5/12(木)の東京市場は売り先行の中でスタートしています。米国株の下げや円相場の反発が直接的な理由とみられますが、企業業績の悪化に対する警戒感も影響していそうです。5/11(水)には、我が国の上場企業の中で時価総額が最大のトヨタ(7203)が「2017/3期は前期比40%の営業減益になる」との見通しを発表し、衝撃が走っています。同社の決算発表直前の段階では「5%前後の営業減益予想」というのが市場コンセンサスでしたので、意外感も大きかったと思われます。
トヨタの減益見通しの主因は「円高」で、今期は前期よりも前提為替レートが円高になることで合計9,350億円の営業減益要因になると計算されています。同社株の取引は5/12(木)は売り気配でスタートしています。我が国を代表する企業の減益予想を考慮すれば、今後の株式市場全般の見通しもネガティブにとらえるべきなのでしょうか。
しかし、過度の懸念は不要だと思います。なぜならば、日経平均の予想EPS(一株利益)が5/6(金)の1,091円をボトムに5/11(水)には1,154円と大幅に反発しているからです。5/9(月)から5/11(水)に日経平均株価は3営業日続伸しましたが、予想PERは5/6(金)の14.76倍から5/11(水)には14.36倍と低下し、逆に割安感が増している格好になっています。株価が上昇すれば、企業業績と比べて割高感が強まるのが普通であることを考えると、なぜ、このような「奇妙な現象」が起こるのか不思議に思う市場関係者も多いかと思われます。
トヨタが営業減益予想を出したにもかかわらず、今期の予想EPSが上昇に転じたのは、純利益ベースでみると、商社やエネルギー系企業の減損・評価損計上が一巡したことの影響の方がトヨタの減益予想より、現状では大きいからです。トヨタは今期、純利益が8千億円減る見込みですが。JXホールディングス(5020)、三菱商事(8058)の2社で今期は純利益が8千億円の改善見込みです。その他、三井物産(8031)、商船三井(9104)、豊田通商(8015)まで含めると5社で計1兆4千億円弱、純利益が増える見込みなのです。
決算発表を終え、会社予想を公表している企業だけの計算でも、今期は営業減益にもかかわらず、純利益は合計で増える見込み(5/11現在)です。決算発表は5/12(木)493社、5/13(金)934社とまだ多くの企業が残されており、予想EPSがこのまま上昇し続けるとは限りません。しかし、予想EPSベースでみれば、企業業績が大幅に悪化する予想になる可能性はかなり後退したといえそうで、そのこと自体は日経平均を下支える重要な要因になると考えられます。
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