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2013年振り返り(その2)〜海外マクロ・投資信託編〜

2013/12/9
投資調査部 渡辺 晋司

2013年のキーワードは「アベノミクス」、「テーパリング」、「イエレン相場」

2013年振り返り特集<第2弾>として、国内外株式や債券といった主要資産クラスの値動きや資金フローについて、国内公募投資信託の動向を用いて振り返っていきたいと思います。
2013年は、年初から5月中旬までの「アベノミクス」への期待が高まったリスクオン相場、5月中旬から秋頃までの「テーパリング(米国の量的緩和縮小)」への警戒が高まったリスクオフ相場、そして現在進行形の「イエレン相場」とも呼ばれるリスクオン相場と、強気相場と弱気相場が交互に訪れる展開となりました。
そのような環境下で人気を集めたファンド、パフォーマンスがよかったファンドはどのようなファンドだったのでしょうか?

目次

1 資産クラス別年初来パフォーマンス

まずは、インデックスファンドの年初から11月までのトータルリターンを比較することで主要資産クラスの騰落状況を概観したいと思います。

図1:主要資産クラス年初来パフォーマンス
主要資産クラス年初来パフォーマンス

このように結果だけ見ると、2013年は、2008年のリーマンショック以降粘り強く我慢してきたリスク選好度の高い投資家に対する「ご褒美」とも言えるような相場となりました。主要資産クラスのパフォーマンスを見ると、上位3資産クラスは「国内株式」、「先進国株式」、「国内リート」とリスクの高い資産クラスの上昇率が高くなっています。

リーマンショックの影響により急速な円高株安が進んで以降、円の高止まりと日本株の低迷が2012年10月頃まで続き、リスクを取って株式や海外資産に投資をしてもなかなか報われない状況が続きました。それが一転、2012年11月以降アベノミクスへの期待から円安日本株高となり、また日本の不動産価格上昇期待から国内リートも買われ大きく上昇しました。

海外資産に目を転じてみると、主要通貨に対する円安が進んだことで金を除く全ての資産クラスで価格が上昇しました。その中でも先進国株式の値上がり率が最も高くなっており、主要国の指数でもNYダウやDAXは史上最高値今年更新しています。

一方、2013年のパフォーマンスが優れなかった下位3資産クラスは、「」、「国内債券」、「コモディティ」となっています。2013年のマーケットを語る上で「アベノミクス」と合わせてもうひとつ欠かせないキーワードは「テーパリング(tapering=徐々に減らす)」です。バーナンキFRB議長が量的緩和策第3弾(QE3)早期縮小を示唆する発言をした5月22日を境に、世界のマーケットは米国の金融緩和からの出口を意識した値動きをするようになりました。

ドルの代替通貨として買われていた金が売られ、「米国金利上昇→新興国からの資金流出」懸念から新興国株や債券も大きく下落しました。また、米国リートも金利上昇の影響で不動産市況が軟化するとの思惑から下落しました。市場関係者の間で「イエレン相場」とも呼ばれる、イエレン次期FRB議長のハト派的金融政策への期待からリスクオンムードが広がる足元のマーケットにおいても、米ドルベースでは金や米国リートなどは上値の重い状況が続いています。

1 2013年売れ筋ファンドと資金フロー

次に、そのような相場環境下でどのようなファンドが人気を集めたか見ていきたいと思います。

表1:2013年投資信託 業界人気ランキング

(SBI証券取扱いファンドのみ抜粋、2013年10月末基準)

順位

業界順位

ファンド名

カテゴリー

1

(1位)

ハイイールド

2

(3位)

先進国債券

3

(4位)

新興国債券

4

(8位)

海外REIT

5

(10位)

先進国債券

6位

(15位)

先進国株式

7位

(22位)

J−REIT

8位

(23位)

国内アクティブ

9位

(25位)

J−REIT

10位

(26位)

海外REIT

11位

(29位)

新興国債券

12位

(31位)

国内アクティブ

13位

(34位)

先進国株式

14位

(36位)

新興国債券

15位

(37位)

国内アクティブ

16位

(38位)

J−REIT

17位

(43位)

国内アクティブ

18位

(44位)

ハイイールド

19位

(51位)

海外REIT

20位

(52位)

海外REIT

  • (出所)SBI証券作成。
  • (注)国内追加型株式投信を対象に2013年1月から10月末までの純資金流出入額を推計し、そのうちSBI証券取扱いファンドについて純流入額の上位20ファンドを掲載。

上位5本は比較的高い分配金を維持した毎月分配型のファンドでした。ただし、投資対象は5本とも異なるという結果になりました。

1位のフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドは、米国のハイ・イールド債を実質的な主要投資対象とするファンドです。米国ハイ・イールド債は、米国債の金利が上昇した場合でも、米国景気が堅調であれば信用力の高まりによって価格の上昇を維持できるとの期待が広がりました。確かに図1を見てもハイ・イールド債は債券の中では高いパフォーマンスとなっています。そのような環境下で、数多くの米国ハイ・イールド債券型ファンドの中でも長期的に優れた運用成績を持つ当ファンドが支持を集めたものと考えられます。

2位のダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)は、カナダドル建ての公社債を実質的な主要投資対象とするファンドです。カナダはシェールガス、オイルサンドの豊富な埋蔵量を誇っており、今後採掘が進むことで石油大国化が進行していくことが期待されています。またカナダの格付けはAAAと高い信用力を誇る上に、米国よりも若干利回りが高いこともあり人気となったものと思われます。SBI証券では11月より当ファンドの取り扱いを開始しています!
(シェール革命については「<北米発>エネルギー革命!?関連する投資信託は?」を参照してください)

5位のフィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンドAコース(為替ヘッジ付)も今年人気化した注目ファンドです。当ファンドは、1本のファンドでいろいろな種類の債券に分散投資する「債券総合型」と呼ばれるタイプです。このような債券に限定して分散投資する投資戦略が奏功し、2012年までの過去10年間の暦年トータルリターンをみると、マイナスになった年は2年間のみで、それ以外の8年間は安定的にプラスの収益を上げてきました。リーマンショックを経て投資家がリスクの重要性を学んだためか、アベノミクス効果で日本株が大きく上昇する中でも、当ファンドのように長期的・安定的に収益を上げてきたファンドが見直されていることは注目されます。
(債券総合型ファンドについては「安定感が魅力!「債券総合型ファンド」徹底比較」を参照してください)

そのほかに注目されるファンドとして、17位の「JPMザ・ジャパン」があります。当ファンドは2012年10月末時点での純資産額が約300億円でしたが、2013年に日本株が急上昇する中、その優れた長期運用実績が注目を集めて人気化し、わずか半年足らずで信託上限の2,000億円まで達したため、販売が停止となりました。しかしその人気は衰えず、後継ファンドとして新たに設定された(と投資家から受取られている)「JPMジャパンマイスター」が再び15位と上位にランクインしています。

また8位にランクインしている「DIAM新興企業日本株ファンド」も、好実績ファンドとして人気を集めた「DIAM新興市場日本株ファンド」の後継ファンドとみなされ人気となりました。小型株ファンドである「DIAM新興市場日本株ファンド」は純資産が約80億円となったところで販売停止となり、新たに設定された「DIAM新興企業日本株ファンド」も残高が信託上限に達したため現在は販売を停止しています。
(「JPMジャパンマイスター」については「日本株運用の「職人技」が光る!JPMジャパンマイスター」を参照してください)

このように運用成績が良好なファンドが人気化するという現象は、国内の投信市場ではこれまであまり見られませんでした。しかし今後は、5年、10年という長期の運用実績を持つファンドが徐々に増えていく中で、継続的に起きてくると考えられます。一度人気化すると販売停止まで買い進まれることも多いため、今後は長期運用成績が優れたファンドを先回りして発掘しておくことの重要性が増してくるかもしれません。

2013年に話題となった投資テーマのひとつに「シェール革命」があり、それに関連するファンドとして13位の「米国エネルギー革命関連ファンドBコース(為替ヘッジなし)」が挙げられます。日本ではリート型投信の人気が高いですが、当ファンドは「エネルギー版リート」とも言われる「MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)」を主要投資対象とするファンドです。米国リートと比較して配当利回りが高く、米国経済の回復と連動して価格が上昇していくことが期待されるMLP型ファンドは、2014年の注目タイプのひとつです。
(MLPについては「新ファンド追加!シェールガス関連の好利回り商品「MLP」とは? 」を参照してください)

図2:2013年に投資信託での資金流入・流出が大きかった3カテゴリー
2013年に投資信託での資金流入・流出が大きかった3カテゴリー
  • (出所)SBI証券作成。

個別ファンドの資金動向を見ていても全体的な傾向は見えにくいのですが、ファンドカテゴリー毎に純資金流出入額を合計すると資金フローがより鮮明となります。図2を見ると2013年は先進国債券や新興国債券から資金が流出し、国内株や先進国株に資金が流入したことが分かります。年初から(債券から株式への)グレートローテーションが起きると話題になっていましたが、まさに予想されていたような資金の移動が起きています。現在進行している米国での金融緩和からの出口を模索する動きや、国内での低金利下でのインフレが継続するならば、今後もよりインフレ耐性、金利上昇耐性に強い資産クラスへの資金シフトが起きていく可能性が高いと予想します。

1 2013年個別ファンドリターンランキング

続いて、2013年10月までの運用成績ベスト・パフォーマーを個別ファンドで見ていきたいと思います。

表2:2013年投資信託リターンランキング

(2013年10月末基準)

  • (出所)SBI証券作成。
  • (注)国内追加型株式投信を対象に2013年1月から10月末までのトータルリターンを計算し、SBI証券取り扱いファンドについてトータルリターン上位10ファンドを掲載。
  • ※上記実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。

今年の上位10本は全て日本株関連のファンドとなっています。1位の「JASDAQ-TOP20指数ファンド」はJASDAQ市場に上場する銘柄の中から、東京証券取引所が流動性や上場時価総額等、多面的な尺度によって20銘柄を選定し指数化した「JASDAQ−TOP20指数」に概ね連動する投資成果を目指して運用されるインデックスファンドです。当該指数の構成比で大部分を占めるガンホー・オンライン・エンターテイメントの株価が2013年に大きく上昇したことがプラスに寄与し年初から3倍超というリターンを上げています。

3位の「SBI日本株・トリプル・ブル」は日々の基準価額の値動きが日本株全体の値動きの概ね3倍程度となる投資成果を目指して運用が行われるファンドです。日本株市場が活況な中、その「商品設計のわかりやすさ」と「値動きの大きさ」からトレーディング目的で購入する投資家が増え、当ファンドは当社の販売額ランキング上位の常連ファンドとなりました。

4位以下のファンドを見てみると全て国内小型株の組み入れ比率の高いファンドとなっています。4位の「DIAM新興市場日本株ファンド」は売れ筋ファンドの解説で少しふれた運用成績が良好なことが注目され今年人気化したファンドです。今年も国内アクティブファンドとしてはトップの運用成績となりました。また、10位の「インベスコ ジャパン・エンタープライズ・オープン」でも年初来リターンは+84.5%となっており、図1に示したTOPIXに連動するインデックスファンドを36%ポイントも上回るリターンを上げています。相場上昇期におけるアクティブファンドの魅力が発揮された年となりました。

1 2013年カテゴリー別個別ファンドリターンランキング

最後にカテゴリー毎に、運用実績上位ファンドを見ていきたいと思います。

表3:2013年投資信託カテゴリー別リターンランキング

(2013年10月末基準)

  • (出所)SBI証券作成。
  • (注)国内追加型株式投信を対象に2013年1月から10月末までのトータルリターンを計算し、SBI証券取り扱いファンドについて各カテゴリートータルリターン上位5ファンドを掲載。
  • ※上記実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。

国内株式

投信全体のランキングと上位ファンドは一致していますので、1 の2013年個別ファンドリターンランキングをご覧ください。

国内債券

5位の「MHAM物価連動国債ファンド(未来予想)」が注目です。日本の10月の消費者物価指数は前年同期比+1.1%と、足元0.6%近辺で推移する10年国債の利回りを上回り、10年国債利回りからインフレ率を引いた実質利回りは-0.5%とマイナスとなっています。

これまでの様なデフレ環境下であれば、現金を保有しているだけでも物価が下がってくれるため、同じ現金で買えるものの量は年々増え、実質的な資産価値は増えていました。しかし、インフレとなると現金で持っているだけではその価値がどんどん下がっていくことになります。さらにマイナス金利となると預貯金として銀行に預けていたり、10年国債に投資をしていても資産は実質的に目減りしていってしまうこととなります。

そのような環境下で注目されるのが物価の上昇と連動して利回りの上昇が期待できる物価連動債です。物価連動債は個人で直接購入することができないこともあり、当ファンドのように物価連動債を組み入れたファンドは、今後のインフレ継続を予想する投資家から注目される可能性があります。

先進国株式

先進国株式型で最もパフォーマンスが高かったファンドは世界のヘルスケア・バイオ関連企業の株式を主要投資対象とする「三菱UFJ国際−グローバル・ヘルスケア&バイオオープンBコース(健太)」です。2013年は日本でもペプチドリームリプロセルなどバイオ関連銘柄が新規株式公開し注目を集めましたが、世界的にもバイオ関連銘柄のパフォーマンスは良好となっています。

先進国債券

先進国債券型では「グローバル・ハイブリッド証券ファンド(為替ノーヘッジ型)」が好調でした。当ファンドは欧州金融機関の永久劣後債の組入比率が高くなっており、いったん低下した欧州の信用力回復が基準価額上昇につながったと思われます。投資に当たっては、向こう1年の経済・金融の大きな流れを考えることも大切、という例です。

では2014年以降の経済金融情勢を念頭に投資対象を考えた場合、ひとつのアイデアとして、バンクローンを組み入れた投資信託が注目されます。

米国ではいずれかのタイミングで量的緩和のテ-パリングが始まり、そのさらに先には金利上昇が待っていると予想されます。市場金利が上がると、既存の固定利付債券の価格は低下しますが、バンクローンは変動金利資産であるため、市場金利が上昇する局面では、むしろクーポン(利子収入)の増加が期待できます。多くの債券にとって逆風となる米国の金融緩和からの出口戦略の過程でも、良好なパフォーマンスを維持する利回り商品となることが期待されます。
(バンクローンを組入れた投資信託については「“バンクローン”に投資してこれからの金利上昇局面に備える」を参照してください)

新興国株式・新興国債券

両方のランキングを見ると、中国関連のファンドが上位にランクインしています。2013年の中国はどちらかといえば世界経済の懸念材料となることが多かったため意外ですが、中国では外需主導の経済から内需主導の経済への移行、人民元の自由化といった政策を進めており、「フィデリティ・消費関連中国株ファンド(1年決算型)」のように政策とマッチしていると考えられるテーマのファンドや、人民元に関連したファンドのパフォーマンスが実は良好でした。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客様が損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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