26年1月「銘柄ピックアップ」振り返り
2026年1月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から4/24終値までの騰落率上位6銘柄のうち、半導体製造のパッケージ化需要を受けた日月光投資控股(テクノロジーホー) ADR(ASX)、データセンター(DC)関連の製品受託製造のフレクス(FLEX)、DC関連ネットワーキング製品のアリスタ ネットワークス(ANET)、DC向け電力インフラ関連のイートン(ETN)、石油・天然ガスの油田サービスを提供するハリバートン(HAL)が堅調に推移。その他では、エンターテイメント分野のスフィア エンターテイメント(SPHR)も好調だった。
26年1月「銘柄ピックアップ」振り返り〜半導体製造とDC関連事業が主力
CPU二強のデータセンター構成比
米OpenAIが開発したChatGPTのような「生成AI」の時代では、米エヌビディア(NVDA)が圧倒的シェアを持つGPU(画像処理半導体)が主役であり、並列処理に特化して大規模言語モデル(LLM)の学習と推論に圧倒的性能を発揮してきた。データセンター(DC)もGPUを大量に搭載し、それに伴ってメモリ帯域と電力の確保が中心的な課題だった。
これに対し、目的に向かい自律的にタスクを実行する「AIエージェント」の時代では、GPUの並列処理に加えてコンピュータの頭脳にあたるCPU(中央演算処理ユニット)によって論理的に順序立てて制御することが重要となる。GPUをより効率的に稼働させるためにもDCでCPUの比重を高める必要がある。CPUに強い半導体メーカーの見直し余地があるだろう。
CPU二強のデータセンター構成比〜AIエージェント時代でCPU見直しへ
SLR資本規制緩和とトランプ口座
米銀行規制当局は2025年11月、中核的自己資本を、銀行の総資産に簿外の債務保証契約などを加えた金額で割った比率である「補完的レバレッジ比率(SLR)」を銀行ごとの状況に応じて規制水準を緩めた。米大手銀は従来一律に5%以上が求められたが、モルガン・スタンレー(MS)は3.5%以上とされた。規制緩和で制約が軽くなったトレーディング業務の貢献により、4/15発表の2026年1-3月期の決算は堅調な内容となった。
米財務省が4/6、子ども向け税制優遇投資口座「トランプ口座」制度を支援する政府の財務代理機関としてバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)およびロビンフッド・マーケッツ(HOOD)を選定したと発表。2025〜2028年生まれの子どもには政府が1000ドルを初期拠出する。
SLR資本規制緩和とトランプ口座〜メリットを受ける米金融関連株に注目
台湾積体電路製造[TSMC]
半導体ファウンドリ(受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造[TSMC](TSM)が4/16に発表した2026年1-3月期決算は、AI(人工知能)向け先端半導体の需要が増え続けていることを受けて、前年同期比35%増収、純利益が58%増と堅調に推移した。粗利益率も会社予想の上限を超えた。データセンター向けのHPC(高性能コンピュータ)関連の売上比率が拡大傾向にある一方、最先端の3nm(ナノメートル)品の売上比率が伸び悩んでいる。これはチップレットや3次元実装(3D積層)技術により、複数のチップを最適に組み合わせることで、従来の微細化を超えた高性能化を実現していることが背景にあるとみられる。こうした動きに伴い、パッケージ基板も有機基板からガラスコア基板への転換が進んでいる。
台湾積体電路製造[TSMC]〜微細化は一服した感もHPC収益構成比拡大
米国の原油生産量と稼働リグ数
米エネルギー省(EIA)の統計によると、第2次トランプ政権(2025年1月以降)で米国の原油生産量は増加し、2025年に過去最高を記録。その背景にはトランプ政権の規制緩和・エネルギー優遇政策があり、「ドリル・ベイビー・ドリル」のスローガンの下、連邦所有地での掘削許可の増加、パイプライン整備推進、環境規制の見直しなどがある。
一方、米国石油・ガスロータリー掘削装置の稼働リグ数は減少傾向にある。これは、技術進歩により1リグ当たり生産性が大幅に向上したこと、また、実質的な在庫とみなされるDUC(掘削済みだが仕上げ工程が済んでいない油井)の減少により、稼働リグ数が増えなくても生産増に結び付いていることが要因であり、石油株の株価上昇の追い風となっている。
米国の原油生産量と稼働リグ数〜稼働リグ数は減少も原油生産量は増加
人民元国際化と元高・中国債券高
金融市場における米ドル離れと米中の金利差拡大を背景に、主に香港で発行されるオフショア人民元建て債券である「点心債」の発行額が増加。米中の金利差が2%に達し、低コストの調達手段として点心債が人気化していることに加え、中国政府が元高を容認するとの見方も追い風となっている。イランがホルムズ海峡を事実上封鎖し、円やユーロが対米ドルで弱含んで推移する一方、中国がイランから人民元建てで原油を購入している不透明感がある中でも、人民元の対米ドル相場は堅調に推移している。
中央銀行の中国人民銀行は1月から中央銀行デジタル通貨(CBDC)の「デジタル人民元」に利息を付与する制度を開始。越境決済での利用増によって非ドル決済網の拡大を狙っているとみられる。
人民元国際化と元高・中国債券高〜米ドルに頼らない越境決済の利用増