前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場のドル高の流れを引き継ぎ、序盤からドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時107.26まで上昇した。ただ、上昇一服後は上値の重い動きとなった。一方、ユーロやポンドは対ドルで軟調な動きとなったものの、対円では底固い動きが続いた。欧州市場では、下落して始まった欧州主要株価指数がプラス圏まで反発したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、米国で新規の感染者数が過去最大となったことから、米経済の回復鈍化懸念を背景にダウ平均株価が一時前日比236ドル安まで下落するなど、米主要株価が序盤から大幅下落となるなどリスク回避の動きが先行し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤に107.45まで上昇して6/16以来の高値を付けていたが、反落となった。その後、米金融当局がボルカー・ルールを緩和すると発表したことを受けて、ダウ平均が一時323ドル高まで上昇したことでリスク回避の動きが和らぎ、ユーロやポンドなどのクロス円は底固い動きとなった。しかし、ドルは対ユーロやポンドなどに対して下落したことから対円でも上値の重い動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比236ドル安まで下落した。その後は反発し、終盤には323ドル高まで上昇する場面もあったが、299ドル高(+1.18%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、107ポイント高(+1.09%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場では、米国の新型コロナウイルスの感染者数が増加していることを受けて、主要株価指数が大きく下落するなど、リスク回避の動きが強まった流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が下落して始まり、一時前日比369円安まで下落したこともユーロ/円や豪ドル/円などの圧迫要因となった。ドル/円は一時107.26まで上昇した。
(2)ドル/円は、高値更新後は上値の重い動きとなり、対ドルで軟調な動きが続いたユーロやポンドは底固い動きとなった。
(3)下落して始まった欧州主要株価指数が上昇に転じたことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ドルは主要通貨に対して堅調な動きが続いたことから、対円でも堅調な動きが続いて107.45まで上昇、6/16以来の高値を付けた。
(4)米国市場では、米国で新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最大となったことや、テキサス州が感染拡大抑制策の段階的な緩和措置を停止すると発表したこともあり、米経済の回復期待が後退し、米主要株価が序盤から大幅下落となるなど投資家のリスク回避の動きが先行、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。米経済指標では、GDPが改定値から横ばいだったものの、失業保険申請件数が予想ほど改善しなかったことや、耐久財受注は大幅改善があらかじめ織り込み済みだったことから、反応は限定的だった。その後、米金融当局がボルカー・ルール(金融機関の自己勘定での取引を禁止したルール)を緩和すると発表したことを受けて、金融セクターを中心に株価が反発となり、リスク回避の動きが和らぎ、ユーロやポンドなどのクロス円は底固い動きとなった。しかし、ドルはユーロやポンドなどに対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
前日の欧米市場の株高を背景に、日経平均株価も序盤から上昇となったが、為替市場の反は限定的。本日は、スポット応当日の月末、半期末に当たり、実需のフローが散見されたが、目立った動きにはならなかった。米国で新規の感染者数が過去最多となったことから、感染拡大の第2波への懸念も意識されており、ドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなっている。
米国市場では、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されているものの、反応は限定的だろう。マーケットの注目は、引き続き米国内で新型コロナウイルスの感染拡大が報告されかどうかであり、拡大している場合には、リスク回避の動きが強まる可能性も考えられる。
6/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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79.2 | 78.9 |
前回の速報値は、市場予想を下回ったものの、2ヵ月連続の改善となった。経済活動の再開が進んでいることが押し上げ要因となった。今回の確報値は、速報値からの上昇が予想されており、現在の景況感、先行きの景況感がともに上昇するのか注目される。 |