2016/06/14
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」6月13日号より抜粋
今週は14-15日に連邦公開市場委員会(FOMC)、15-16日に日銀金融政策決定会合、16日に英中銀による金融政策の発表があります。来週23日は英国で欧州連合(EU)離脱(Brexit)の賛否を問う国民投票が実施されます。米国株が史上最高値に近づくなか、金融市場はリスクに敏感になっており、上下に振れ易い展開が予想されます。特にBrexitについては現在でも賛否の予想が拮抗しており、結果次第では金融市場が乱高下する可能性があります。まずは、FOMCで利上げが見送られ年内2回の利上げペースが維持されるのか、そして物価上昇率の目標達成が困難となるなか日銀が追加緩和に踏み切るのかが注目されます。
先週S&P500株価指数は2119.12(6月8日終値)をつけ、昨年5月21日に記録した過去最高値2130.82に迫りました。先週末時点で年初来の上昇率は+2.6%となり、米国株は堅調な伸びをみせています。一方で独DAX®は同▲8.5%、日経平均株価は▲12.8%と低調であり明暗が分かれています。米ドルベースでみてもDAX®が▲5.4%、日経平均が▲1.8%と米国株に遅れをとっています。他方、先週独10年国債利回りが0.02%、日本10年国債利回りが▲0.15%となり、過去最低水準を更新しました。日欧中央銀行が積極的に金融緩和を実施するも、実体経済の回復の足取りは重く株価の上昇に寄与していない状況も鮮明です。実物資産投資に資金がシフトしないことが問題であり、期待成長率の上昇が日欧の課題となりましょう。
◆米国:14-15日のFOMCでは金融政策が据え置かれる見通しです。四半期毎の景気・物価・政策金利見通しが公表され、利上げペースは年内2回に維持とみています。米景気は雇用環境の改善が続き、14日の小売売上高(5月)は2ヵ月連続前月比増が見込まれるなど消費も堅調です。現在、市場では9月利上げも困難という見方が強いため、利上げ観測が高まればドル高に振れる可能性があります。
◆日本:15-16日の日銀金融政策決定会合では金融政策が据え置かれる見通しです。ただ物価の基調インフレ率の鈍化が鮮明なため、物価目標の達成のために次回展望レポートが公表される7月28-29日会合では追加緩和が決まる公算は高いでしょう。15日の訪日外客数(5月)は4月に208万人と2ヵ月連続で過去最高を更新しているため、高水準が見込まれインバウンド消費の盛り上がりが期待されます。
◆その他:16日までのMPCでは金融政策は据え置かれ、EU離脱が決まった場合の流動性供給対策等が協議される見通しです。23日の英国民投票はEU離脱賛否が拮抗しており、EU離脱の景気への悪影響が深刻と予想される中で未判断層の決断が焦点です。13日の中国鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高(5月)は堅調となり、3月に高めの伸びとなった各指標は4月以降も落ち込むことなく景気の緩やかな拡大を示しています。16日の豪失業率(5月)は低水準となり、金融緩和が続くなか雇用環境の改善を示し、豪ドル高につながりましょう。(向吉)




今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール
6/13(月) |
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(日)4-6月期 法人企業景気予測調査 |
6/14(火) |
(米)5月 小売売上高(前月比) |
6/15(水) |
(日)日銀金融政策決定会合(〜16日) |
6/16(木) |
(日)黒田日銀総裁記者会見 |
6/17(金) |
(米)5月 住宅着工・許可件数(着工、年率) |
注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。
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