前営業日トピックス
アジア市場では、日本と中国市場が休場となり市場参加者が少ない中、引き続き中国の不動産大手の債務問題を背景に、アジアの主要株価指数が軒並み下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、アジア市場の株安を受けて、欧州市場の主要株価指数も軒並み下落したことから、欧州市場でもドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に下げが一服したものの、投資家のリスク回避の動きが強まったアジア市場からの流れを引き継ぎ、米主要株価指数が下落したことから、ドル円・クロス円は再び軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の109.65から109.32まで下落した。その後はFOMCを控えていることもあり、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。
米株式市場では、中国の不動産大手の経営悪化懸念を背景に、投資家のリスク回避の動きが強まり、主要株価指数は軒並み大幅下落となった。さらに、FOMCを控えて量的金融緩和策の早期縮小に対する警戒感も圧迫要因となった。ダウ平均株価は序盤から軟調な動きとなり、一時前週末比971ドル安まで下落し、6/21以来の安値となった。その後は下げ幅を縮小し、614.41ドル安(-1.78%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、330.07ポイント安(-2.19%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本と中国市場が休場となり、市場参加者が少ない中、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。しかし、中国恒大集団のデフォルト懸念を背景に、香港株が大幅下落となるなど、アジア株が軒並み下落したこともから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)欧州市場では、投資家のリスク回避の動きが強まったアジア市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。米国市場に入り、アジア市場からの下げが一服となり、ドル円・クロス円はやや持ち直した。
(3)しかし、アジア市場からの流れを引き継ぎ、米主要株価指数が軒並み大幅下落となったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.336%から1.293%まで低下したことも加わり、ドル/円は序盤の戻り高値の109.65から109.32まで下落した。ただ、その後はFOMCを控えて量的金融緩和策の早期縮小に対する思惑もあり、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。一方、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円はいずれも9/21以来の安値まで下落した。
本日のトピックス
連休明けの東京市場では、前日の海外市場の株安を受けて、日経平均株価も序盤から650円超下落したものの、FOMCを控えて量的緩和策の早期縮小に対する思惑もあり、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。一方、先週から下落が続いたこともあり、ユーロやポンドなどの欧州通貨や豪ドルなどの資源国通貨も対円で底固い動きとなっている。
中国不動産大手の中国恒大集団の債務不履行に対する懸念を背景に、先週からリスク回避の動きが強まっている。中国恒大集団の債務問題に関しては、月内に約1.3億ドル超(約143億円)の利払いが控えており、支払いができなければ債務不履行となる。そのため、引き続き関連する報道には注意する必要があるだろう。
米国市場では、住宅着工・建設許可件数の発表が予定されている。昨晩発表された住宅市場指数が改善したこともあり、資材価格の上昇などを背景とした住宅市場の落ち込みが解消に向かう兆しが示されるのか注目されている。
9/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
8月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
|
154.3万件 | 153.4万件 |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月ぶりの減少となった。資材や労働力不足を背景に、先行指標となる許可件数が3ヵ月連続で減少していたことから、着工件数も減少となった。今回は、前月から増加が予想されており、許可件数が前回改善したことから、持ち直しが期待されている。 |