政局イベントや決算発表が一巡、為替市場や米ハイテク株の動向に焦点が移る

2026/2/16

提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利

今週の株式見通し(2026/2/16-2/20)

 今週(2026/2/16-2/20)の日経平均株価の予想レンジは56,500円-59,500円。東京株式市場の活況は続きそうだ。海外投資家は2月第1週(2/2-2/6)に日本株を現物と先物の合算ベースで9,000億円超買い越しており、先週の株価上昇も海外投資家による買いが寄与したと推測される。政策期待への買いが急速に途絶えるほどの材料が浮上したわけではなく、引き続き日本株への資金流入が見込まれる。AIの進化が既存の業務を脅かすとの警戒感から売り込まれた米ソフトウェア関連株などの反発基調が見られれば、相場全体の底上げ機運が助長される公算が大きい。

 衆議院選挙を終え、決算発表は週前半でほぼ出そろう。個別の材料が少なくなってくるほか、為替市場での円高も上値の重荷となる。ドル円相場は円安方向への反発が一巡した後、再び1月後半の安値水準まで円高が進んでいる。200日移動平均線が推移する1ドル=150円半ばに向けて円高がさらに進むようだと、リスク回避ムードが台頭する可能性が高い。

 一方、米国市場は月曜が休場となるが、週を通しては経済指標の発表が多い。足元で米長期金利が低下する中、利下げ期待が高まる結果となれば、米ハイテク株への買い戻しを強める材料になる可能性が高い。ドル円相場の水準に大きな変化がないという前提つきではあるものの、米ハイテク株の上昇は日本株全体の上昇ムードを支える重要なポイントになる。 

 決算後の証券会社のリポートが多数出てくることが予想され、相場環境の好転を背景にポジティブ視するリポートが増えそうだ。また、2月末の配当・優待権利取りを意識して、小売株の一角が物色されやすいタイミングに入る。

 ちなみに、昨年の同期時の日経平均株価は軟調だった。2/17、2/18と連日で上昇。ただ、両日とも場中に下げる場面があり、方向感は定まらなかった。日銀の早期利上げが意識されて国内長期金利が上昇傾向となる中、2/19に円高を嫌気して下落すると、2/20は円高と株安が同時進行して400円を超える下落。節目の39,000円を大幅に下回った。2/21はドル円の150円割れを嫌気して売りが先行したが、円高が一服して一転円安に振れたことで押し目買いが入り、3日ぶりに反発。週間では約372円の下落となり、週足は陰線を形成した。

 日経平均株価(図表1)は高値圏で底堅く推移している。2/13は前日同様に高値圏での調整が続いたが、5日移動平均線(56,569円 2/13)をサポートに底堅い展開となった。

 2/10につけた史上最高値(57,650円、終値ベース)で上昇一服となっているが、5日移動平均線上を維持しており、2/10までの連続陽線を解消する動きにはなっていない。

 目先は5日移動平均線の強い上昇基調が続く可能性が高く、どこまで上値を伸ばせるかが注目ポイントになる。ただ、5日移動平均線を終値で下回ると、10日移動平均線(55,116円 同)まで調整が深まる展開が予想される。

 上値メドは、心理的節目の58,000円や58,500円、59,000円、59,500円、60,000円などが考えられる。下値メドは、心理的節目の56,000円、転換線(55,335円 同)や10日移動平均線、心理的節目の55,000円、基準線(54,533円 同)、25日移動平均線(54,019円 同)、2/6安値(52,950円)などがある。

図表1:日経平均株価の日足チャート(2025/3/3-2026/2/13)

出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

 主要な国内経済指標の発表やイベントは、10-12月期GDP(2/16)、12月第三次産業活動指数、5年国債入札(2/17)、1月貿易統計、1月の訪日外国人客数、特別国会召集(2/18)、12月機械受注、1月首都圏新規マンション販売、20年国債入札(2/19)、1月消費者物価指数(CPI)(2/20)などがある。

 企業決算の発表では、ブリヂストン、メタプラネット、DIC、ペプチド、あいHD、ロイヤルHD、東洋炭素、データSEC、綜研化学、キーコーヒー、ヘリオス、FRONTEO、ポート、カナディアン、キタハマキャピ、イクヨ、あかつき、動物高医、博展、ウィルズ、倉元、グリッド、サニックスHD、平山、Abalance、片倉コープ、くふうC、カヤック、フリージアマク、トミタ、トスネット、スカラ、河西工、PSS、ウインテスト、技研HD、DLE、日精蝋、いちごグ、辻・本郷、キューブ、大日光、レアジョブ、ピーエイ、ズーム、夢隊、フライト、リカバリー、フジタコーポ、シリウスV(2/16)、トレンドマイクロ(2/18)、浜ゴム、フィスコ(2/19)が予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントは、独2月ZEW景況感指数、米2月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米2月NAHB住宅市場指数(2/17)、米12月耐久財受注、米12月住宅着工件数、米12月建設許可件数、米1月鉱工業生産、米1月設備稼働率、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1/27〜28開催分)、米12月対米証券投資、米20年国債入札(2/18)、米2月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米12月貿易収支(2/19)、米12月個人所得、米12月個人消費支出(PCE)、米12月個人消費支出(PCEデフレーター)、米10-12月期GDP速報値、米2月製造業購買担当者景気指数(PMI)、米12月新築住宅販売件数(2/20)などがある。

海外の企業決算の発表では、メドトロニック、パロアルト・ネットワークス、バルカン・マテリアルズ、レイドス・ホールディングス、ラボラトリーコープ、DTEエナジー(2/17)、ムーディーズ、グローバル・ペイメンツ、ベリスク・アナリティックス、インシュレット、ガーミン(2/18)、ウォルマート、プール、センターポイント・エナジー、ディア、クアンタ・サービシズ、サザン、イーピーエーエム・システムズ(2/19)、パシフィックパワー&ライト(2/20)などが予定している。

 なお、2/16の米国市場は大統領の日の祝日のため休場となるほか、中国休場は春節(〜2/23)のため休場となる。

今週の注目銘柄!(2/16-2/20)

  • 銘柄コード
    銘柄名
    目標株価
    (円)
    ロスカット株価
    (円)
    注目ポイント
  • 3106
    クラボウ
    12,500
    9,200
    綿紡績大手。半導体製造装置向け樹脂など化成品拡大、バイオも手がける。2/9の後場、2026年3月期の通期連結純利益予想を従来の105億円から115億円(前期比27.6%増)に上方修正を発表した。自動車フィルター向け不織布や自動車内装材向け軟質ウレタンが伸長。環境メカトロニクス事業において鉄道業界向けインフラ検査システムなどのエレクトロニクスが順調に推移していることも寄与するもよう。株価は2024年以降で基調が非常に強く、月足チャートでは昨年11月から1月にかけて3カ月連続で実体の長い陽線を形成。2/9に昨年来高値を更新しており、ここまでの時点で陽線を形成している。直近の信用倍率は0.60倍と需給は軽い。2/9の上昇で難なく1万円の大台を突破しており、上値追いの展開を予想する。ターゲットは12,500円、ロスカットは9,200円
  • 4911
    資生堂
    4,400
    2,450
    化粧品国内大手。中国を第2の本社と位置づけ、積極展開している。同社は2/10、2026年12月期の通期連結営業損益(IFRS)予想を590億円の黒字に、年間配当予想を60円(前期は40円)にすると発表した。前期は大幅な営業赤字となったものの、今期のV字回復見通しを提示したことで、2/12の株価は急騰。ギャップアップスタートから場中も上げ幅を広げ、実体の長い陽線を形成した。昨年は全体株高の流れには乗れずさえない動きが続いていた一方、下げ止まり感が出てきており、下値が堅くなっていた。2/12の上昇で安値圏でのもみ合いを上に放れ、昨年3月につけた戻り高値の2,968円を一気に上回った。ブランドイメージは高く、下値不安が後退すれば追随買いは入りやすい。前期で膿を出し切り、ここからは戻りを強める展開を予想する。ターゲットは4,400円、ロスカットは2,450円
  • 6440
    JUKI
    1,000
    540
    アパレル向けの工業用ミシン大手。表面実装機が第2の柱として注目されている。2/12の後場に本決算を発表し、前期(2025年12月期)は3期ぶりの営業黒字となった。今期営業利益は前期比69%増と大幅に伸びる見込み。PERは13倍程度、PBRは0.6倍程度にとどまる。同日は決算発表を受けてストップ高となったものの、依然として割安感が強い。2/13は高寄り後に売りに押される展開となったが、2/12の大陽線でボリンジャーバンド(20日)の+2σを上回る買いシグナルが点灯した。短期的な戻り待ちの売りが一巡した後は上値を追う可能性が高い。業績が本格的に持ち直すフェーズに入ったこともあり、PBR1倍の1,080円程度が視野に入る。ターゲットは1,000円、ロスカットは540円
  • 6952
    カシオ計算機
    2,200
    1,420
    腕時計、電子辞書で高シェア。同社は1/29、2026年3月期の通期連結営業利益予想を従来の210億円から220億円(前期比54.5%増)に上方修正を発表した。時計で「CASIO WATCH」がグローバルで好調なうえ、「G-SHOCK」も新製品を中心に年末商戦で伸長するなど、好調に推移したことを踏まえたという。株価は上方修正を受けて1/30に急騰。2月に入ってからも決算を好感した買いが入っている。2/10には1,657円まで上昇し、連日で昨年来高値を更新した。上方修正した数値に対する進ちょく率は83%と高水準。さらなる上振れへの期待も高まる中、株価も右肩上がりのトレンドが続くと予想する。2015年12月高値(2,884円)から形成される右下がりの上値抵抗線を2月の終値で上回れば2,500円水準も視野に入ってくる。ターゲットは2,200円、ロスカットは1,420円
  • 7245
    大同メタル工業
    1,700
    850
    軸受けメタル専業で最大手。自動車エンジン用では世界シェア約4割。同社は2/12の14時、2026年3月期の通期連結純利益予想を従来の35億円から40億円に上方修正を発表。期末の配当予想を12円→16円への増額修正も発表した。株価は弱気に反応し、後場終盤に向けて下げ幅を拡大する展開となった。2/12の日足は上ヒゲの長い陰線を形成し、引け味の悪い形状となった。一方、2/13は安寄りしながらも前場の中盤以降は切り返し、前日決算発表後の下落幅の半値戻し程度をクリアして、日足は前日陰線に差し込むような陽線を形成した。5日移動平均線をわずかに上回って終えており、前日の上ヒゲ高値(1,220円)を超えることができれば需給が軽くなる可能性が高い。昨年4月安値(405円)からの緩やかな上昇トレンドにむしろ勢いがつくことが想定され、昨年10月につけた昨年来高値(1,327円)更新は早々に達成することが見込まれる。ターゲットは1,700円、ロスカットは850円

出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成

  • 注目銘柄採用基準・・・2/13現在、プライム市場に上場、時価総額が100億円以上、PERが35.0倍未満、PBRが2.5倍未満、株価が25日・75日・200日移動平均線を上回っている銘柄の中から、成長性や話題性など総合的に考慮した上でピックアップした。
  • 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
  • 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
  • 本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
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