2026-07-18 15:10:18

6月はIPOを巡る市場の反応が鍵を握る

2026/5/28

提供:フィリップ証券株式会社

リサーチ部:笹木 和弘

26年2月「銘柄ピックアップ」振り返り

2026年2月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から5/22終値までの騰落率上位6銘柄のうち、衛星画像データのプラネット・ラボズPLや宇宙システムソリューションのロケットラボ・コーポレーションRKLBなど宇宙関連銘柄が上昇。また、AI(人工知能)相場を背景に半導体製造装置のラムリサーチLRCXアプライド・マテリアルズAMATも堅調。AIブームで電力・エネルギー部門が好調なキャタピラーCATに加え、9/1付けでCEO交代を発表したアップルAAPLも業績が堅調である。

26年2月「銘柄ピックアップ」振り返り〜宇宙関連銘柄の躍進が際立つ

トランプ米大統領の支持率低下

全米のメディア等による世論調査結果を集計して発表しているRCP(Real Clear Politics)の調査でトランプ米大統領の支持率が40%を下回った。支持率から不支持率を引いた数値も▲17%に達した。第二次トランプ政権発足後から約1年4ヵ月、支持率の下落トレンド、不支持率の上昇トレンドが継続中である。

米国が実行する軍事作戦は、通常、米国世論が当初は賛同する傾向がある中、2/28のイランへの軍事攻撃については攻撃当初から米国民は賛同していなかった。特に与党の共和党内でも、生活費への対応に対する評価が悪化しており、ガソリン価格の高騰や物価高につながるホルムズ海峡の封鎖を放置することは米共和党の中間選挙敗北に直結しやすく、方針転換を迫られる局面と考えられる。

トランプ米大統領の支持率低下〜40%を下回り、中間選挙を強く意識へ

米国株は半導体株へ物色集中

米半導体株の急騰が続いている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3/30終値から5/22終値まで約71%上昇といった急ピッチの値上がりに「2000年のITバブル崩壊の数カ月前を想起させる」という市場関係者の声も聞かれる。

SOXのS&P500指数に対する倍率(週次終値)の過去30年間の動向を見ると、1998年の0.2倍台から2000年3月に1.0倍近くまで上昇していた。これに対し、直近では2025年3月の0.7倍から上昇し、2025年10月以降の1.0倍を超えて今年5/15以降に1.6倍台まで上昇しており、ITバブル前と類似する側面がある。一方、AI(人工知能)の進化に伴い、データセンターで従来のGPU(画像処理半導体)だけでなくCPU(中央演算処理装置)やメモリの需要増に支えられている面も大きい。

米国株は半導体株へ物色集中〜ドット・コム・バブルのピーク前と類似も

バークシャー保有銘柄の変化

米投資会社バークシャー・ハサウェイが5/15に提出した規制当局への開示資料で、同社が2026年1-3月期にデルタエアーラインズDALの6.1%(26億5000万ドル)、百貨店メ―シーズMの1.1%(5500万ドル)で取得したことが判明。アルファベットAGOOGLの保有比率は3倍超、ニューヨーク・タイムズANYTへの出資比率は2倍超の9.4%となった。一方、アマゾン・ドット・コムAMZNユナイテッドヘルス・グループUNH、クレジットカードのビザAVマスターカードAMAは手放した。1-3月期合計で159億4000万ドル相当の株式を購入し、240億9000万ドル相当を売却。特にデルタエアーラインズの買いとシェブロンCVXの売りは、エネルギー価格の中長期的な見通しを示唆している可能性がある。

バークシャー保有銘柄の変化〜今後の投資環境に関する見通しを示唆

米機関投資家は強気ポジション

NAAIMエクスポージャー指数とは、全米アクティブ投資マネージャーズ協会(NAAIM)の会員が毎週水曜日に協会へ報告する株式エクスポージャーの数値を集計したものである。中長期的にはその値が80%を超えると「過度の楽観」、20%を下回ると「過度の悲観」と捉えられる傾向がある。

今年2/25に80%割れとなって以降、3/18に60.24%まで下落したが、その後反発して4/22以降は「過度の楽観」に相当する90%台へ上昇した。2022年10月に19.84%、2023年10月に24.82%、2025年4月に35.16%までそれぞれ下落後に反転上昇した。一方、今年3-4月にかけての反転上昇局面は、ポジションの調整が中途半端にとどまっており、反発の持続力に疑問が投げかけられる面もある。

米機関投資家は強気ポジション〜中途半端な調整からの反発へ懸念も

AIエージェント革命とアームHDS

ソフトバンク・グループ9984の子会社で半導体チップの世界的な知的財産(IP)企業である英アーム・ホールディングスADRARMが5/6に2026年1-3月期決算を発表。AI(人工知能)インフラ需要の取り込みを背景に好調な内容だった。

目的に向かって自律的にタスクを実行する「AIエージェント」の時代にCPUの役割の重要性が高まる中、エネルギー効率の高さを武器に、同社のデータセンター向け量産半導体製品ラインの第1弾である「Arm AGI CPU」に対する顧客需要が強く、2027-28年にかけて20億USD超の収益貢献が見込まれている。メモリ不足の影響などで不安定なスマートフォン市場から、データセンターへの展開で収益基盤が強化されることへの期待から同社の株価は堅調に推移している。

AIエージェント革命とアームHDS〜データセンター分野からの収益拡大へ

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