前営業日トピックス
東京市場では、先週末の海外市場の軟調な値動きが一服し、ドル円相場は序盤から堅調となった。そして、実需のドル買いなどから、一時105円台まで上昇したものの、日経平均株価が軟調な動きとなったこともあり、上値の重い値動きが続いた。その後、日経平均株価が上昇に転じたことや、欧州主要株価も堅調な展開で動き始めたこともあり、ドル円・クロス円はともに堅調となった。
米国市場では、序盤からドルが堅調となったものの、米長期金利の低下などもあり、ドル円・クロス円が下落する場面もあった。しかし、米主要株価が軒並み大幅上昇したこともあり、終盤までドルは堅調な値動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週末に米中貿易摩擦激化への懸念から、ドル円・クロス円はギャップダウンして始まった。その後は、値頃感の買い戻しや月末・期末の実需のドル買いフローなども見られ、仲値公示近辺では105円台まで上昇した。
(2)日経平均株価が軟調な動きとなったことからドルの上値が重くなったものの、104円台では値頃感による買いも入るなど、底固い動きが続いた。そして、下落していた日経平均株価が終盤にプラス圏まで上昇したことや、欧州主要株価も堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円はともに堅調な値動きとなった。
(3)欧米の株価が上昇したことが影響し、ドル円・クロス円は堅調な値動きとなった。ただ、米長期金利が低下したことから、ドル/円を中心に下落する場面もあった。一部では、ハト派で知られるサンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁がニューヨーク連銀総裁の後任として有力候補と報じられたことが一因との見方もある。
(4)米主要株価が軒並み上げ幅を拡大したことにから、ドル円・クロス円は堅調な値動きとなった。ナバロ国家通商会議委員長が、米国はすでに中国と交渉のテーブルに着いていると発言したことや、中国の李克強首相が、中国市場はさらに開かれる見通しとの見方を示したことを受けて、米中の貿易を巡る懸念が後退するとの観測から、投資家のリスク回避の動きが和らいだ。
本日のトピックス
先週までの株価下落が一服しており、引き続き株価が堅調な動きが続くのか注目したい。特に、米国市場では、主要な米国の経済指標の発表が予定されており、良好な結果となるようなら、ドルの下支え要因となる可能性も考えられる。そして、米中貿易摩擦に対する懸念が和らいだとの見方が広がっていることから、リスク回避の動きが後退し、安全資産とされる円を売る動きが続く可能性もあるだろう。
3/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
3月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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131.0 | 130.8 |
前回は、市場予想を上回り、17年ぶりの高水準となった。雇用見通しに楽観的な見方が広がったことや、所得が増加したことが影響した。また、現況指数は2001年以来、期待指数は3ヵ月ぶりの高水準となった。今回は、引き続き上昇が予想されており、景気や雇用に関して消費者の楽観的な見方が続くとの指摘も出ている。 |