20%減の135億円。しかし、これを受けた2/9の株価は買いで反応した。上期の70億円からは大きく利益を積み増しており、通期計画150億円に対する進ちょく率は90%と高い。株価は2024年から2025年にかけては4,500円〜5,500円レベルのレンジで推移していたが、今年に入り、1月から水準を切り上げている。決算を消化した後も強い基調に変化はなく、直近では6,000円台に乗せてきた。PERは1ケタ台、PBRは1倍割れとバリュエーション面では割安感が強く、動きが良くなってきたことで追随買いが期待できそうだ。ターゲットは7,500円、ロスカットは5,400円
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6255エヌ・ピー・シー1,000720太陽電池製造装置を主力としている。1/13に発表した1Q実績は営業赤字だったものの、アナリスト予想を上回る着地で安心感が強まった。高市政権が掲げる「17の戦略分野」のロードマップが春に策定される予定である。同社はペロブスカイト関連のサービスを手掛けるため、しばらくは国策に絡む銘柄として期待感が高まりやすい状況と考える。1Q決算発表の後は1週間ほど上下に振れたが、次第に上昇が強まる展開。2月後半には800円台を回復し、昨年10/29高値(790円)を上抜けた。昨年10/14につけた昨年来安値(583円)を起点とした上昇局面では一段高の相場付きになってきたと判断でき、当面は昨年1月高値(1,022円)に向けて上昇基調が続く公算が大きい。ターゲットは1,000円、ロスカットは720円
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7747朝日インテック4,2502,870カテーテル治療のガイドワイヤー大手。2/13に上期決算を発表し、好調な業績を踏まえて通期の見通しも引き上げた。医療機器メーカーの中では成長力が強く、アナリスト評価は相対的に高い。決算発表後に目標株価を4,000円台へ引き上げるレポートも複数あり、現値からの上値余地は大きい。株価は1月後半から軟調に推移していたが、上記の決算発表を受けて急騰。下げた分を一気に埋めるどころか、昨年12月高値(3,127円)を上回り、昨年来高値を更新。2/27は3,404円まで上昇し、連日で高値を更新した。一目均衡表では強気相場入りとなる三役好転となり、上値追いに期待できる。ターゲットは4,250円、ロスカットは2,870円
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・2/27現在、プライム・グロース市場に上場、時価総額が100億円以上、PERが35.0倍未満、PBRが6.0倍未満、配当利回りが1.2%以上、株価が25日・75日・200日移動平均線を上回っている銘柄の中から、成長性や話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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