2019/8/14
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」8月13日号より抜粋
米債券市場の異変
■ 株はほぼ同じ、金利はより大きい低下幅
ー今年5月の調整局面との比較ー
今次大きく下落する米株式市場、NYダウは7月15日の最高値から約$1,600下落(8月5日)、足元は小反発しています。今年5月初め以降、約1ヵ月に亘り調整した時と概ね同じ下落を経験しました。一方、米10年国債利回りは1.645%と今次は49bps(1bps=0.01%)低下、5月時の金利低下幅43bpsより僅かに低下幅は大きくなっています。
■ 米債券市場に異変。一過性か新局面入りか
その米長期金利に今、異変が起きています。債券のリスクは上昇するも、そこから得られる限界リターンは低下しているのです(図)。投資効率が悪化しています。
量的金融緩和策が導入された2008年以降は、中銀であるFRB(連邦準備理事会)が国債等を大量購入、お陰で長期金利のリスクは低下しこれに見合うお得感(タームプレミアム)も薄れました。正にFRBの神通力でした。
しかし今次の異変は、市場で信奉されたFRBの力が幻だった、或いは長期金利は新たな局面に入った、との示唆かも知れません。もちろん、空騒ぎかも知れません。
■ 新局面の扉をまず米国が開けてしまうかも
新たな局面、つまり米長期金利の目線が下がるには、2%前後と目される潜在成長力の低下という開けたくない扉が開く必要があります。昨今みられる貿易摩擦や通貨安誘導など、世界各国が一部で導入を競う保護主義とその傾注は、世界最大規模の米国経済にあるこの扉をまず開けてしまうことになるかも知れません。(徳岡)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
8/13(火) |
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8/14(水) |
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8/15(木) |
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8/16(金) |
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注)(日)は日本、(米)は米国、(独)はドイツ、
(欧)はユーロ圏、(中)は中国、
(他)はその他、を指します。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
原油は1バレル当たり、金は1オンス当たりの価格。
騰落幅、騰落率ともに2019年8月5日対比。
日本の株式・10年国債利回りの直近値は2019年8月9日時点。
出所)MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2019年8月12日時点。
日本株式・長期金利のみ2019年8月9日時点。
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