8/13(月)の東京株式市場では、日経平均株価(図1)が前週末比440円65銭安となり、終値は21,857円43銭と、7/11(水)以来の22,000円割れ(終値ベース)となりました。市場ではこの日の下げを「トルコ・ショック」と説明しているようです。
トルコでは、2016年7月にエルドアン大統領の政権転覆を狙って軍がクーデターを起こし失敗したという経緯があります。この時、米国人のキリスト教福音派牧師が関与したと同大統領は考え、同牧師を逮捕・収監してしまいました。これに対し、米国のトランプ大統領が、牧師の逮捕および長期拘束は不当だとして、トルコからの鉄鋼・アルミ輸入に2倍の関税を課すことを表明しました。外為市場では、トルコ経済の悪化を懸念したトルコリラ売りが優勢となり、8/10(金)と8/13(月)でトルコリラは米ドルに対し、2割超も急落。円に対しても図2にあるように、急速な下げとなっています。
トルコリラの急落を受け、経常赤字の国の通貨が「狙い撃ち」される形となり、8/13(月)の市場では南アフリカ・ランドも下げる展開となっています。こうした流れの中、市場でリスク回避の動きが強まり、アジアの株式市場が下げる中、東京市場も朝方から売りが先行する形となりました。その意味で、「トルコ・ショック」は市場の波乱の要因の少なくとも一部を説明していると考えられます。
ただ、「トルコ・ショック」は市場の波乱の一部を説明しているに過ぎません。米国ではFRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利の引き上げを続け、トランプ政権は「米国ファースト」を掲げ、米国に雇用やマネーを戻す政策を推進しています。すなわち、米国の政策は、意図しているしていないにかかわらず、新興国や他の先進国から雇用やマネーを取り返す政策であり、特に「米国ファースト」的政策については、11月の中間選挙に向けて強化される可能性があります。米国では、保護主義的政策の副作用がいまだ表面化していない上、足元ではトランプ政権の支持率底上げにも役立っているとみられ、当面は政策変更が考えにくいとみられます。本質的には、世界経済は自由貿易体制が崩壊する危機に瀕しており、それが日経平均株価下落の背景にあると考えられます。
足元は夏休み本格化もあり、市場参加者は一層減少する可能性があり、株価の変動率はいっそう高まりやすいと考えられます。現金比率を高めに慎重なスタンスでのぞむべき局面が続きそうです。
図表1:日経平均株価(日足)・一目均衡表
- ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成
図表2:トルコリラ・円相場(日足)
- ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成
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