2017/06/06
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」6月5日号より抜粋
先週は、NYダウは0.6%、日経平均は2.5%上昇。米10年債利回りは2.16%と前週の2.25%より低下しました。今週は、個別国での重要イベントが続きます。その中で、コミー前FBI長官の証言、ECB理事会への注目度が高いと考えています。
◆日本:4月の有効求人倍率は1.48と1990年代の水準を上回っており雇用環境は堅調。6日の現金給与総額(4月)で賃金の動向に注目(市場予想:前年比+0.3%)。
◆米国:8日のコミー前FBI長官による証言での新事実に注目です。一方で、弾劾プロセスは長期にわたると見られることから、足元のリスクは限定的と考えます。
◆ユーロ圏:8日のECB理事会では、フォワード・ガイダンスの修正が注目されています。同修正は金融緩和策の縮小へ向けた布石を意味し、その場合はユーロが買われる展開が想定されます。ドラギECB総裁は5月29日には、ユーロ圏の景気は加速しているものの、経済のたるみを吸収しインフレが回復するためには、フォワード・ガイダンスを含め金融政策による中銀支援が必要と指摘しています。
◆英国:8日に下院選挙が行われます。与党・保守党の過半数割れが懸念されています。過半数割れの場合、離脱交渉の遅れによるポンド安、また経済的打撃の少ないソフトブレクジット期待の高まりによるポンド高、の2つの可能性があり、今回の結果だけでなく、今後の政治動向に引き続き注意が必要と考えています。
◆豪州:6日の1-3月期経常収支は5億豪ドルの赤字が予想されていますが、黒字に転換する可能性もあります。鉄鉱石など商品価格が前年比ベースで堅調であることを背景に、交易条件(貿易の採算性)が改善し、2016年11月から5ヵ月連続で貿易黒字となっており、8日の貿易収支で6ヵ月連続となる見込みです。7日の1-3月期実質GDP成長率は前期比+0.3%が予想されています。また6日に金融政策決定会合があり、政策金利は据え置かれ、現状の政策が維持される見通しです。
◆中国:8日に貿易統計(5月)、9日に物価統計が発表されます。ただ注目は、中国人民銀行の為替相場運営です。5月26日に、人民銀行は中心レート(基準値)の算出方法を変更すると発表、その後の人民元は対ドルで0.6%上昇しています。5月24日にムーディーズは格下げを行っており、今後の人民元安懸念を受けて、当局が元高に誘導しているとの見方もあり、今後の設定動向に注目です。
◆ブラジル:6日に高等選挙裁判所(TSE)で2014年の大統領選挙の有効性について審理が行われます。同審理は、5月17日に浮上したテメル大統領の捜査妨害疑惑とは別の政治リスクとなります。TSEの判決に不服の場合は最高裁判所に控訴できるものの、判決が出た段階で議会から弾劾要求が出る可能性があります。
◆インド:予想を大幅に下回った1-3月期GDP(市場予想:前年比+7.1%、実績:同+6.1%)を受け、7日の金融政策決定会合でどう評価するかに注目。(永峯)
今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
6/5(月) |
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(米)4月 製造業受注(除く輸送、前月比) |
6/6(火) |
(日)4月 現金給与総額(前年比) |
6/7(水) |
(中)5月 外貨準備高 |
6/8(木) |
(米)コミー前FBI長官 上院情報特別委員会で証言 |
6/2(金) |
(中)5月 消費者物価(前年比) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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