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ドル円上昇トレンドは当面継続と予想 - リスク要因はドル高牽制発言とベーシス・スワップ

2016/12/20
提供:三菱UFJ国際投信

荒武 秀至の今週の注目ポイント!

  • ドル円上昇トレンドは当面持続と予想
  • 円キャリー活発化、ドル高牽制発言の不在、ドル流動性タイト化がドル円一段安に寄与
  • ドル高予想のリスクはトランプ次期政権の為替政策発言、ドル円ベーシス・スワップ

「投資環境ウィークリー」12月19日号より抜粋

PDFです。新しいウィンドウで開きます。 「投資環境ウィークリー」全文はこちら(PDF)

■ドル円は先週1ドル118円超え、当面ドル高トレンドは変わらずと予想
先週、米FOMC(連邦公開市場委員会)は来年の利上げ見通しを3回とし、ドル円の上昇を演出しました。当面、ドル円上昇は継続、既に120円台は射程圏とみています。短期的には@キャリートレードに変化、Aドル高牽制発言の不在、中長期的にはBドル流動性のタイト化がその背景です。一方、米新政権のドル高牽制(就任演説等)、ドル円ベーシス・スワップ(BS)はリスクとみています。
■投機筋はユーロキャリーから円キャリーのトレードへ戦術を変化
米CFTC通貨先物市場での投機筋取引は相場変動を大変良く説明します。一般に投機筋は、低変動(ボラティリティ)の市場環境下では低金利通貨売り高金利通貨買いのキャリー取引を多用します。先週13日時点、彼らはドルを買い持ちするために調達(ファンディング)し売り建てる通貨を円に変更、14日の米FOMC以降この動きを加速させている模様です。直近の対主要通貨のドル買い建玉推計額は過去最大だった2014年11月比約58%、依然ドル買い余地は大きいといえます。
■ドル高牽制の鬼はどこに?「強いドルは国益」の復活か
次期米大統領が中国を為替操作国へと意気込む以外、閣僚候補はドル高を牽制しません。市場は恐る恐る鬼の居ぬ間のドル買上がりとの様相を呈しています。
■ドルの流動性は趨勢的にタイトな状況が続く見込み
米7-9月期経常赤字は$1,332億と2008年の金融危機以降約半減し、米国の潜在的ドルファンディングの必要性は薄れ、また海外勢もMMF規制等受けドルファンディングが難しくなる等、限界的にドルが取り辛くなっています(ドル流動性のタイト化)。米FRB(連邦準備理事会)が金融引き締めに傾く中、目先は本邦勢のドル円売りヘッジ需要の減退等から、ドル高が加速する可能性もありましょう。
■ドル円上昇予想のリスクは米新大統領就任演説、ドル円ベーシス・スワップ
一方、年末の利益確定や米トランプ次期大統領の就任演説、特にドル円ベーシス・スワップ(BS:通貨選好度に応じ金利差に反映されるプレミアム)には警戒が必要です。今年に入り米株と綺麗な逆相関(株↑BS↓)を描いたBS3ヵ月物は、11月に▲0.9%とボトム付け反転し、足元▲0.6%へ縮小し逆相関を崩しています。季節的にもドルの流動性が逼迫しBSは一層拡大し易いいま、このBS縮小は単にドル投資家の日本国債アセットスワップ復活(ドルを供給)の結果か、または米株調整の暗示か、後者なら投資家のリスク回避姿勢がドル円を押し下げましょう。

◆日本:20日日銀会合、黒田総裁会見。先週、上昇する長期金利を指値オペではなく買いオペ増額で牽制、その真意は長期金利上限見極めに有用です。(徳岡)

今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール

12/19(月)

(日)日銀金融政策決定会合(〜20日)
政策金利残高適用金利:▲0.1%⇒(予)▲0.1%
(日)11月 貿易収支(通関ベース、季調値)
10月:+4,743億円
11月:+5,361億円
(米)大統領選挙 選挙人団による公式投票
(米)イエレンFRB議長 講演
(独)12月 ifo景況感指数
11月:110.4
12月:(予)110.6

12/20(火)

(日)黒田日銀総裁記者会見
(他)トルコ 金融政策委員会
レポ金利:8.0%⇒(予)8.0%
翌日物貸出金利:8.5%⇒(予)8.5%
翌日物借入金利:7.25%⇒(予)7.25%
(他)スウェーデン 金融政策決定会合(〜21日)
レポ金利:▲0.5%⇒(予)▲0.5%

12/21(水)

(米)11月 中古住宅販売件数(年率)
10月:560万件
11月:(予)550万件
(他)タイ 金融政策委員会
翌日物レポ金利: 1.5%⇒(予)1.5%

12/22(木)

(米)7-9月期 実質GDP(確定値、前期比年率)
4-6月期:+0.8%
7-9月期:(予)+3.3%(改定値:+3.2%)
(米)11月 耐久財受注
(航空除く非国防資本財、前月比)
10月:+0.2%、11月:(予)+0.5%
(米)11月 個人所得・消費(前月比)
所得 10月:+0.6%、11月:(予)+0.3%
消費 10月:+0.3%、11月:(予)+0.3%
(欧)ECB経済報告
(他)フィリピン 金融政策決定会合
オーバーナイト・レート:3.0%⇒(予)3.0%

12/23(金)

(米)11月 新築住宅販売件数(年率)
10月:56.3万件
11月:(予)57.5万件
(米)12月 ミシガン大学消費者信頼感指数(確報)
11月:93.8
12月:(予)98.0(速報値:98.0)
(英)7-9月期 実質GDP(確定値、前期比)
4-6月期:+0.7%
7-9月期:(予)+0.5%(2次速報値:+0.5%)

注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。

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