2018/01/23
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」1月22日号より抜粋
NYダウは年初に2万5千ドルを超えた後、8営業日後には2万6千ドルを突破、税制改革による減税効果で企業業績の拡大期待が強く、好調な決算に支えられ株高が続いています。主要国の株式市場も好調であり、年初来騰落率はNYダウの+5.5%に対し、日経平均株価が+4.6%、ドイツDAX®が+4.0%となっています。一方、昨年末に2.40%であった米10年国債利回りは先週末2.66%に上昇しており、警戒が必要といえます。当面は、良好な企業決算が株価の下支え要因となりますが、長期金利の上昇がとまらない場合は、株価のスピード調整も考えられます。
国内株については、日銀の金融緩和縮小観測による円高が懸念されます。超長期国債の日銀買入れオペ減額を受け、緩和縮小の思惑が強まった流れから、先週のドル円相場は一時110円19銭まで円高が進みました。今週の日銀金融政策決定会合を契機に円高の流れが変わる可能性がありますが、来週にかけて本格化する国内企業決算への期待を打ち消すような円高進行には注意が必要と言えます。
他方、米税制改革実現による世界景気拡大への期待の高まりは株式市場の支援材料です。22日に公表されるIMF見通しは2018・2019年予想が日米欧中心に上方修正される見込みです。需要見通しの改善で世界的に設備投資が上向く公算が高く、良好な世界経済と好調な業績を背景に株価の上昇基調は続く見通しです。
◆米国:FOMC(連邦公開市場委員会)を30-31日に控えFRB高官発言はなく、26日の2017年10-12月期GDP速報で景気堅調が確認できるかが焦点です。実質GDPは前期比年率+3.0%の高成長が予想され、特に個人消費や設備投資など国内民需の強さがみられるでしょう。25日の12月新築住宅販売は67.5万件と前月比減少するも高水準が見込まれており、住宅市場も好調です。2017年10-12月期の企業決算は先週末時点で約8割が事前予想を上回っており、税制改革を受けて2018年のS&P500予想EPS(現在前年比+20.7%)は今後も上方修正の余地がありそうです。
◆日本:日銀金融緩和への出口観測が浮上するなか、22-23日の金融政策決定会合では政策が据え置かれ、展望リポートでは景気見通しが上方修正されるも物価見通しに変更はない見込みです。黒田総裁の会見で緩和姿勢が強調されれば、出口観測は後退することになりましょう。ただし、26日の12月消費者物価はコアインフレ率が上昇し、物価上昇圧力の高まりが意識される可能性もあります。
◆ユーロ圏:25日の欧州中銀理事会では政策据え置きが見込まれます。またフォワード・ガイダンスの変更が注目されますが、今回は見送られる見通しです。ドラギ総裁は会見で足元のユーロ高への懸念を示す可能性があり、市場が来年前半の利上げを織り込むなか、早期出口観測をけん制するとみられます。(向吉)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
1/22(月) |
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(日)日銀金融政策決定会合(〜23日) |
1/23(火) |
(日)黒田日銀総裁記者会見 |
1/24(水) |
(日)12月 貿易収支(通関ベース、季調値) |
1/25(木) |
(米)12月 新築住宅販売件数(年率) |
1/26(金) |
(日)12月 消費者物価(前年比) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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