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週刊日本株式アウトルック

国内の決算発表が一巡し、ハイテクグロース株の動向が正念場に

2025/11/17
提供:DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部 東野幸利

今週の株式見通し(2025/11/17-11/21)

 今週(2025/11/17-11/21)の日経平均株価の予想レンジは49,800円-51,800円。東京株式市場はもみ合い基調か。まずは、週初(11/17)に発表される7-9月期GDP速報値の結果に対する為替市場の反応に注目だ。連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言を受けて早期の追加利下げ期待が後退する中、GDPが予想以上に悪化を示せば日銀による利上げ観測も一時的に後退し、円安・ドル高要因となる。一方、無風で通過できれば、国内企業の決算発表が一巡したこともあり材料難となる。決算内容の結果を振り返りながらの好業績銘柄への個別物色が主体となろう。注目は11/19に発表される米半導体大手のエヌビディアの決算発表や株価の反応である。週前半はこの内容を見極めたい状況下で半導体関連を中心としたハイテクグロース株は手がけづらく、金融株を中心とした内需セクターへの買いが意識されやすい。


 エヌビディアの株価動向は世界の半導体関連の騰落のバローメーター的存在であり、直近10/29につけた史上最高値(212.19ドル)に向けて反発基調を強めれば追い風になる。一方、高値からの調整が一段と深まれば、リスクオフとなる可能性が高く、国内のハイテクグロース株全般に売りが波及する公算が大きい。それ以外の景気敏感株や金融株などへ資金シフトが生じた場合でも、米国市場も同様の流れにならない限り、指数を下支えるインパクトとしては力強さに欠ける。


 ちなみに、昨年の同時期の日経平均株価は軟調だった。週明け11/18は米国株安や円安一服を嫌気して400円を超える下落。11/19は上昇し、11/20は下落したが、この両日はエヌビディアの決算発表を先に控えて方向感に欠ける動きとなった。エヌビディアの決算は市場予想を上回る好内容。ただ、発表後の時間外で株価が下落したことから、これを嫌気した11/21は大幅安となり、一時節目の38,000円を割り込んだ。エヌビディアは11/21の米国市場ではプラスで終え、この日に米国株にも強い動きがみられたことから11/22は大幅高。週間では約359円の下落となった。


 日経平均株価(図表1)は高値もみ合いの展開となっている。11/14は5日移動平均線(50,895円 11/14)や10日移動平均線(50,975円 同)を下回るスタートから下値を試す展開となった。ただ、後場の戻りは鈍かったものの、前場安値を下回ることなく終えた。   


 下向きに変化した10日移動平均線を下回ったことで、25日移動平均線(49,836円 同)までの押し目形成が想定できる。週初は一目均衡表の転換線(50,855円 同)が下向きに変化する影響にも留意したい。


 一方、11/5や11/7の安値で意識した20日移動平均線(50,322円 同)前後で終えている。再び反発に期待できる局面でもあり、これまでの見方を大きく変える必要はない。


上値メドは、心理的節目の51,000円や52,000円、11/4高値(52,636円)、心理的節目の53,000円や53,500円などが想定される。下値メドは、心理的節目の50,000円、25日移動平均線、11/7安値(49,640円)、11/5安値(49,073円)、10/23安値(48,399円)、心理的節目の48,000円などがある。

図表1:日経平均株価の日足チャート(2025/3/3-2025/11/14)
  • 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成

 主要な国内経済指標の発表やイベントは、7-9月期GDP速報値、10年物価連動国債入札(11/17)、10月訪日外客数(11/18)、10月貿易統計、9月機械受注、20年国債入札(11/19)、10月首都圏新規マンション販売(11/20)、10月全国消費者物価指数(CPI)(11/21)などがある。


 企業決算の発表では、KeePer技研(11/17)、東京海上、MS&AD、SOMPOHD(11/19)が予定している。


 海外の経済指標の発表やイベントは、米11月ニューヨーク連銀製造業景気指数(11/17)、米10月輸出物価指数、米10月輸入物価指数、米10月鉱工業生産指数、米10月設備稼働率、米11月NAHB住宅市場指数(11/18)、米10月住宅着工件数、米10月建設許可件数、FOMC議事要旨(10/28、29開催分)、米20年国債入札(11/19)、米11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、米10月中古住宅販売件数(11/20)、米11月製造業購買担当者景気指数(11/21)などがある。


海外の企業決算の発表では、ホームデポ、メドトロニック(11/18)、エヌビディア、ターゲット、TJXカンパニー、プログレッシブ・コープ、パロ・アルト・ネットワークス、ロウズ・カンパニーズ(11/19)、ウォルマート、ジェイコブス・エンジニアリング・グループ、インチュイット、ロス・ストアーズ(11/20)などが予定している。

今週の注目銘柄!(11/17-11/21)

銘柄コード 銘柄名 目標株価
(円)
ロスカット株価
(円)
注目ポイント
1898 世紀東急工業 1,900 1,430 東急系の道路舗装大手。このところは土木建築系の採算性向上が顕著であり、同社も11/6の上期決算の発表に併せて通期見通しを引き上げた。信用倍率は1倍程度と需給良好、かつ配当利回りも4%台と投資妙味がある。大手ゼネコンが高値圏にあるなか、出遅れ感のある好業績高配当の小型建設株として注目したい。決算発表前に期待先行で買われていたためか、翌営業日の11/7は安く始まった。ただ、スタート直後を安値に高値引けとなるなど、場中の買い意欲は旺盛。RSI(14日)などオシレーター系指標が上昇基調にあり、ピークアウトはまだ先と考えられる。ファンダメンタルズ、テクニカルともに良好なことから、一段の上昇を予想する。ターゲットは1,900円、ロスカットは1,430円
5101 横浜ゴム 7,500 5,030 タイヤ国内大手。11/14の場中に3Q決算を発表し、市場予想を上回る純利益となった。グッドイヤーの事業買収費用を吸収して利益を確保しており、その影響がなくなる見込みの来期は一段の成長が期待される。タイヤ各社の中では特に好調な印象であり、AIラリーの一巡後は選好されやすい銘柄の一つと考える。9月後半から11月前半は上値の重さが目立っていたが、上記の決算発表をきっかけに急騰。高いところで6,118円まで買われ、上場来高値を更新した。ボリンジャーバンド(20日)が拡大し始めたことで、次の上昇局面に入った可能性がある。同業に対しPERに割安感もあり、バリュエーション修正による上値余地は大きいと判断する。ターゲットは7,500円、ロスカットは5,030円
6332 月島ホールディングス 3,250 2,380 上下水処理の水環境事業や化学向け産業プラントなどを手掛ける。11/7に上期決算を発表し、固定資産(物流施設)の売却もあって純利益は前年同期比で大幅に増加した。また、JFEエンジニアリングの水道用鋼管事業の統合に向けた協議を開始することも発表しており、これが実現すれば水環境事業の拡大が期待される。株価は8月上旬から10月上旬にかけて大きく上下しているが、その後のAIラリーにはついていけず動きが鈍かった。ただ、決算発表をきっかけに動意付いたことで、改めて注目される可能性がある。ボリンジャーバンド(20日)は横ばいから拡大に向かう可能性が高く、次の上昇局面に備えて仕込むタイミングと考える。ターゲットは3,250円、ロスカットは2,380円
6817 スミダコーポレーション 1,500 1,040 コイル専業メーカー。前期は大幅な営業減益となったが、今期は持ち直す見通し。コスト構造改善の成果もあり、3Q決算まで各四半期ごとに順調な進ちょくが確認された。PBRは0.6倍台であり、配当利回りも4%台半ばの水準にある。一段の評価に期待したい。株価はここ数カ月で右肩上がりとなっており、AI関連からの資金分散もあってか11/12は大陽線を形成。年初来高値を更新した。RSI(14日)の推移を見ると80%以下の水準で安定的に推移しており、過熱感が意識されるのはしばらく先とみられる。また、12月権利であるため、ここから積極的に売られることも考えづらい。順張りで値幅が取れる銘柄と判断する。ターゲットは1,500円、ロスカットは1,040円
7721 東京計器 6,800 5,040 商船用や航空、防衛省向け計器などを手掛ける。11/7に上期決算を発表し、営業損益は黒字転換。通期見通しも引き上げた。ただ、修正幅はそこまで大きくはなく、保守的な計画とみられる。新政権のスピード感であれば防衛費増額の前倒しにも現実味があり、関連銘柄としての業績に対する期待感は引き続き高いと考える。株価は10/27に6,590円の年初来高値をつけて調整に入った。上記の決算発表翌日は買いの反応だったが、その後は下げる場面もあって上値は重い。ただ、上向きの25日移動平均線まで調整しており押し目買いのタイミングとなる公算が大きい。ターゲットは6,800円、ロスカットは5,040円

出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成

  • 注目銘柄採用基準・・・11/14現在、プライム市場に上場、時価総額が300億円以上、PBRが2.5倍未満、PERが35.0倍未満、株価が25日・100日・200日移動平均線を上回っている銘柄の中から、成長性や話題性、業績面など総合的に考慮した上でピックアップした。
  • 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
  • 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
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