2020/5/26
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」5月25日号より抜粋
上値追う米株と下値模索の中国株
■ 意外と力強さを見せた先週の株式市場
先週の主要国株式市場は、世界的に広まる経済活動再開の機運を好感、中国を除き概ね上昇しました。先行きの企業収益の不透明感や米中関係悪化等の悪材料は重なるも、前々週来の水準を一段切り上げました。特に米S&P500株価指数はテクニカル上の節目(200日移動平均=2,999.7pts)に迫りました。今週、同株価指数がこの節目を明確に超える事ができれば早々に年初の最高値上抜けをトライ、主要国株式市場も追随するとみています。
■ 米中関係は曖昧な協力から明確な対立へ
もっとも、米中関係の悪化は高値更新を阻む要因になるかもしれません。米中両国は、協力関係の再構築から、対立軸を明確にするステージに態度を変化させたとみられるためです。香港、先端技術、新型コロナウイルスのワクチン開発等、両国の覇権争いは激化、香港統治強化を狙う中国の国家安全法(今週にも採択見込み)は香港を再び渦中にさらす事は必至、また米議会で審議する中国企業の米国での上場制限は、世界の資本の流れを大きく制約するでしょう。世界経済を「連携」から「分断」に導く可能性もある両国の衝突、足元の各株式市場のかい離はその軍配を示唆と深読みしたくなります。
今週は、いよいよ本邦全土で緊急事態宣言の解除が期待される他、米1-3月期GDP改定値(市場予想:前期比年率▲4.8%)や物価指標等の米経済指標、29日の米パウエルFRB(連邦準備理事会)議長発言、中国全人代の行方などが金融市場で材料視されるとみています。(徳岡)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
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5/27(水) |
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5/28(木) |
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5/29(金) |
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注)(日)日本、(米)米国、(欧)ユーロ圏、
(独)ドイツ、を指します。
NAはデータなし。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EM、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
原油は1バレル当たり、金は1オンス当たりの価格。
騰落幅、騰落率ともに2020年5月15日対比。
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2020年5月22日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査室作成
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