25年12月「銘柄ピックアップ」振り返り
2025年12月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から3/27終値までの騰落率上位6銘柄のうち、メモリー価格急騰の恩恵を受けたサンディスク(SNDK)、データセンター関連インフラ・ソリューションを提供するバーティブ・ホールディングス(VRT)、ストレージ関連のデル テクノロジーズ C(DELL)などAI関連が堅調に推移。原油と石油化学製品の市況高騰が追い風となったエクソンモービル(XOM)、航空宇宙部門が好調だったウッドワード(WWD)、ヒト型ロボット向けが注目されたジェイビル(JBL)も好調だった。
25年12月「銘柄ピックアップ」振り返り〜AI関連銘柄の堅調な推移が続く
米国株の調整とハイテク株
米国株の主要株価指数のうちS&P500やナスダック100は時価総額加重平均型の指数であるため、時価総額上位の大型ハイテク株のウェート拡大を通じて指数がかさ上げされやすい。S&P500とナスダック100について、それぞれ均等加重平均型と比較した相対指数のかい離(相対指数の格差)を見た場合、2023年10月以降に拡大し、トランプ米大統領が相互関税を発表した2025年4月に一旦縮小したが、同年10月下旬にかけて再拡大。その後は緩やかな縮小傾向にある。
米国株市場の調整局面の特徴として、市場全体が売られるよりも大型ハイテク株を中心とした株価下落によって時価総額加重平均指数と均等平均指数の格差縮小を伴う場合が多い。割安銘柄へのシフトが有効となる余地がある。
米国株の調整とハイテク株〜S&P500とナスダック100の均等加重平均
サブプライムショックと原油価格
イランが原油貿易の要衝であるホルムズ海峡を事実上封鎖していることを背景に原油価格が高騰している。この価格高騰は、2022年におけるロシアのウクライナ侵攻後に類似している面があるほか、2007年7月から2008年6月までの上昇局面を想起させるという見方も市場で根強い。当時の原油価格高騰は「BRICs」と言われる新興国市場ブームに加え、2007年9月に米FRB(連邦準備理事会)が利下げ局面へ転換したことで投機マネーが流入したことが大きな要因となった。
プライベート・クレジット(ノンバンク融資)のファンドを巡り、投資家の解約請求が急増したことへの対応でファンド側が解約制限を設ける事例が相次いだ。これは2007年夏以降に相次いだサブプライム・ローン損失への対応と類似点が見受けられる。
サブプライムショックと原油価格〜2007年7月〜08年6月の原油価格上昇
原油・半導体・VIXの4年前との比較
2/28に米国とイスラエルがイランを攻撃し、イランはホルムズ海峡を事実上封鎖した。WTI原油先物価格は3/9に一時1バレル100ドルを超えた。4年前の2022/2/24にロシアがウクライナに侵攻した後の6月、原油先物価格が一時1バレル120ドルを超えるまで上昇する場面があった。半導体株指数は当初、原油相場の高騰に対して下落していたが、原油相場の反転下落後も秋ごろまで半導体株指数は下降トレンドを継続した。VIX指数も半導体株指数が底打ち反転するまで20〜34ポイントの高水準で推移した。
原油相場の上昇基調が続く場合、半導体株の下落とVIX指数の上昇が続く可能性がある一方、原油相場が反転下落しても半導体株の本格上昇とVIX指数の低下までに時間差を伴う可能性がある。
原油・半導体・VIXの4年前との比較〜原油先物とVIX指数は4年前水準へ
米マグニフィセント・セブンの動向
米国株市場を牽引する巨大ハイテク企業7社の「マグニフィセント・セブン」の年初来株価は軟調に推移している。データセンターなどAI(人工知能)向けインフラ投資への支出拡大とその収益化が遅れることへの懸念のほか、AIエージェントの進化がソフトウェア業界の収益減を侵食するとの懸念がその背景にある。
そのような中、アップル(AAPL)の株価は昨年末水準を下回るものの、1月安値を下回ることなく横ばい圏で推移している。AIが人の代わりにパソコンを動かせるようになるオープンソースのAIエージェント・ソフトウェア技術「オープンクロー」の普及で、アップルの小型コンピューター「Mac-mini」がAI専用パソコンとして人気が出始めた。同社はMac-miniの一部を米国で生産する方針を打ち出している。
米マグニフィセント・セブンの動向〜相対的に下値が堅いアップルに注目
S&P500配当貴族指数と構成銘柄
「S&P500配当貴族指数」は、S&P500指数構成銘柄のうち25年以上連続して増配している銘柄を対象とした均等加重型指数である。時価総額30億ドル以上、かつ1日当たり平均売買代金が500万ドル以上の優良大型株から構成される。野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS S&P500配当貴族指数連動型ETF」が昨年6月に東証に上場。日本株と同様に円建てでも取引できるようになった。
S&P500配当貴族指数は、フィラデルフィア半導体株指数と比較すると価格変動が小さい。半導体関連銘柄が買われ過ぎたところでS&P500配当貴族指数連動のETFあるいはその構成銘柄へ資金をシフトすることも検討の余地がある。同指数の組入れ上位銘柄は年初来の株価推移が総じて堅調に推移している。
S&P500配当貴族指数と構成銘柄〜低価格変動性、構成銘柄の株価堅調