日経平均は過熱感台頭だが、アベノミクス第3の矢(成長戦略)次第では上昇も!ブル・ベアの分水嶺ポイントはココ?
先週の日経平均概観
図表1:先週の日経平均株価の動向
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 前日比 | 出来高(株) |
---|---|---|---|---|---|---|
6月16日(月) | 15,050 | 15,057 | 14,867 | 14,933 | -165 | 1,822,280,000 |
6月17日(火) | 14,963 | 15,027 | 14,949 | 14,976 | 43 | 1,679,820,000 |
6月18日(水) | 15,010 | 15,140 | 14,995 | 15,116 | 140 | 1,877,220,000 |
6月19日(木) | 15,140 | 15,375 | 15,138 | 15,361 | 245 | 2,776,690,000 |
6月20日(金) | 15,360 | 15,422 | 15,305 | 15,349 | -12 | 2,950,910,000 |
6月23日(月) | 15,419 | 15,443 | 15,335 | 15,369 | 20 | 1,960,160,000 |
先々週末の急騰で日経平均株価が15,000円台に乗せた達成感や利食いから、月曜日は反落して始まりましたが、火曜日からは値を上げ、19日(木)には、今年3月7日の高値15,313円を超え、堅調な1週間でした。
外部環境としては、為替市場は小動きで特段大きな影響は無く、海外株式市場は、NYダウが最高値をつけるなど、世界的にリスクオンの動きとなっていたようです。
内部要因としては、昨年年末の12月30日高値16,320円から、ほぼ6ヶ月が経過し、信用取引の高値期日が少し前倒しで解消されたため、上値が軽くなったことが上昇要因として挙げられています。
図表2:日経平均日足チャート(価格帯別出来高)
今週のココがPOINT!
今週は、先週に上値抵抗線であった3月7日高値15,312円を抜け、相場の過熱感を示す25日間騰落レシオが先週末20日に151.65、週明けの23日には159.90をつけるなど、短期には過熱を示すテクニカル指標が増えています。
しかし、図表2で示したように、15,250円〜15,750円は、ここ半年間の累積出来高の少ない、需給の真空地帯のため株価が上ぶれしやすい状況となっています。
また、騰落レシオは超過熱圏に入っていますが、こうした場面においては騰落レシオの天井状態を維持しつつ、日経平均は1ヶ月間に5%程度上昇することも多いと言われています。(2012年の年末や2013年5月前半がその例です。)
騰落レシオ(25日間)とは?
25日間の値上がり銘柄数の合計÷25日間の値下がり銘柄数の合計で算出。騰落レシオ(25日)では、70%以下を売られ過ぎ、120%以上を警戒ゾーン、130%以上を過熱とする。
日経平均株価に影響のある、今後のスケジュールは?
今週は、政府の成長戦略が正式に閣議決定される予定です。昨年は、安倍首相の成長戦略発表中から株式が大暴落しましたが、今回も同じ結果になるのでしょうか?
24日前場現在では、成長戦略発表前の様子見で下落しており、分水嶺である15,313円を再度割り込んでいます。
成長戦略発表で、昨年と同様に更に下振れした場合は、一つの下値目処は、大台である15,000円になります。
15,000円を下抜けた場合は、6月のSQ値である14,807円が、次の下値メドとして意識されます。
逆に、成長戦略発表を評価して、25日以降15,313円を上抜けてくる可能性もあり、その場合は上値メドは需給の真空地帯の上限である15,800円近辺になりそうです。
上下どちらに動くにしても、その分水嶺となるのは、3月7日高値15,313円と考えられます。
図表4:その他の今週の注目材料
日付 | 時間(日本時間) | 国 | 内容 |
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6月25日(水) | - | 日本 | 6月権利付最終日 |
6月25日(水) | 21:30 | 米国 | 米耐久財受注(5月) |
6月26日(木) | 8:50 | 日本 | 対外・対内証券売買契約等の状況(週次) |
6月26日(木) | - | ベルギー | EU首脳会談(ブリュセル 26日・27日) |
6月26日(木) | 21:30 | 米国 | 新規失業保険申請件数 |
6月26日(木) | - | 米国 | 米個人消費出・個人所得 |
6月26日(木) | - | ブラジル | 失業率(5月) |
6月27日(金) | 8:30 | 日本 | 消費者物価指数(CPI) |
6月27日(金) | 8:30 | 日本 | 商業販売統計(5月、速報) |
6月27日(金) | 9:30 | 日本 | 貿易収支(5月、確報) |
日経225先物取引を活用した投資戦略
では、このような状況でどのような戦略が考えられるのでしょうか?
分水嶺である3月7日高値15,312円を基準に考えれば良さそうです。
この下値支持線を下回るまでは基本戦略は「ブル」で、需給の真空地帯の上限である15,800円程度までの上ぶれを期待しての買い戦略です。
しかし、15,312円を下回ると、目先は調整局面となり、基本戦略は「ベア」で、大台である15,000円が次の下値メドになりそうです。これを抜ければ、6月のSQ値(特別清算値)である14,807円が下値メドになりそうです。
この14,807円を下抜けすれば、今回の5月21日からの上昇相場は完全に一旦終了したと考えても良さそうです。先物のトレーディングにおいては、下値支持・上値抵抗となりそうな分水嶺については、ポジションを落とし、上下どちらかにブレイクしたら、そのポイントを損切りポイント(ロスカットポイント)において、トレードを行う順張り戦略をオススメします。