先週の225先物は前週末比590円安(下落率2.73%)の21,010円と大幅に反落した。週初は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑から様子見ムードが広がった。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がFOMC後の会見で「長期的な利下げ局面の始まりではない」などと述べ、今後の継続的な利下げへの期待感がやや後退。その後は、トランプ米大統領が中国に対する制裁関税「第4弾」を発動すると表明したことで、リスク回避姿勢が一気に強まった。為替市場で、一時1ドル=106円台まで円高が進行したことも投資マインドを悪化させ、225先物は、取引時間中としては7月18日以来約半月ぶりに節目21,000円台を割り込んだ。
7月26日時点の裁定残高は、ネットベースで5,022億円の売り越し(前週は4,705億円の売り越し)と増加した。株数ベースでは、2億4,185万株の売り越しと7月19日時点(2億1,554万株の売り越し)比で増加している。
日経平均と裁定残(7月26日時点)
両先物でCSの売り手口が目立つ展開
225先物の手口では、海外短期筋の売り注文を執行したとみられるCSが週初からコンスタントに売り越し基調となり、週末も大きく売り越したことでトップになった一方で、買い手口では、裁定取引業者であるAアムロCやソジェンが週半ばから週末にかけて大きく買い戻し、買い方1位、2位になった。また、TOPIX先物の手口では、週末に4,000枚以上と大きく売り越したCSが225先物と同様に売り方筆頭となり、週末の東京市場の下落に伴った海外短期筋の売り手口が意識された。買い手口では、週末にかけて大きく買った裁定取引業者のソジェンが買い方トップになったほか、日銀のETF買いの注文を執行したと観測される大和がこれに続いた。
日経225先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
TOPIX先物手口(期近) 週間累計上位15社(売り買い差し引き)
- ※各取引所より発表される売り買い上位20社のデータをもとに、売り買いの差し引き週間累計の上位順に表示してあるため、日々ベースで上位となっている証券会社でも表示されていないケースがあります。また日々発表される手口は20位以下が未発表であるため、差し引きが実際とは異なる(大きく傾いて表示される)場合があります。日々の手口は限月間スプレッドを含み、イブニング、立会外及びSGXは含んでいませんが、推定建玉はイブニング、立会外の分も加味しています。尚、推定建玉は週初一回のみ各取引所より発表される建玉残に日々の売り買い差し引き枚数を加減算した推計値となっています。
日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末比2.59pt高(上昇率16.88%)の17.93ptと3週連続して上昇した。週前半は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑から日経平均も様子見ムードが強まるなか、15pt台で小動きが続いた。FOMC後の記者会見で、追加利下げに関する否定的な見解を示したパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言や中国に対する制裁関税「第4弾」を表明したトランプ米大統領のツイートを受けて、先行き不透明感が強まり、週末にかけて、VIは上昇基調を強め、一時18.81ptまで上昇。6月5日以来約2カ月ぶりの高水準まで上伸した。
ボラティリティ
NT倍率(先物)は小幅反落、日経平均は一時21000円割れ
NT倍率(先物)は小幅反落。トランプ大統領が、対中制裁関税「第4弾」を9月1日から課す計画を発表し、1日のNYダウが大きく下げたことをうけ、2日の東京市場は全面安となり、日経平均は一時21,000円を割り込む場面もみられた。NT倍率は1日に13.74倍に低下したものの翌2日には13.76倍に上昇し、底堅い展開となった。
今週の225先物は、好悪材料が交錯するなか、不安定な値動きが想定される。トランプ米大統領が対中関税第4弾を実施すると表明したことから、米中貿易摩擦懸念が再燃し、再び市場の波乱要因になっている。そのほか、為替市場でも円高進行が継続しており、外部環境の不安定な地合いが嫌気されるだろう。先週末にかけて目立った海外短期筋による指数先物への売りが継続する展開も警戒されるところである。
一方で、米中摩擦の激化により、米国景気が一段と後退すれば、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げ観測も強まる可能性があり、好悪材料が交錯するが、中国は国内景気の一段の悪化が避けられないと見られ、人民元11年ぶりに安値 1ドル=7元台を記録している。対ドルの人民元安は中国からの資金流出につながり、中国景気をさらに下押しする公算が大きい。
国内では、主要企業の決算発表がピークを迎え、好業績企業への見直し買いなどの個別物色は一定程度想定されよう。予想レンジは20,000-21,500円と不安定な動きが想定される。
経済スケジュール(8月5日〜8月9日)
日付 |
曜日 |
国内 海外 |
時間 |
内容 |
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8月5日 | 月 | 国内 | 国債買い入れオペ(残存5-10年)(日本銀行) | |
決算発表 アルフレッサホールディング、サントリー食品インターナショナル、スズキ、スズケン | ||||
決算発表 ソフトバンク、三菱重工業、大成建設、浜松ホトニクス、SUBARU | ||||
海外 | 10:45 | 中・財新サービス業PMI(7月) | ||
10:45 | 中・財新総合PMI(7月) | |||
14:00 | 印・サービス業PMI(7月) | |||
14:00 | 印・総合PMI(7月) | |||
16:00 | トルコ・消費者物価指数(7月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏サービス業PMI(7月) | |||
17:00 | 欧・ユーロ圏総合PMI(7月) | |||
17:30 | 英・サービス業PMI(7月) | |||
17:30 | 英・総合PMI(7月) | |||
20:25 | ブ・週次景気動向調査 | |||
22:00 | ブ・サービス業PMI(7月) | |||
22:00 | ブ・総合PMI(7月) | |||
23:00 | 米・ISM非製造業景況指数(7月) | |||
ブ・貿易収支(週次)(7/30-8/5) | ||||
インドネシア・GDP(4-6月) | ||||
決算発表 HSBCホールディングス | ||||
8月6日 | 火 | 国内 | 08:30 | 家計支出(6月) |
08:30 | 毎月勤労統計(6月) | |||
14:00 | 景気動向指数(6月) | |||
決算発表 キリンホールディングス、ダイキン工業、ニコン、ユー・エス・エス、ライオン、ルネサスエレクトロニクス | ||||
決算発表 三菱地所、名古屋鉄道、島津製作所、日本電信電話、明治ホールディングス | ||||
決算発表 鹿島建設、GMOペイメントゲートウェイ、ルネサスエレクトロニクス | ||||
海外 | 07:45 | NZ・失業率(4-6月) | ||
10:30 | 豪・貿易収支(6月) | |||
13:30 | 豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 | |||
15:00 | 独・製造業受注(6月) | |||
20:00 | ブ・金融政策委員会(COPOM)議事録公表 | |||
23:00 | 米・JOLT求人件数(6月) | |||
米・セントルイス連銀総裁が講演 | ||||
米・ポンペイオ国務長官のアジア太平洋地域歴訪が終了 | ||||
決算発表 ウォルト・テ゛ィズニー | ||||
8月7日 | 水 | 国内 | 08:50 | 日銀金融政策決定会合における主な意見(7月29・30日分) |
決算発表 クボタ、コカ・コーラ ボトラーズジャパン、ソフトバンクグループ、ホシザキ、大日本印刷、大林組、日本新薬、東芝 | ||||
決算発表 日清食品ホールディングス、電通、JXTGホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングス | ||||
海外 | 11:00 | NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 | ||
15:00 | 独・鉱工業生産指数(6月) | |||
15:15 | 印・インド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表 | |||
16:05 | タイ・中央銀行が政策金利発表 | |||
20:00 | 米・MBA住宅ローン申請指数(先週) | |||
28:00 | 米・消費者信用残高(6月) | |||
中・外貨準備高(7月) | ||||
米・シカゴ連銀総裁がメディア向け朝食会を開催 | ||||
米・サムスン電子の「ギャラクシー・ノート10」の公開イベント | ||||
決算発表 アメリカン・インターナショナル・グループ、フォックス、リフト、コメルツ銀行、グレンコア | ||||
8月8日 | 木 | 国内 | 08:50 | 国際収支(経常収支)(6月) |
08:50 | 対外・対内証券投資(先週) | |||
08:50 | 個人向け貸出金(4-6月) | |||
08:50 | 貸出・預金動向(7月、日本銀行) | |||
11:00 | 東京オフィス空室率(7月) | |||
景気ウォッチャー調査(7月) | ||||
決算発表 セコム、ソニーフィナンシャルホールディングス、ダイフク、テルモ、トレンドマイクロ、ネクソン、ヤマハ発動機 | ||||
決算発表 住友不動産、住友金属鉱山、国際石油開発帝石、大塚ホールディングス、富士フイルムホールディングス | ||||
決算発表 日本ペイントホールディングス、日本マクドナルドホールディングス、楽天、資生堂、近鉄グループホールディングス | ||||
決算発表 関西ペイント、バンダイナムコホールディングス、ユニ・チャーム、大和ハウス工業、東京急行電鉄 | ||||
海外 | 20:00 | ブ・FGVインフレ率(IGP-DI)(7月) | ||
21:00 | ブ・小売売上高(6月) | |||
21:00 | ブ・拡大消費者物価指数(IPCA)(7月) | |||
21:30 | 米・新規失業保険申請件数(先週) | |||
23:00 | 米・卸売在庫(6月) | |||
中・貿易収支(7月) | ||||
欧・欧州中央銀行(ECB)経済報告 | ||||
フィリピン・中央銀行が政策金利発表 | ||||
フィリピン・GDP(4-6月) | ||||
決算発表 バイアコム、ニューズ、CBS、ウーバー、シマンテック、アディダス、メルク | ||||
8月9日 | 金 | 国内 | 08:50 | GDP速報値(4-6月) |
08:50 | マネーストック(7月、日本銀行) | |||
国債買い入れオペ(残存1-3年、残存3-5年、残存10-25年、残存25年超)(日本銀行) | ||||
ステムリムが東証マザーズに新規上場(公開価格:1000円) | ||||
決算発表 かんぽ生命保険、ゆうちょ銀行、パーソルホールディングス、ブリヂストン、リクルートホールディングス、凸版印刷 | ||||
決算発表 博報堂DYホールディングス、日本郵政、朝日インテック、東京海上ホールディングス、第一生命ホールディングス | ||||
決算発表 SMC、SOMPOホールディングス、T&Dホールディングス、ジェイエフイーホールディングス、東レ | ||||
海外 | 10:30 | 中・消費者物価指数(7月) | ||
10:30 | 中・生産者物価指数(7月) | |||
14:45 | スイス・失業率(7月) | |||
15:00 | 独・貿易収支(6月) | |||
15:00 | 独・経常収支(6月) | |||
17:00 | ブ・FIPE消費者物価指数(週次)(8/1-8/7) | |||
17:30 | 英・GDP速報値(4-6月) | |||
17:30 | 英・鉱工業生産指数(6月) | |||
17:30 | 英・商品貿易収支(6月) | |||
21:00 | 印・鉱工業生産(6月) | |||
21:30 | 加・失業率(7月) | |||
21:30 | 米・生産者物価コア指数(7月) | |||
中・経常収支速報(4-6月) | ||||
中・マネーサプライ(7月、15日までに)) | ||||
中・資金調達総額(7月、15日までに) | ||||
中・新規元建て融資(7月、15日までに) | ||||
国際エネルギー機関(IEA)月報 |
- 提供:フィスコ社