2017/11/28
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」11月27日号より抜粋
先週の市場は、米国株式市場が最高値を更新する一方、FOMC議事録で低インフレへの懸念が意識され、ドル円は111円台へとドル安・円高が進行しました。
◆米国:28日にパウエル次期FRB議長の公聴会が行われます。FOMCにも既に理事として参加しており、現状の金融政策を引き継ぐと見られ、新たな発言はないとみています。FRBのバランスシート縮小は2017年10月に始められ、かつ縮小スケジュールも示されています。まだ不確定なバランスシート縮小後の着地点に言及があれば、取引材料になるとみられます。10月31日〜11月1日開催のFOMC議事録では、インフレ率の動向に懸念が示され、金利低下、ドル安となっており、予定されているFOMCメンバーの講演ではインフレ見通しに注目です。30日の10月コアPCEデフレーターは前年比+1.4%と、前月からの小幅な加速予想です。
◆ユーロ圏:29日にドイツ、30日にユーロ圏でCPIが発表されます。ドイツの7-9月期GDP成長率は前期比+0.8%、11月の製造業PMIも62.5と堅調です。一方で、ユーロ圏コアCPIが8月(前年比+1.2%)から9月(同+1.1%)、10月(同+0.9%)と減速していますが、予想では同+1.0%へ再加速するとみられています。政治面では、9月のドイツ総選挙から複数政党での連立合意がまとめられていなかったが、社会民主党(SPD)との連立、または限定的な協力で進展がみられるか注目。
◆日本:12月1日に10月の消費者物価が発表されます。生鮮食品除くコアCPIは、都市ガス代の上昇、原油高の影響が表れ、ガソリン価格を中心に石油製品価格が押し上げに寄与するとみられ、9月の前年比+0.7%から小幅加速すると予想(同+0.8%)。GDP改定値に影響のある法人企業統計は前期より加速する見込み。
◆中国:30日に政府版(予想:51.5)、12月1日に民間版(同:51.0)の11月製造業PMIが発表されます。11月15日から河北省で鉄鋼の冬季生産調整が環境対策を目的に行われており(2018年3月15日まで実施予定)、下振れに注意が必要です。
◆韓国:30日の金融政策決定会合で利上げが行われる可能性があります。0.25%の利上げで政策金利は1.50%となる見込みです。北朝鮮の地政学リスクはあるものの、新政権による経済政策や世界的に好調な半導体需要などにより、景気は堅調です。利上げが行われた場合、今局面ではアジア初の利上げとなります。
◆原油:30日のOPEC総会では、2018年3月までとされている協調減産が延長される見通しです。NY原油先物は58.95ドルと、前総会時(5月25日)の48.90ドルを上回っており、減産額を拡大する可能性は低いとみています。政治的な混乱により減産対象外とされていたリビア・ナイジェリアでは、2017年7月に生産枠の適用が議論されおり、今回正式に減産枠が設けられるかに注目です。(永峯)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
11/27(月) |
---|
(米)ダドリー・ニューヨーク連銀総裁 講演 |
11/28(火) |
(米)パウエルFRB理事 次期FRB議長指名承認公聴会 |
11/29(水) |
(米)イエレンFRB議長 上下両院合同経済委員会の |
11/30(木) |
(日)10月 鉱工業生産(速報、前月比) |
12/1(金) |
(日)7-9月期 法人企業統計調査(設備投資、前年比) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
当資料に関してご留意頂きたい事項
- 当資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客さまご自身の判断でなさるようお願いいたします。
- 当資料に示す意見等は、特に断りのない限り当資料作成日現在の三菱UFJ国際投信経済調査部の見解です。また、三菱UFJ国際投信が設定・運用するファンドにおける投資判断がこれらの見解に基づくものとは限りません。
- 当資料に示されたコメント等は、当資料作成日現在の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
- 本資料は当社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、完全性等について保証・約束するものではありません。