先週の225先物は前週末の終値比で50円高(上昇率0.17%)の28,930円と小幅に反発した。
前週末の米ハイテク株高などを受けて、14日の225先物は260円高と値幅を伴った反発で29,000円を回復。現物株市場で直近軟調が目立っていたファーストリテ<9983>が2%高となったほか、東エレク<8035>などの半導体関連株からファナック<6954>などのFA関連株までグロース中心に値がさ株が強い動きをみせ、先高観から先物も買われた。
15日も米長期金利の落ち着きなどを背景に270円高と大幅に続伸し、一時は29,440円まで上値を伸ばした。米FOMCの無風通過後の株高を見越した先回り買いが入ったとの声も聞かれた。しかし、週後半からが軟調に。FOMCではドットチャートの中央値が2023年に2回の利上げを示唆するなど、3月時点での23年末までゼロ金利の維持から一変し、タカ派サプライズとなった。結果、直後の米株式市場はパウエルFRB議長の会見中に下げ渋ったが、米長期金利が上昇するなか、17日の東京市場では先物主導で売りが膨らんだ。
6月11日時点の裁定残高は、ネットベースで2,983億円の買い越しとなり、前週(3,203億円の売り越し)から買い越しに転じた。株数ベースでは、9,539万株の買い越しで、6月4日時点(1億1,890万株の売り越し)から買い越しに転じている。
日経平均と裁定残(6月11日時点)
TOPIX先物ではモルガンSが引き続き存在感
225先物には目立った動きは見られず。一方、TOPIX先物では、モルガンSが引き続き売り越し傾向を見せ存在感を出した。
また、短期筋の動きと思われるCSが週後半にかけて売り越し基調を強めた。買い方では特に目立った動きはなかった。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末の終値比0.47pt高(上昇率2.62%)の18.40ptと上昇した。
週半ばにFOMCを控えていたため、ほぼ方向感なしといった動きだった。週後半はタカ派サプライズのFOMCを受けて、株式市場は軟調となったが、225先物は、17日は後半に下げ渋って29,000円台を維持したほか、18日も現物株市場でのグロース株の上昇などを背景に底堅く推移したことから、日経VIが急騰するようなことはなかった。
18日のオプション市場では、コールは売り優勢だったが、プットは高安まちまちで、下値不安が高まっているような動きは見られなかった。
ボラティリティ
NT倍率(先物)はもみ合い、FOMC後に様相一変も金利低下が下支え
NT倍率(先物)はもみ合いの末に小幅に上昇。週半ばからの米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中ではあったが、米長期金利の落ち着きを背景に半導体関連株など値がさ株が堅調で、週初2日間でNT倍率は上昇。
FOMCの無風通過後の株高を見越した先回り買いが入ったとの指摘も聞かれた。しかし、FOMCの政策金利予想の中央値が2023年内に2回の利上げを示唆するなど想定以上にタカ派的な結果が出ると、長期金利が一時1.58%まで上昇。17日には値がさのグロース株中心に売り優勢に。
ただ、一転して期待インフレ率の低下とともに長期金利が低下すると、インフレを見越したリフレトレードの巻き戻しから週末はグロース買い・景気循環売りの展開に。結局週後半はもみ合いとなった。
今週の225先物は荒い展開か。前週、FOMCという大きなイベントを通過した後も、225先物は29,000円を挟んだレンジ推移から抜け脱せなかったことで、この先も上放れは想定しにくい。
前週末の米株市場では景気循環を中心にハイテク株まで売りに巻き込まるなど、嫌な終え方をしており、東京市場も週明けこそは米株安の影響を避けられないだろう。しかし、週末の米株安は先物、オプションなどの清算日が重なった需給要因が動きを膨らました可能性がある。
また、米長期金利は1.4%台前半にまで低下してきている。ハイテクやグロースには追い風となる環境で、4-6月期決算も徐々に意識されるなか、業績期待の高いこれら関連株が押し目買いに下げ渋れば、相場も徐々に持ち直すだろう。
一方、TOPIX先物での海外勢による売り越し基調は引き続き気懸かりで、日本株の本格的な反転が見込みにくいこともある。FRBのタカ派スタンスへの変化に対する動揺も消化しきれていないなか、今週もパウエル議長の下院特別小委員会での証言など高官らの発言に一喜一憂する展開となりそうだ。今週の225先物予想レンジは27,500-29,000円とする。
経済スケジュール(6月21日〜6月27日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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6月21日 | 月 | 国内 | 10:00 | 野村HDが株主総会 |
海外 | 10:30 | 中・1年物貸出金利(6月) | ||
10:30 | 中・5年物貸出金利(6月) | |||
10:30 | 豪・小売売上高(5月) | |||
27:00 | ブ・貿易収支(週次)(6月20日まで1カ月間) | |||
米・セントルイス連銀総裁が講演 | ||||
米・ニューヨーク連銀総裁が講演 | ||||
欧・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会に出席 | ||||
6月22日 | 火 | 国内 | 10:00 | 営業毎旬報告(6月20日現在、日本銀行) |
14:30 | 全国百貨店売上高(5月) | |||
14:30 | 東京地区百貨店売上高(5月) | |||
15:00 | 工作機械受注(5月) | |||
ペイロールが東証マザーズに新規上場(公開価格:1380円) | ||||
ペルセウスプロテオミクスが東証マザーズに新規上場(公開価格:870円) | ||||
デコルテ・ホールディングスが東証マザーズに新規上場(公開価格:1720円) | ||||
海外 | 21:00 | ハンガリー・中央銀行が政策金利発表 | ||
23:00 | 米・中古住宅販売件数(5月) | |||
23:00 | 欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(6月) | |||
米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が下院特別小委員会で証言 | ||||
米・クリーブランド連銀総裁が講演 | ||||
米・サンフランシスコ連銀総裁が講演 | ||||
6月23日 | 水 | 国内 | 08:50 | 日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(4月26、27日分) |
09:30 | 製造業PMI(6月) | |||
09:30 | サービス業PMI(6月) | |||
09:30 | 総合PMI(6月) | |||
10:00 | ソフトバンクG、みずほFG、りそなHD、ホンダ、スバル、三菱自、日立が株主総会 | |||
10:10 | 国債買い入れオペ(残存1-3年、残存5-10年)(日本銀行) | |||
14:00 | 景気一致指数(4月) | |||
14:00 | 景気先行CI指数(4月) | |||
ドリームベッドが東証2部に新規上場(公開価格:1460円) | ||||
アイ・パートナーズフィナンシャルが東証マザーズに新規上場(公開価格:3120円) | ||||
アイドマ・ホールディングスが東証マザーズに新規上場(公開価格:1930円) | ||||
海外 | 16:05 | タイ・中央銀行が政策金利発表 | ||
16:30 | 独・製造業PMI(6月) | |||
16:30 | 独・サービス業PMI(6月) | |||
16:30 | 独・総合PMI(6月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏製造業PMI(6月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI(6月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI(6月) | |||
17:30 | 英・製造業PMI(6月) | |||
17:30 | 英・サービス業PMI(6月) | |||
17:30 | 英・総合PMI(6月) | |||
20:00 | ブ・FGV消費者物価指数(IPC-S)(先週) | |||
21:30 | チェコ・国立銀行(中央銀行)が政策金利発表 | |||
21:30 | 米・経常収支(1-3月) | |||
21:30 | 加・小売売上高(4月) | |||
22:45 | 米・製造業PMI(6月) | |||
22:45 | 米・サービス業PMI(6月) | |||
22:45 | 米・総合PMI(6月) | |||
23:00 | 米・新築住宅販売件数(5月) | |||
米・ボウマンFRB理事が講演 | ||||
米・アトランタ連銀総裁が講演 | ||||
米・ボストン連銀総裁が講演 | ||||
6月24日 | 木 | 国内 | 08:50 | 対外・対内証券投資(先週) |
08:50 | 企業向けサービス価格指数(5月) | |||
10:00 | パナソニック、マツダが株主総会 | |||
14:00 | スーパーマーケット売上高(5月) | |||
15:45 | 黒田日銀総裁が信用金庫法制定70周年記念全国大会であいさつ | |||
月例経済報告(6月) | ||||
ベイシスが東証マザーズに新規上場(公開価格:2040円) | ||||
HCSホールディングスが東証ジャスダックに新規上場(公開価格:1800円) | ||||
アルマードが東証ジャスダックに新規上場(公開価格:880円) | ||||
セレンディップ・ホールディングスが東証マザーズに新規上場(公開価格:1130円) | ||||
新型コロナ感染症対応の金融支援特別オペ(日本銀行) | ||||
海外 | 17:00 | フィリピン・中央銀行が政策金利発表 | ||
17:00 | 独・IFO企業景況感指数(6月) | |||
20:00 | 英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表 | |||
21:30 | 米新規失業保険申請件数(先週) | |||
21:30 | 米・卸売在庫(5月) | |||
21:30 | 米・耐久財受注(5月) | |||
21:30 | 米・GDP確定値(1-3月) | |||
27:00 | メキシコ・中央銀行が政策金利発表 | |||
米・アトランタ連銀総裁とフィラデルフィア連銀総裁がパネル討論会に参加 | ||||
米・ニューヨーク連銀総裁が講演 | ||||
米・セントルイス連銀総裁が講演 | ||||
米・FRBがストレステスト結果発表 | ||||
欧・ECB経済報告 | ||||
欧・EU首脳会議(25日まで) | ||||
6月25日 | 金 | 国内 | 08:30 | 東京CPI(6月) |
08:50 | 資金循環統計速報(1-3月、日本銀行) | |||
10:00 | 東芝、スズキが株主総会 | |||
海外 | 07:45 | NZ・貿易収支(5月) | ||
17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(6月22日まで1カ月間) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏マネーサプライ (5月) | |||
21:00 | ブ・IBGEインフレ率IPCA-15(6月) | |||
21:30 | ブ・経常収支(5月) | |||
21:30 | ブ・海外直接投資(5月) | |||
21:30 | 米・個人所得(5月) | |||
21:30 | 米・個人消費支出(5月) | |||
21:30 | 米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(5月) | |||
23:00 | 米・ミシガン大学消費者マインド指数(6月) | |||
中・経常収支確定値(1-3月) | ||||
6月27日 | 日 | 海外 | 10:30 | 中・工業利益(5月) |
- 提供:フィスコ社