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アナリストの視点〜(14)シクリカル株への投資法〜高PERで買い、低PERで売るのがセオリー!?

2020/5/28
投資情報部 長谷川 稔

当レポートは、一般投資家の皆さんにも、アナリストの分析手法の基本知識や考え方、さらにはノウハウを身につけていただく一助になればとの思いで執筆しています。毎回一つのテーマに関して、分析手法やその裏側に隠れている大事な意味などについて解説していきたいと思います。当社の国内株の「銘柄スクリーニング(銘柄条件検索)」機能を使って、実際にテーマにちなんだ銘柄のスクリーニングも併せて行ってみたいと思います。

第14回のテーマは、「シクリカル株への投資法」です。シクリカルとは文字通り循環的に業績が変動することで、業種では鉄鋼や非鉄、化学、石油、紙パルプ、海運などの素材産業(市況産業)がその代表格です。半導体や工作機械などもシクリカルの範疇に入れてよいと思います。

株式投資の王道は成長株の発掘、投資にあると思います。よく使われる話として、仮にこの株をIPOや上場初期に買っていたら億万長者になっていたという話があります。例えば古くはソニー、セブンイレブン、わりと最近ならヤフー*などがその代表格でしょうか。

*ヤフーは1997年に上場しましたが、その時の公募価格は70万円でした。現在はZホールディングスになっていますが、幾度となく株式分割を行っており、公募に応じていれば(初値は200万円)、現在その価値は約5億円(ピークの2005年には約10億円)まで増えています。

ただしそのようなチャンスはめったにないのが現実です。筆者は20年近く投資顧問会社で日本株の運用に携わってきましたが、その経験の中で、セオリーともいえる運用方法がいくつか存在しました。その中の有力な手法の一つが景気回復局面でのシクリカル株への投資です。

シクリカルの共通項としては、製品の需要が景気動向に左右されやすく、業績変動が激しい点があげられます。また、その原因となっているのですが、消費財とは異なり、製品の価格が日々変動することがあげられます。このためシクリカル株への投資は、うまくタイミングをとらえれば、比較的短期間で大きなリターンを得られることがあります。もちろんそのタイミングを捉えるのが重要なポイントなのですが。逆にタイミングを逸してしまうと、長期間の塩漬けとなるケースも出てきます。今回はこうした「シクリカル株」への投資法を考えてみたいと思います。

1高PERで買い、低PERで売るのがセオリー!?

投資家は、投資先の銘柄を決める時に、まずその銘柄のバリュエーションを見るのが普通かもしれません。そして通常はなるべく割安な銘柄を探そうとすることになりましょう。具体的にはPER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、配当利回りなどをチェックするのではないでしょうか。

しかし、シクリカル株の場合その理屈は当てはまらないと思います。逆にPERに関しては高い時に買い、PERが低くなってきたときに売るのがセオリーと考えることができます。すなわち業績不振で利益が低下すれば、普通、EPSはどんどん減少し、PERは高くなります。業績の悪化スピードが往々にして市場予測よりも早く、しかも大きい時、赤字に陥り、EPSがマイナスになることもあります。当然株価は下落しますが、財務体質に問題がなければ、まさにその局面がシクリカル株への投資を検討する重要な時期となることが多いようです。

逆にいったん景気が回復局面に向かうと、今度は利益が底入れから増加局面に転じます。EPSは増加し、株価は底入れから反転し上昇局面に移行します。
多くはそれにつれて株価も上昇しますが、利益の増加の方が大きく、PERは低くなるケースが多いとみられます。またこの過程で、往々に実際の利益の増加スピードが市場予想を上回ることが多くなります。この流れをまとめると下記のようになります。

(1)景気悪化局面
最終需要が減少し、中間の加工業者も含む多くの製品ユーザーが在庫を圧縮する。製品の価格が下落傾向にあればよりその傾向が顕著となる。製品需要は、実際の消費需要よりも大きく減少し、メーカーは減産を実施する。メーカーの採算は減産による固定負担増加と製品価格の下落のダブルパンチを受け、大きく悪化する。

(2)景気回復局面
最終需要が増加に転じるため、(1)とはすべて逆の現象が起きる。在庫補填も含め一挙に需要が回復する。メーカーは増産に転じ、増産による固定費負担減少と価格上昇により、メーカーの採算は急速に好転する。

(3)アナリストの業績予想
業績悪化時も好転時も、往々にして後追いになりがちとなる。増減産と価格上下のボラティリティーが激しく、相乗効果で業績に効いてくるため実際の業績の方が振幅しやすい。景気変動のサイクルが世界的に一致した時などは、このボラティリティーがより激しくなる点に注意が必要となる。

(4)企業のリストラ努力
業績が悪化した企業においては、回復のため、設備合理化、人員削減、減損処理等のコスト削減努力を行うことが多い。その経営努力が結実し、コスト削減が実現する時期と製品市況の回復時期とが重複し、業績回復に拍車がかかるケースが多い。

2代表的なシクリカル銘柄はこちら!?

現在の株式相場の大局観として、新型コロナウイルスの感染拡大による、世界同時不況からの回復局面に差し掛かっていると言ってよいのではないでしょうか。したがってシクリカル株への投資を検討してよい局面だと考えています。
そこで下記のような条件で、シクリカル銘柄として代表的なところの業種を分散する形でピックアップしてみます。

(1)東証1部上場企業で時価総額が1,000億円以上
(2)業種分類で、化学、鉄鋼、非鉄金属、海運に属すること
(3)対日経平均株価のβ(ベータ)値が1以上であること
(4)主力事業がシクリカル性の高い製品、サービスであること

これらの条件を満たす銘柄群をまとめたのが表1です。(3)のβ(ベータ)値は、日経平均株価に対する当該銘柄の過去の感応度を示すもので、日経平均株価が1上昇した時に株価が何倍に上昇したのかを示します。


これらの銘柄群は、いずれも足元の業績は悪化していますが、今後想定される景気回復により、業績好転が見込まれるのではないでしょうか。皆さまの銘柄選択の際のご参考になれば幸いです。

表1 代表的なシクリカル銘柄はこちら!?

取引 チャート ポート
フォリオ
コード 銘柄名 株価(円)
5月27日
PER
(倍)

対日経
平均β値
業種
3407 3407 3407 3407 旭化成 849.8 11.8 1.07 化学
4005 4005 4005 4005 住友化学 345 15.3 1.13 化学
4205 4205 4205 4205 日本ゼオン 1,045 11.5 1.19 化学
5021 5021 5021 5021 コスモエネルギーHLDG 1,817 10.5 1.19 石油
5401 5401 5401 5401 日本製鉄 1,010.5 NA 1.12 鉄鋼
5411 5411 5411 5411 ジェイエフイーHLDG 789 NA 1.16 鉄鋼
5471 5471 5471 5471 大同特殊鋼 3,675 14.8 1.08 鉄鋼
5713 5713 5713 5713 住友金属鉱山 2,977 13.7 1.17 非鉄金属
5714 5714 5714 5714 DOWA HLDG 3,505 12.1 1.01 非鉄金属
5801 5801 5801 5801 古河電気工業 2,658 10.7 1.21 非鉄金属
9101 9101 9101 9101 日本郵船 1,605 8.8 1.01 海運
9104 9104 9104 9104 商船三井 2,017 7.5 1.30 海運
9107 9107 9107 9107 川崎汽船 1,235 21.7 1.53 海運
  • ※当社WEBサイトの「スクリーニング(銘柄条件検索)」等よりSBI証券が作成。PERのNAは予想EPSが赤字でPERの算出ができないことを表します。また現在は決算発表から間もないため、EPSのコンセンサス予想が今後大きく変化する可能性があります。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
  • ※NISA口座で上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。
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