2026-01-18 20:31:10

米経済は2026年も「雇用なき成長」を維持するか?

2026/1/6

提供:SBIリクイディティ・マーケット社

今週の米雇用関連指標

2025年12月23日に発表された米7-9月期GDPは、前期比+4.3%と市場予想を上回る堅調な結果となりました。好調な個人消費が成長を牽引、米経済の底堅さを示す内容となりました。

  • 出所:SBIリクイディティ・マーケット

一方、米11月雇用統計では失業率が4.6%と、2021年9月以来の水準へ悪化。昨年を通じて米労働市場は、トランプ政権による不法移民取締り強化策や、AIの進展による労働生産性向上の影響もあり、緩やかな悪化基調が続いています。実際、JOLTS求人件数と雇用統計の失業者数から算出される労働需給ギャップ指数は、1.0倍を下回る水準が常態化しつつあり、労働市場の需給圧迫感は後退しています。こうした中、9日発表の12月雇用統計では失業率が4.5%と11月から小幅ながら改善が見込まれています。

  • 出所:SBIリクイディティ・マーケット

もっとも、GDPで示されたように個人消費は依然として堅調であり、雇用鈍化にもかかわらず成長が続く「雇用なき成長」が息切れすることなく、継続するか注目されます。個人消費を牽引した要因として以下の点が挙げられます。

・昨年末のNY原油先物(WTI)は57ドル台で取引を終え、年初来で20%超下落。米エネルギー情報局(EIA)の見通しでは2026年のWTI平均価格は51ドルと、2025年の年間平均からさらに約21%下落すると予想され、これに伴いガソリン価格は4%、航空燃料も9%低下すると見込まれ、家計の購買力を押し上げる可能性。

・昨年のNY株式市場は、ダウ平均が約+13%、ナスダックが約+20%、S&Pも約+16%上昇する堅調な推移となりました。株式市場の好調と配当を含め個人消費を後押ししたと見られます。今年も株式市場が堅調な動きを維持すれば、資産効果を通じて個人消費を引き続き支援する可能性があります。

原油価格を巡り、1月3日未明、米軍がベネズエラに対する軍事行動を実行。世界最大の原油埋蔵量を有するベネズエラに対する米国の影響力が一段と強まる場合、原油供給を巡る不透明感が後退し、原油価格は一段と低下する可能性があります。原油価格の低下は、ガソリンや輸送コストを通じて家計の実質所得を押し上げる効果があり、雇用が鈍化する中で、個人消費を下支えする追い風になります。さらにエネルギー価格の低下はインフレ圧力の緩和にもつながり、金融政策運営の自由度を高める点でも米経済のプラス材料となります。

FRB人事と金融政策の行方

2026年の米経済およびNY株式市場の行方を左右する重要なイベントの一つが、FRB議長となります。トランプ大統領は、5月に退任予定のパウエル議長の後任を、年明けの早い段階で指名すると見込まれています。

トランプ大統領は昨年12月23日、「私の意向に反対する者はFRB議長になれない」と明言しており、政権閣僚と同様、忠誠心を重視した人選になると思われます。そのため、市場ではFRBの独立性に対する懸念も指摘されています。

現状ではハセット国家経済会議(NEC)委員長が最有力とされるものの、同氏はFRBの独立性を重視する発言も行っており、 市場の懸念にも配慮した運営がなされる可能性もあります。

尚、パウエル議長は理事としての任期が2028年1月まで残されていますが、1948年に議長を退任したエクルズ氏を除き、議長退任後に理事をして残った例はなく、パウエル議長も退任と同時にFRBから去る可能性が高いと見込まれています。

  • 出所:SBIリクイディティ・マーケット

FOMCは、議長・副議長を含む理事7名と地区連銀の総裁を合わせた12名で構成されます。理事とニューヨーク連銀総裁の計8名は毎年投票権を持つ一方、地区連銀総裁は4名ずつ持ち回りで投票権を持つため、年によって政策議論のバランスが変化します。一般的に、大統領が指名する理事は景気重視のハト派が多く、地域経済を代表する地区連銀総裁は物価上昇を警戒するタカ派が相対的に多い傾向があります。

1月末で退任見通しのミラン理事、さらに5月に退任するパウエル議長の後任について、トランプ大統領がハト派色の強い人物を指名した場合、金融環境は一段と緩和的になり、株式市場の上昇基調が維持される可能性があります。こうした株高による資産効果は、個人消費を通じて今年2026年も米経済の底堅さを支える要因となるか、さらに米経済の底堅さは今年11月3日の中間選挙に影響を及ぼすだけに注目されます。

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