投資調査部　鈴木　英之

2014年6月の東京市場では、日経平均株価が3.6％上昇するなど、全般的に堅調な推移となりました。前月までの決算発表で、景気・企業業績に対する過度の懸念が後退したことに加え、NYダウが史上最高値を更新して1万7千ドル台に迫るなど、海外株式市場が総じて上昇したことが追い風になりました。日米欧主要3極が、当面は金融緩和を継続するとの見方が支配的となっており、過剰流動性も続くとみられています。

6月のはじめてお取引された銘柄（現物）の人気ランキングは、新規に4銘柄がランクインし5月から大きく変わりました。8月権利確定で買い物優待券が貰えるビックカメラ（3048）、6月権利確定で無配ですが、100株保有2万円以下の投資で1,000円分の優待券が貰える小僧寿し（9973）など株主優待銘柄が人気でランクインしています。
また信用では、スマホゲーム「モンスターストライク」の大ヒットのミクシィが2位から4位にランクダウン、貸金業法の改正の思惑で消費者金融のアイフルが1位になり、格安スマホで5月に引き続き人気の日本通信（9424）が2位にランクアップしています。新規では、いすゞとの提携発表で急騰したユーグレナ（2931）や、指紋認証ソフトのディー・ディー・エス（3782）が新規ランクインしています。

7月の株式相場も堅調に推移する可能性が大きそうです。月初に発表された6月調査の日銀短観で、企業の景況感が、3月調査の時点で示された見通しよりも悪化しなかったことから、景気・企業業績への安心感が強まりつつあります。この月は、小売決算に続き、下旬には3月期決算企業の第1四半期業績も発表され、投資家の期待が持続しそうです。ただ外為相場に円高圧力の台頭が認められることは、リスク要因となりそうです。