投資情報部　鈴木　英之

「SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング」（現物）では、ネットで取引をする投資家になじみの深いネット企業や、株主還元（配当・株主優待等）に積極的な企業が上位にランクされる傾向があります。11月のトップ企業は日本航空（9201）で、第2位が三菱UFJフィナシャル・グループ（8306）、第3位がオリックス（8591）、第4位がANAホールディングス（9202）、第5位はソフトバンク（9434）でした。

上位の組み合わせに大きな変化はありませんでしたが、日本航空（9201）は前月の第５位、ANAホールディングス（9202）は第６位からのランクアップになりました。

このうち、日本航空は6日に公募増資の実施を発表し、9日に大きく売られましたが、そこがボトムになり、商いを集めました。その後は新型コロナ向けワクチンの実現性が高まった上、竹中平蔵氏から航空業界の資本注入の必要性を強調する意見があり、株価は安定に向かいました。また、ANAホールディングス（9202）も日本航空（9201）の公募発表後は売られましたが、その後は持ち直しました。ただ、こちらは下旬に公募増資の実施を発表したため、再び下げたところで月末を迎えました。

「SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング」（現物）の投資家の方の多くは株式投資初心者で、配当や株主優待はわかりやすい魅力であり、上記のように知名度の高い企業であれば、安心感も強いと思われます。ただ、株価上昇局面では、配当や株主優待等の魅力よりも成長性の強い銘柄がけん引役になったように見受けられ、パフォーマンス面では課題を残しました。

「SBI証券ではじめてお取引された銘柄人気ランキング」（信用）では、第1位はソフトバンクグループ（9984）、第2位はＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信（1570）、第3位はトーセイ（8923）でした。ソフトバンクグループは9日に決算発表を行った後、日経平均株価の上昇が加速する展開になり、その追い風を受けました。トーセイは珍しい11月決算銘柄で、株主優待も実施している銘柄ですが、期末に業績・配当予想の上方修正を行い、つなぎ売り需要が膨らんだ形になっています。第6位のカラダノート（4014）は10/28に1,890円で初値を付けた後、11/9に2,600円の高値を付けました。

「SBI証券の売買代金ランキング」（2020年11月）は売り・買いともに第1位ＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信（1570）、第2位にソフトバンクグループ（9984）、第3位に任天堂（7974）となりました。上位の銘柄の組み合わせに変化はありませんでした。
ちなみに、この月は日経平均株価が前月末比15%も上昇し、1994年1月以来26年10か月ぶりの上昇率を残しました。レバレッジ投信の上昇率は1ヵ月で32%に達し、過去最大級の変動率を残しました。

「SBI証券のETF/ETN人気ランキング」では、第1位にＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信（1357）が、第2位にＮＥＸＴ ＦＵＮＤＳ 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信（1570）となり、上位2社の顔触れは変わりませんでした。第5位の国際のＥＴＦ ＶＩＸ短期先物指数（1552）は月を通じて下落基調になりました。

「SBI証券のREIT人気ランキング」には第1位がインヴィンシブル投資法人　投資証券（8963・先月第2位）、第2位が投資法人みらい　投資証券（3476・先月第2位）となり、上位2社が順位を入れ替える展開になりました。