2026年1月の米国株市場は1/12まで堅調に推移している。米国株市場では、年末の節税売り後の買い戻しや新年の資金流入を背景に、1月の株価リターンが他の月より高くなりやすい「1月効果」のアノマリー(経験則)の存在が指摘される。特に中小型株でその傾向がみられるとされている。実際のところ、米国株の主要大型株を代表する指数であるS&P500株価指数の月間騰落率を1998年1月から2025年12月まで見た場合、全体の月間騰落率の平均が0.68%となる中、1月の平均は0.11%と、1-12月の中で9番目のパフォーマンスにとどまる。なお、2月はマイナス0.325%で10番目と1月と同様にパフォーマンスはよくない。3月は1.30%で4番目、4月は1.61%で3番目とパフォーマンスが改善する傾向が示されている。
今年2026年は大統領選挙サイクルにおける中間選挙の年である。中間選挙の前哨戦として注目され、2025年11月に実施されたニュージャージー州知事選、バージニア州知事選、ニューヨーク市長選、および12月に実施されたマイアミ市長選では、いずれも民主党候補が勝利した。ロイター/イプソスによる世論調査では、トランプ大統領の支持率は2025年1月就任時の47%から昨年12月に39%まで低下していたが、トランプ政権によるベネズエラへの軍事攻撃とマドゥロ大統領の拘束後の1/6時点では42%まで戻している。それでも、過度に外国との紛争に関与することは、「アメリカ・ファースト」の米国第一主義から逸脱するものとしてトランプ氏の岩盤支持層からも批判が出てきている。
トランプ氏は建国250周年の節目にあたる今年7月の「独立記念日」に、実績をアピールして中間選挙にはずみをつける狙いがあるのではないかと考えられる。ここから半年間は、切れるカードを次々と切っていくことが考えられ、「トランプ劇場」で相場の変動性(ボラティリティ)が高まる展開が予想される。
そのような背景の下、パウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長は1/11、FRB本部の建物改修について昨年夏に行った議会証言を巡り、司法省から刑事訴追の可能性を示す大陪審への召喚状が届いたと明らかにした。政策金利の大幅引き下げを狙うトランプ政権により金融政策を決定する独立性がまさに危機に瀕している。それに加え、トランプ政権の追加関税に関する連邦最高裁判決も控えている。違憲判決が出た場合、関税収入の返還を迫られることになり、必要となる米国債増発の額も大規模になると想定される。これらは、米ドル安、米国債安(長期金利上昇)、金など貴金属の上昇要因になると考えられる。米国株については、長期金利上昇が大型ハイテク株やAI(人工知能)半導体・インフラ関連の売り材料になりやすいだろう。米ドル安は海外展開を行うグローバル企業にとってプラスの面も出てきそうだ。(笹木)