2019/7/17
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」7月16日号より抜粋
米国株は最高値更新、日本株は戻りを試す
■ 利下げ期待から米国株が最高値更新
先週の主要金融市場は長期金利が上昇するなか米ドルが軟調、株価は米国を除き下落基調となりました。米国株は3指数とも最高値を更新し、好調を維持しました。パウエルFRB(連邦準備理事会)議長の半期定例議会証言における利下げ示唆を受け、7月30-31日FOMC(連邦公開市場委員会)での利下げがほぼ確実視されたことが背景にあります。米国株は予防的利下げを好感し上昇が続いており、その他市場と対照的な動きになっています。
■ 行き過ぎた緩和期待が修正される可能性も
ただしFOMCメンバー内では利下げに慎重な意見もあり、良好な雇用環境は続いているため利下げが賃金や物価上昇を加速させるリスクもあります。米国のインフレ期待(BEI)は上昇しており、債券市場では利回り曲線の急勾配化が生じています。また、S&P500の予想PERは18倍台となり割高の領域に入っており、世界経済の減速が続くなかで行き過ぎた緩和期待が株価とファンダメンタルズの乖離を生む可能性には留意する必要があります。
■ 米企業の景況感や決算に注目
今週公表される企業景況感が米中貿易戦争の一時休戦により改善しているのか注目されます。改善度合いが今後の米利下げ幅を左右することになるでしょう。また本格化する4-6月期米企業決算は、既に保守的なアナリスト予想が織り込まれているため、予想比で上振れれば株価は大きく反応する可能性があります。足元の景気動向を判断する上で、16日の6月米小売売上高、18日の6月日貿易統計の輸出動向、6月豪雇用統計は重要です。(向吉)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
7/15(月) |
---|
|
7/16(火) |
|
7/17(水) |
|
7/18(木) |
|
7/19(金) |
|
注)★は特に注目度の高いイベント
(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、
(独)はドイツ、(中)は中国、(他)はその他、
を指します。
日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨、S&P先進国REIT指数は米ドルベース。
日本の株式・リート・10年国債利回りの直近値のみ2019年7月12日時点。
騰落幅、騰落率ともに2019年7月5日対比。
出所)MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2019年7月15日時点。
日経平均株価と日本10年国債利回りのみ同年7月12日時点。
当資料に関してご留意頂きたい事項
- 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
- 当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在の三菱UFJ国際投信経済調査部の見解です。また、三菱UFJ国際投信が設定・運用するファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りません。
- 当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
- 本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。