6/3(金)に発表された米雇用統計(5月)では、非農業部門雇用者数が前月比3万8千人増にとどまり、事前予想である16万人増を大幅に下回りました。さらに過去2ヵ月分も5万9千人下方修正されました。非常に厳しい結果であり、FRB(米連邦準備制度理事会)の今後の金融政策に大きな影響を与えそうです。少なくとも6/15(水)に結果が発表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げが実施される可能性はかなり「ゼロ」に接近し、次回の7/27(水)に結果が発表されるFOMCでも、それまでに相当強い経済指標発表が続かない限り、利上げは難しくなったとみられます。
このように、FRBによる追加利上げのタイミングが先送りされやすくなったことで、外為市場では再びドル安圧力が強まることになりそうです。ドル・円相場は5/3(火)の海外市場で一時105円台半ばまで円高・ドル安が進みましたが1ヵ月後の今、再び105円台トライとなる可能性もありそうです。
こうした中、週明けの東京株式市場では売りが先行する展開になっています。雇用統計の結果を受けて円高・ドル安が進んだうえ、シカゴ日経平均先物の終値(6/3)が16,290円と大阪取引所の終値を370円下回り、それを意識した展開となっています。もっとも、雇用統計を受けてFRBによる利上げが難しくなったこと自体は、緩和的金融政策の長期化を望む市場参加者にとって、悪い面ばかりではありません。6/3(金)のNYダウは31.5ドル安と、意外に下げは小幅で、東京市場もその分だけ下支えられている形になっています。
今後はどうなるでしょうか。今週は6/10(金)にメジャーSQを控え、仮に大きな材料がなくとも動きにくい1週間ですので、波乱に要注意の1週間となりそうです。ただ、米雇用統計の悪化で逆に日銀が動きやすくなった面もあり、6/16(木)に結果が発表される日銀金融政策決定会合への関心(または期待)度は高まりそうです。6/3(金)現在、日経平均の予想EPSは1,193円85銭で、それに予想PER13.5倍をかけた水準は16,116円であり、そこを強い支持ラインとした神経質な相場展開が続きそうです。
なお、6月に入って株価が下落に転じたことで、逆に買い好機となる銘柄も出てきそうです。そうした銘柄については「日本株投資戦略」(6/3掲載)において、その「候補」をご紹介していますので、そちらをご参考ください。
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※2016/6/6時点で、当社取扱いの各指数に関連するETF出来高上位5銘柄。(該当銘柄が5銘柄未満の場合は全銘柄)
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