2018/02/20
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」2月19日号より抜粋
先週は、米国株は上昇しNYダウは前年比でプラス圏に回復、米10年債利回りは上昇し3%に迫っています(2月15日には一時2.94%)。市場の不安心理を示すVIX指数は2月5日に37.32まで上昇しましたが、14日以降は20を下回り、市場も落ち着きを取り戻しつつあります。これらは一般的に、リスクオン相場時に見られる展開ですが、為替はリスクオフ相場時に見られる円高米ドル安となっています。この為替相場の動きは、相対的に割安に推移していたドル円が円高に修正された動きであり、約2.5円の円高が進行した中でも日経平均株価は1.58%上昇していることからも、全体としてはリスクオンの相場展開であるとの指摘もみられます。
今週は、FOMC(21日)やECB(22日)の議事録が公表されますが、市場の動きに変化がみられる前のものであり、注目度は相対的に低いとみています。足元の相場状況を確認している各米連銀総裁の講演への注目度が高いとみています。
◆日本:日銀総裁、副総裁の人事案では、黒田総裁の再任、若田部・早稲田大学教授と雨宮・日銀理事の副総裁への起用が示されました。同人事により現行の金融政策が継続するとの見方から今後の政策運営にも不透明感はありませんが、衆参両院で行われる所信聴取で現状の円高に関し見方が示されるかに注目です。所信聴取は、20日にも始まるとみていますが、同人事案が事前に流出したことに議論が集中すると、所信聴取が後ずれする可能性があります。経済指標では、日本の金融政策に注目が集まる中で1月の消費者物価(23日)が注目されます。
◆米国:FOMC議事録や各連銀総裁の発言によって、3月の利上げが確実視され、年間の利上げが現状の3回から4回に引き上げられる可能性にも注意。企業決算では、小売大手ウォルマートの決算で、ネット販売とクリスマス商戦の状況に注目。
◆ユーロ圏:好調な景気動向が続いているか、20日のZEW景況感指数、22日のIfo景況感指数に注目。好調なユーロ圏景気や米ドル安などからユーロ高となっていますが、22日のECB議事録で通貨高を嫌気する動きがないかに注目。EUの各種会合では、複数年予算とリーダー統合(欧州委員長とEU大統領)の議論に注目。英国の離脱後となる2020年から7年間の予算について議論され、加盟国での負担割合などで議論が難航する懸念があります。リーダー統合は、14日にユンケル欧州委員長が示したEU構造改革案です。これら両議論は、短期的には市場の関心は低いとみられますが、長期的なユーロ圏のあり方に関する話題で注目です。
◆豪州:労働市場が改善している中で、賃金指数(21日)も改善するか注目です。また中国の春節明けとなる22日の鉄鉱石価格にも注意が必要です。(永峯)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
2/19(月) |
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(日)1月 貿易収支(通関ベース、季調値) |
2/20(火) |
(米)ウォルマート 2018年11月-2019年1月期決算発表 |
2/21(水) |
(日)布野 日銀審議委員 講演 |
2/22(木) |
(米)ダドリー・ニューヨーク連銀総裁 講演 |
2/23(金) |
(日)1月 企業向けサービス価格(前年比) |
2/24(土) |
(中)1月 新築住宅価格(70都市) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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