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AIに代替されにくい「HALO株」への注目
AIに代替されにくい「HALO株」への注目
2026/2/17
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘
AIに代替されにくい「HALO株」への注目
AI(人工知能)の進化により、従来のインターネット経由で提供される業務ソフトウェア・サービス(SaaS)の事業モデルが代替され、収益の屋台骨が揺らぐ「SaaSの死」が引き続き株式市場で話題を集めている。米グーグルが2/12に発表した生成AI「Gemini3」の新モデルは、誤りに気付くと自ら修正して別の回答を提示する。利用者はその思考プロセスも確認できるなど、信頼性が飛躍的に向上している。市場では業務用ソフトウェアだけでなく、製薬支援、ゲーム開発、不動産情報、物流支援、資産運用アドバイス、税務相談など、AIによる業務代替の懸念がある業種の株価が軒並み下がっている。
その一方、AIの影響を受けにくい銘柄探しも進んでいる。最近話題を集めているのが「HALO株」だ。これは「Heavy Asset Low Obsolescence」の略称で、直訳すれば「重い資産を持ち、陳腐化しにくい」銘柄群を指す。その上で、「AIが製品・サービスを複製できるか否か」がHALO株の基準とされる。米資産運用会社リソルツ・ウェルス・マネジメントのジョシュ・ブラウンは、「The most important investing theme of 2026 is HALO」というタイトルのレポートの中で、まず、年初来のパフォーマンスでソフトウェア関連ETFの下落に対し、エネルギー、マテリアルズ(素材)、ステープル(生活必需品)の関連ETFが堅調に推移していることを示した上で、「HALO株」の例として、
エクソン・モービル(XOM) 、
ウォルマート(WMT) 、
マクドナルド(MCD) 、
スターバックス(SBUX) 、
バレロ・エナジー(VLO) 、
ベーカー・ヒューズ(BKR) 、
マーティン・マリエッタ・マテリアルズ(MLM) を挙げている。コンクリートを製造するマーティン・マリエッタ・マテリアルズに関し、「ChatGPTはコンクリートを作らないし、将来も作らないだろう」と記している。
実際には、AIの進化によってソフトウェアを作ることが簡単になるものの、企業への実装や運用への落とし込みまで自動化できるわけではなく、付加価値が残る領域はあるのではないかと考えられる。また、自律的に思考し、計画を立てて必要なツールを使って実行する「AIエージェント」をSaaS企業が提供する場合、課金体系を今までのように「1ID当たり」のままでは、AIがもたらすだけの付加価値を収益化できない。これを利用量や成果に連動した課金とするなど事業モデルを転換することでSaaS企業が生き残ることができると考えられる。
AIの進化に伴って「SaaSの死」が懸念される一方で、AI半導体とその製造装置への需要が高まることから、S&P500ソフトウェア指数とフィラデルフィア半導体株指数(SOX)の価格推移は逆相関の関係を示し始めている。半導体大手
エヌビディア(NVDA) の2025年11月〜2026年1月期決算発表を2/26に控え、ソフトウェア関連と半導体関連の株価が逆相関になりやすい面には要注意だろう。(笹木)
S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(2/13現在)
主要企業の決算発表予定
2月17日(火)
ファーストエナジー、デボン・エナジー、リパブリック・サービシズ、EQT、ケンビュー、エキスパンド・エナジー、パロアルト・ネットワークス、メドトロニック、バルカン・マテリアルズ、ラブコープ・ホールディングス、レイドス・ホールディングス、ビルダーズ・ファースト・ソース、ジェニュイン・パーツ、DTEエナジー、ケイデンス・デザイン・システムズ、アレジオン、コカ・コーラ・ユーロパシフィック・パートナーズ
2月18日(水)
オキシデンタル・ペトロリアム、ノードソン、インビテーション・ホームズ、CFインダストリーズ・ホールディングス、エジソン・インターナショナル、カーバナ、アメリカン・ウォーター・ワークス、イーベイ、CRH、オムニコム・グループ、ブッキング・ホールディングス、アナログ・デバイセズ、コンステレーション・エナジー、インシュレット、ガーミン、チャールズリバー・ラボラトリーズIntl、ベリスク・アナリティクス、ムーディーズ、グローバル・ペイメンツ、ドアダッシュ、ホスト・ホテル・アンド・リゾート
2月19日(木)
ニューモント、アカマイ・テクノロジーズ、コンソリデーテッド・エジソン、アライアント・エナジー、エクストラ・スペース・ストレージ、ライブ・ネーション・エンタテインメント、コパート、サザン、ウォルマート、ディア、タルガ・リソーシズ、エバジー、クアンタ・サービシーズ、センターポイント・エナジー、EPAMシステムズ、インスメッド、プール
2月20日(金)
PPL
2月23日(月)
ダイヤモンドバック・エナジー、ONEOK、キーサイト・テクノロジーズ、エリー・インデムニティー、ドミノ・ピザ、ドミニオン・エナジー
2月24日(火)
メルカドリブレ、モザイク、ファースト・ソーラー、ゴーダディ、HP、ワークデイ、コスター・グループ、アクソン・エンタープライズ、アメリカン・タワー、エクスペディターズInt'lオブワシントン、ヘンリー・シャイン、キューリグ・ドクターペッパー、NRGエナジー、フィデリティナショナルインフォメーションサービシズ、ホーム・デポ
主要イベントの予定
2月16日(月)
2月17日(火)
2月18日(水)
米FOMC議事要旨 (1月27、28日開催分)、国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会(パリ、19日まで) 米耐久財受注(12月)、米住宅着工件数(12月)、米景気先行指数(1月)、米対米証券投資(12月) 2月19日(木)
米シカゴ連銀総裁が開会のあいさつ 米新規失業保険申請件数 (2月14日終了週)、米卸売在庫(12月)、米貿易収支(12月)、米中古住宅販売成約指数(1月) 2月20日(金)
米ダラス連銀総裁が講演 米個人所得・支出 (12月)、米個人消費支出(PCE)価格指数 (12月)、米GDP (4Q、速報値)、米S&Pグローバル製造業・サービス業・総合PMI (速報値)、米ミシガン大学消費者マインド指数 (2月、確報値)、米新築住宅販売件数(12月) 2月23日(月)
シカゴ連銀全米活動指数(1月)、米製造業新規受注(12月) 2月24日(火)
米住宅価格指数(12月)、米コンファレンスボード消費者信頼感指数(2月)
銘柄ピックアップ
アプライド・マテリアルズ (AMAT) :NASDAQ
2026/5/14に2026/10期2Q(2-4月)の決算発表を予定
1967年設立の半導体・ディスプレイ製造装置メーカー。マテリアルズ・エンジニアリングのリーディング企業として世界中のほぼ全ての半導体チップや先進ディスプレイの製造に関与している。 2/12発表の2026/10期1Q(11-1月)は、売上高が前年同期比2.1%減の70.12億USD(会社予想63.50-73.50億USD)、非GAAPの調整後EPSが同横ばいの2.38USD(同1.98-2.38USD)。AI(人工知能)やメモリ半導体向けの需要拡大を追い風に、調整後粗利益率が0.2ポイント上昇の49.1%へ改善。 2026/10期2Q(2-4月)会社計画は、売上高が前年同期比1-15%増の71.50-81.50億USD、調整後EPSが同2-19%増の2.44-2.84USD。同社は、中国向けの輸出規制による減速から回復しつつあり、特にメモリ装置需要が好材料となっている。メモリ半導体大手のサムスン電子やマイクロンテクノロジー(MU)が増産を進めるほか、AI向けの高帯域幅メモリ(HBM)需要拡大も追い風となっている。
ファストリ― (FSLY) NASDAQ
・2026/5/7に2026/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
2011年設立。リアルタイムのコンテンツ配信ネットワーク(CDN)を提供。従来サーバー側で実行されたアプリケーションの一部をネットワーク側で実行する「エッジクラウドプラットフォーム」を運営。 2/11発表の2025/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比22.8%増の1.72億USD(会社予想1.59-1.63億USD)、非GAAPの調整後EPSが前年同期の▲0.02USDから0.12USDへ黒字転換(同0.04-0.08USD)。調整後粗利益率が6.5ポイント上昇。RPO(残存履行義務)が55%増の3.53億USD。 2026/12通期会社計画は、売上高が前期比12-15%増の7.00-7.20億USD、調整後EPSが同77-123%増の0.23-0.29USD。2025年6月に就任したコンプトンCEOは、従来の財務規律重視から製品イノベーションと成長加速重視へと経営戦略を転換。特に、2025年に実施した「営業・市場開拓の変革」によって、セキュリティ主導のセールス、クロスセル強化、大企業顧客のシェア獲得が進んだ。
クローガー (KR) NYSE
2026/3/9に2026/1期4Q(11-1月)の決算発表を予定
1883年開業の全米最大の生鮮食品スーパーマーケットチェーン。傘下に、ラルフス、フード4レス、ハリス・ティーター、フレッド・マイヤーがある。プライベートブランドのシンプル・トゥルースを展開。 12/4発表の2026/1期3Q(8-10月)は、燃料費・例外的項目を除く調整後売上高が前年同期比2.6%増の300億USD、非GAAPの調整後EPSが同7.1%増の1.05USD。臨床薬局(Kroger Specialty Pharmacy)の売却や供給網コスト減が奏功し、調整後FIFOベース粗利益率が0.49ポイント改善した。 通期会社計画は、調整後売上高成長率を前期比2.8-3.0%(従来計画2.7-3.4%)へレンジ縮小し、調整後EPSを同6-7%増の4.75-4.80USD(同4.70-4.80USD)へ下限を引き上げた。同社は大型合併失敗とマクマレン前CEOの辞任を受けて新たな道を模索する中、2010年代半ば以降にウォルマートの米国事業のCEOとして同事業を立て直した功績で知られるフォーラン氏を新CEOに指名すると公表。
マクドナルド (MCD) NYSE
2026/5/1に2026/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
1940年創業の世界的なフードサービス事業会社。ファーストフード「マクドナルド」の直営店およびフランチャイズチェーン運営を行う。2025年末の世界店舗数は4万5356店(うち米国1万3706店舗)。 2/11発表の2025/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比9.7%増の70.09億USD、非GAAPの調整後EPSが同10.2%増の3.12USD。 既存店売上高は5.7%増(うち米国が6.8%増)経済格差の拡大で低所得層の外食利用が減少する中、チキンを中心とした低価格メニューによる集客が好調。 2026/12期に係る会社計画は未公表。米国では所得増がインフレに追いつかず、低所得層や若年層の消費支出の伸び悩みが深刻になっている。同社が2024年夏に導入した「5ドルセット」で火が付いた低価格競争によって低所得層を主要顧客とする大手ファーストフード企業の業績が軒並み悪化している。体力勝負の様相が強まる中、事業規模で勝る同社が競争でリードし始めている。
1939年設立の建設用骨材メーカー。北米やバハマの採石場・鉱山から石灰岩・砂利等を採掘・加工し、セメントやアスファルトなど建設用資材として公共インフラをはじめ多様な用途向けに供給。 2/11発表の2025/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比8.6%増の15.34億USD、非GAAPの調整後EBITDA(継続事業ベース)が同10.2%増の5.15億USD。骨材の出荷重量が2%増、トン当たり平均販売価格が5%増。発電所やデータセンターなどインフラ投資と非住宅建設の拡大が貢献。 2026/12通期会社計画は、骨材の出荷重量が前期比1桁台前半の伸び率を見込む。2021年にバイデン政権下で成立したインフラ投資・雇用法(IIJA)による連邦・州レベルの公共投資需要が、特に道路・橋梁・空港などで見込まれることに加え、データセンター建設とエネルギーインフラ(再エネ、LNG輸出施設)といった高成長領域の需要増が平均販売価格の押し上げ要因になると見込まれる。
ソーファイ・テクノロジーズ (SOFI) :NASDAQ
2026/4/29に2026/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定
日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値 (陰線)」なら緑、「始値<終値 (陽線)」なら赤。
2011年にスタンフォード大ビジネススクールの学生が設立。貸付事業(学生ローン、個人ローン、住宅ローン)、金融サービス事業(SoFi Bankを通じた銀行業務他)のデジタル金融サービスを提供。 1/30発表の2025/12期4Q(10-12月)は、非GAAPの調整後売上高が前年同期比37.0%増の10.25億USD、調整後EBITDAが同60.4%増の3.17億USD。通期では調整後売上高、調整後EBITDAともに会社計画を上回った。事業別貢献利益は、貸付事業が10%増、金融サービス事業が101%増。 2026/12通期会社計画は、調整後売上高が前期比30%増の46.55億USD、調整後EBITDAが同52%増の10.53億USD。同社は「高学歴・富裕層予備軍」を顧客ターゲットとし、金融サービスの包括的ソリューション提供を目指している。既存会員のクロスセルが同社収益の約7割を占める中、同社の会員数の年平均増加率見通しは25%。AI統合や国際展開が更なる成長の原動力と見込まれる。
(決算発表の予定は現地2/13現在であり、変更される可能性があります。
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