日経平均株価とNYダウの連動性薄れる |
今週に入って、急速に日経平均株価とNYダウの連動性が薄れてきています。
9日(月)のNYダウは、138ドル高でしたが、10日(火)の日経平均株価は、朝方こそ高く始まったものの、すぐに下落し125円安で引けています。特に10日(火)のNYダウは、米雇用統計以後、景気好調を示す景気指標が多かったことなどから、早期利上げへの思惑によってドル高となり、小康状態だった原油価格も更なるドル高進行を材料に大幅下落したことから、332ドルを超える今年最大の下げとなっています。(図2)
しかし、翌営業日11日(水)の日経平均株価は、朝方こそ小幅安となったものの、すぐに切り返し一時170円以上上昇するなど、NYダウの値動きと全く異なった値動きとなりました。
図1:日経平均株価(日足 1ヶ月間)
図2:NYダウ(日足 1ヶ月間)
日経平均>NYダウ 円安でなくドル高 |
2014年以降の日経平均株価と、NYダウの値動きを比較してみました。(図3)
本来、日経平均株価は円ベース、NYダウはドルベースなので、表面的な数値の比較は意味がないのですが、今まで数値上はNYダウ>日経平均株価となっていたのが、2月18日に日経平均株価がNYダウを数値で上回って以来、大きく差が開いています。
この背景は、既に米国は量的金融緩和を終了しており、今年6月以降には金利引き上げで金融引き締めが必至と想定されており、逆に日本は、2回の量的金融緩和を実施したが、物価上昇率の目標である2%にはほど遠く、更なる金融緩和の可能性がある環境の違いが原因だと思われます。東日本大震災による原発の停止による原油・天然ガスなどの燃料輸入増によって、大きな貿易赤字となっています。それと日銀の金融緩和で、アベノミクスが始まってから、ざっくりと為替の推移を説明すると80円→100円→120円と、円安が進行していました。
しかし、直近は円安でなく、単に米景気好調、利上げ懸念からのドル高に転換したように思います。
米国の場合、世界中で稼ぐグローバル企業が多いので、ドル高は企業収益にマイナスです。日本は、円安によって、輸入のコスト高のデメリットはありますが、生産が少しづつ国内回帰をはじめるなど輸出企業中心に企業収益がプラスに作用するので、急激な円安でなければ、プラスの効果のほうが大きそうです。
NYダウが暴落すれば、世界中でリスクオフの動きで、日本株にもマイナスとなりそうですが、NY市場が高値圏での保ち合い、または緩やかな下落であれば、日本株はNY株離れで堅調相場を維持できそうです。
図3:日経平均・NYダウの比較
- ※Bloombergデータを用いてSBI証券が作成。
図4:米ドル円の週足チャート(2年間)
- ※各種資料を用いてSBI証券が作成。
NY株の呪縛から解き放たれた日本株 19,000円は通過点!? |
日本株の最も大きな投資主体は、外国人投資家です。ですから、NY市場の上下に日経平均株価も連動することが多いと言われています。
しかし、現在は「ドル高」が、マーケットの変動要因となっているので、東京市場はNY市場に連動しなくなると思われます。
3月10日に先物ココがポイント「日経平均19,000円へのチャレンジ相場は、今週の金曜日から始まる!? 」で紹介したより1日早く、日経平均株価は、12日(木)に19,000円に到達しました。しかし、NY株の呪縛から解き放たれた日本株の日経平均株価19,000円は、到達点でなく単なる通過点の可能性が高いと思われます。
このような相場を想定する場合のオプションの投資戦略は、単純に、コールの買いが有効です。
3月12日11:10現在で、4月限の権利行使価格19,000円のコールの価格は205円です。この時点では、原資産価格である日経平均株価は、18,910円なので、このコールオプションの本質的価値は0で、205円は全て時間的価値です。
日経平均株価が、13日のSQ(特別清算指数)算出後も、19,000円を通過点として、大きく上抜けて来れば、このコールオプションの投資は、利益を生みますが、さてどうなるでしょうか?
図5:オプション投資戦略の損益線チャート
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