日経平均株価は4/8(金)に15,471円の安値を付けた後、4/15(金)には一時16,928円まで9.4%上昇しました。しかしその後は下落に転じ、週明けとなった4/18(月)は前週末比572円安と大幅安になっています。理由はおもに以下の3点であると考えられます。
(1)ワシントンで行われていたG20財務相・中銀総裁会議で、日本が為替介入を行った場合、理解を得られそうにないことがわかったこと。
(2)カタールの首都ドーハで開催されていた産油国会合において、原油の増産凍結について合意できなかったこと。
(3)熊本で起きた大地震の影響で、製造業の生産供給体制の一部にも狂いが生じたこと。
今後はどうなるでしょうか。(1)については、円買い・ドル売りを目論む投機筋にとっては付け入るスキを与えることになり、短期的には円高・ドル安が進む可能性があります。その場合、ポイントとなる水準は4/11(月)に付けた1ドル107円63銭で、ここを割り込まなければドル・円相場は短期間で落ち着きを取り戻し、逆に割り込んだ場合は1ドル105円程度まで円高・ドル安が加速する可能性があります。
もっとも、G20会合の中身を吟味するまでもなく、多くの市場関係者はもともと、日銀による単独介入にはその効果に限界があると考えています。為替のトレンド転換には、金融・財政政策を通じ、我が国のデフレ体質を改善させることが必要とみられます。その意味でより重要なのは、今後の日米欧の金融政策であると考えられます。今週は4/21(木)にECB理事会、来週は4/27(水)にFOMC(結果発表)、4/28(木)に日銀金融政策決定会合(結果発表)が予定されていますので、大きな変化が生じる可能性があります。そのため、円買い・ドル売りを仕掛けたい投資家にとっても、要注意の時期に入ってきたため、意外と円高・ドル安が進まない可能性があります。
(2)については、産油国が生産調整で合意することの難しさを示した形になり、当面は原油価格の上値を抑える可能性がありそうです。ただ、原油価格は産油国の生産能力だけが決定要因ではないと思います。需要面では世界経済の好不調が重要です。その意味で、米国経済が力強さを取り戻してきたこと、「全人代」以降に中国の経済対策が動き出したとみられること等はプラス要因になるとみられます。また、これまで原油価格が下落してきた背景には米金融政策の潮流変化があったことを忘れるべきではないでしょう。すなわち、世界最大の経済大国である米国の金融政策が「緩和」から「引き締め」に転じることで、世界の多くの「市場」から資金流出が懸念され、原油先物市場もその例外ではなかったということです。その意味では、米国の政策金利引き締めという方向感がある程度浸透し、そのペースが想定していたほど早くなさそうだという見通しは、原油先物市場の価格下支え要因になるとみられます。これらから、原油価格下落に対する過度の懸念は不要ではないでしょうか。
なお(3)については、まず被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。地震の被害は、一部の生産にも及んでいます。このため、各企業の生産能力の現状が把握できるまで株価の上値を抑える要因になる可能性があります。ただ、被害等の現状が把握でき、数字が明らかになってくれば株価は落ち着くものとみられます。
以上を総合して考えると、今回の株価下落については短期的に注意を要する側面もあるものの、落ち着きを取り戻すのは意外に早い可能性があると思います。日経平均はテクニカル的に、4/13(水)高値で「窓埋め」に相当する16,405円以下の水準まで下げてきているので、最善のシナリオでは4/18(月)で下げが一巡する可能性もあります。仮にここより下げた場合は、4/12(火)高値で「窓埋め」に相当する15,963円までで止まる可能性が大きいのではないのでしょうか。
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