25年11月「銘柄ピックアップ」振り返り
2025年11月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から2/20終値までの騰落率上位6銘柄のうち、貴金属相場の堅調な推移を追い風にウィートン・プレシャス・メタルズ(WPM)が首位となった。2位のGEベルノバ(GEV)、5位のファースト・トラスト北米エネルギー・インフラファンド(EMLP)、ネクステラ・エナジー(NEE)はAI(人工知能)データセンタ―向けエネルギー需要増が貢献した。防衛関連のクラトス・ディフェンス&セキュリティー・ソリューションズ(KTOS)、肥満症治療薬のイーライリリー(LLY)も堅調だった。
25年11月「銘柄ピックアップ」振り返り〜貴金属、エネルギー関連が強い
米ソフトウェア株への売り攻勢
新興AI(人工知能)開発企業のアンソロピックが1月に特定の専門業務を自動化する新サービスを発表したことで、AIがソフトウェア企業の業績を圧迫するのではないかとの警戒感がくすぶり続けている。米国株市場では上場投資信託(ETF)の「iシェアーズ拡大テクノロジー・ソフトウェア・セクターETF(IGV)」が注目されている。
ソフトウェア関連銘柄への売り加速は、AIが業績にどう影響するかというファンダメンタルズに基づいた売りではないように見受けられる。たとえば、サイバーセキュリティー企業はAIの進歩の恩恵を受けるサービスを提供するとみられる場合が多い。機関投資家による株式エクスポージャーが「過度な楽観」とされる高水準にあり、現金比率が低水準となる中、機械的な持ち高解消が起きていると見るべきだろう。
米ソフトウェア株への売り攻勢〜AIはソフトウェア企業の座を奪うのか?
データセンターは宇宙へ
「宇宙関連」は今年の米国株投資のテーマの中心になる可能性を秘めている。テスラ(TSLA)CEOのイーロン・マスク氏は、1/22にダボス会議で講演し、AI(人工知能)のインフラ整備に向け、3年以内に宇宙空間でデータセンターを作る構想を表明した。マスク氏が率いる宇宙開発企業のスペースXは2026年内のIPOを計画している。米航空宇宙局(NASA)が主導し、日本も参加する有人月探査「アルテミス計画」では3月に、4人の宇宙飛行士を乗せたオリオン宇宙船が月を周回して帰還する「アルテミスU」が実施される予定だ。トランプ米大統領は昨年12月、アルテミス計画を大幅に前進させる宇宙政策の大統領令に署名。ロケット打上げ・探査システム、月面探査・着陸機関、衛星・宇宙データセンターなどの関連企業が注目される。
データセンターは宇宙へ〜NASAアルテミス計画とスペースX上場準備
マイクロン・テクノロジーとメモリ価格
米半導体メモリ大手マイクロン・テクノロジー(MU)の業績が堅調に推移。12/17の決算発表時に、2025年12月〜2026年2月期の売上高が前四半期比37%増の187億USDになるとの見通しを示した。同社の事業セグメントのうち「クラウド・メモリ」はAI(人工知能)サーバー向け広帯域(HBM)メモリ需要が急増。「コア・データ」はデータセンター向けNAND型フラッシュとDRAMの需要が堅調。同社を含め世界大手が生産ラインをHBMに大幅にシフトしたことに加え、新しいメモリ工場立ち上げが追い付かないことを受けて、スマートフォンやPC向けメモリを扱う「モバイル&クライアント」、および自動車や産業機器メモリを取り扱う「車載&組み込み」も軒並み在庫不足に伴う価格上昇と利益率上昇の恩恵を受けている。
マイクロン・テクノロジーとメモリ価格〜AI需要加速が全セグメントへ追い風
バークシャー保有ポートフォリオ
米投資会社バークシャー・ハサウェイが米証券取引委員会(SEC)に2/17に提出した2025年末の保有銘柄リストによれば、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の保有株式数を77%減らしたほか、アップル(AAPL)も3四半期連続で売却。2025年7-9月期にはグーグル親会社アルファベット(GOOGL)を新規に取得しており、テクノロジー銘柄の入れ替えに着手していると見受けられる。一方、米新聞大手ニューヨーク・タイムズ(NYT)を新規に取得。バークシャーはかつて競合する米大手紙ワシントン・ポストの主要株主だったこともあり、馴染みある業界でデジタル化への対応進捗への手応えを掴んでいる可能性がある。2026年初に就任した新CEOアベル氏は米食品大手クラフト・ハインツ(KHC)の売却を検討中の様相だ
バークシャー保有ポートフォリオ〜バフェットCEO時最後の保有銘柄報告
貴金属先物相場の月末は要注意
月末営業日だった1/30、COMEXの金(ゴールド)先物、銀先物、NYMEXのプラチナ先物は、トランプ米大統領が次期米FRB(連邦準備理事会)議長に量的緩和に反対するスタンスの「タカ派」とみられるウォーシュ元FRB理事を指名すると発表したことを契機として大幅に下落した。
月末に大幅下落となったことは、貴金属先物の制度的な仕組みにもその要因がある。貴金属は元々希少性が高く、供給制約がある。そのような中、先物の売り方は各月の最終営業日を期日とする受渡決済のための現物を調達できない場合は、売買最終日までに損失覚悟で買い戻さざるを得ず、「踏み上げ」による相場上昇を招きやすい。その反動が期日に出やすい面がある。2月を中心限月とするCOMEX金先物には要注意だろう。
貴金属先物相場の月末は要注意〜受渡決済関連のショートスクイーズ