2026-06-08 17:04:13

「1月効果」の検証、相場は中間選挙向けの「トランプ劇場」へ

2026/1/15

提供:フィリップ証券株式会社

リサーチ部:笹木 和弘

「1月効果」の検証、相場は中間選挙向けの「トランプ劇場」へ

  • 2026年1月の米国株市場は1/12まで堅調に推移している。米国株市場では、年末の節税売り後の買い戻しや新年の資金流入を背景に、1月の株価リターンが他の月より高くなりやすい「1月効果」のアノマリー(経験則)の存在が指摘される。特に中小型株でその傾向がみられるとされている。実際のところ、米国株の主要大型株を代表する指数であるS&P500株価指数の月間騰落率を1998年1月から2025年12月まで見た場合、全体の月間騰落率の平均が0.68%となる中、1月の平均は0.11%と、1-12月の中で9番目のパフォーマンスにとどまる。なお、2月はマイナス0.325%で10番目と1月と同様にパフォーマンスはよくない。3月は1.30%で4番目、4月は1.61%で3番目とパフォーマンスが改善する傾向が示されている。
  • 今年2026年は大統領選挙サイクルにおける中間選挙の年である。中間選挙の前哨戦として注目され、2025年11月に実施されたニュージャージー州知事選、バージニア州知事選、ニューヨーク市長選、および12月に実施されたマイアミ市長選では、いずれも民主党候補が勝利した。ロイター/イプソスによる世論調査では、トランプ大統領の支持率は2025年1月就任時の47%から昨年12月に39%まで低下していたが、トランプ政権によるベネズエラへの軍事攻撃とマドゥロ大統領の拘束後の1/6時点では42%まで戻している。それでも、過度に外国との紛争に関与することは、「アメリカ・ファースト」の米国第一主義から逸脱するものとしてトランプ氏の岩盤支持層からも批判が出てきている。
  • トランプ氏は建国250周年の節目にあたる今年7月の「独立記念日」に、実績をアピールして中間選挙にはずみをつける狙いがあるのではないかと考えられる。ここから半年間は、切れるカードを次々と切っていくことが考えられ、「トランプ劇場」で相場の変動性(ボラティリティ)が高まる展開が予想される。
  • そのような背景の下、パウエル米FRB(連邦準備制度理事会)議長は1/11、FRB本部の建物改修について昨年夏に行った議会証言を巡り、司法省から刑事訴追の可能性を示す大陪審への召喚状が届いたと明らかにした。政策金利の大幅引き下げを狙うトランプ政権により金融政策を決定する独立性がまさに危機に瀕している。それに加え、トランプ政権の追加関税に関する連邦最高裁判決も控えている。違憲判決が出た場合、関税収入の返還を迫られることになり、必要となる米国債増発の額も大規模になると想定される。これらは、米ドル安、米国債安(長期金利上昇)、金など貴金属の上昇要因になると考えられる。米国株については、長期金利上昇が大型ハイテク株やAI(人工知能)半導体・インフラ関連の売り材料になりやすいだろう。米ドル安は海外展開を行うグローバル企業にとってプラスの面も出てきそうだ。(笹木)

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(1/9現在)

主要企業の決算発表予定

  • 1月14日(水)
    シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカ
  • 1月15日(木)
    モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス・グループ、ブラックロック、JBハント・トランスポート・サービシズ
  • 1月16日(金)
    ステート・ストリート、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ、リージョンズ・ファイナンシャル、M&Tバンク

主要イベントの予定

  • 1月13日(火)
    • 米セントルイス連銀総裁が講演、米リッチモンド連銀総裁が討論会に参加、ワールド・フューチャー・エナジー・サミット開幕(アブダビ、15日まで)
    • 米CPI (12月)、 米ADP民間雇用者数(週次)、米新築住宅販売件数 (9、10月)、米財政収支(12月)
  • 1月14日(水)
    • 米フィラデルフィア連銀総裁と 米ミネアポリス連銀総裁が講演、米ニューヨーク連銀総裁が年次イベントで開会のあいさつ、デトロイトオートショー開幕(25日まで)
    • 米PPI (10、11月)、米小売売上高(11月)、米経常収支(3Q)、米中古住宅販売件数(12月)、米企業在庫(10月)
  • 1月15日(木)
    • 米リッチモンド連銀総裁が講演
    • 米新規失業保険申請件数 (1月10日終了週)、 米輸入物価指数(10、11月)、米ニューヨーク連銀製造業景気指数(1月)、対米証券投資(11月)
  • 1月16日(金)
    • 米ジェファーソンFRB副議長が金融カンファレンスで基調講演
    • 米鉱工業生産(12月)、 米NAHB住宅市場指数 (1月)
  • 1月19日(月)
    • キング牧師の日につき米国株式・債券市場が休場
  • Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

グローバルXビデオゲーム&EスポーツETF (HERO)NASDAQ 分配金:年2回(権利落6・12月)

  • ビデオゲーム開発・配信、ビデオゲーム・Eスポーツのストリーミング配信等を手掛ける企業に投資する「ソラクティブ・ビデオゲーム・アンド・Eスポーツ指数」に連動する投資成果を目指す。
  • 1/9終値で時価総額が1.08億USD、過去12ヵ月間の実績分配金利回りが1.57%。組入上位8銘柄はエレクトロニック・アーツ(EA)テイクツー・インタラクティブ・ソフトウェア(TTWO)ネットイース(NTES)、ネクソン(日本)、コナミグループ(日本)、ユニティ・ソフトウェア(U)ビリビリ(BILI)、任天堂(日本)。
  • 昨年末から1/12終値までの騰落率(除くインカムゲイン)は、同ETFが+3.3%に対し、ダウ工業株30種平均株価が+3.2%、S&P500株価指数が+1.9%。2026年は、2月の「ミラノ・コルティナ冬季五輪」にはじまり、3月に「2026ワールドベースボールクラシック(WBC)」、6月から7月にかけて「サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米大会」が開催されるなど、スポーツのビッグイベントが目白押しだ。

ファーストトラストIndxx航空宇宙・防衛ETF (MISL)NYSEArca 分配金:年4回(3・6・9・12月)

ネットフリックス (NFLX)NASDAQ 2026/1/21に2025/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1997年設立。テレビ番組・映画のインターネット配信のパイオニア。世界最大級のオンライン動画ストリーミングサービスであり、2025年1月末時点の全世界の有料会員数が3億人を突破した。
  • 10/21発表の2025/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比17.2%増の115.10億USD(会社予想115.26億USD)、EPSが同8.7%増の5.87USD(同6.87USD)。営業利益率は1.4ポイント低下の28.2%(同31.5%)。会員数増と広告収入が堅調の一方、ブラジルの税関連費用計上が響き営業減益。
  • 2025/12期4Q(10-12月)会社計画は、売上高が前年同期比16.7%増の119.60億USD、EPSが同27.6%増の5.45USD。今年3月に開催される野球の「2026ワールドベースボールクラシック(WBC)」の日本国内放映権の独占契約を締結。広告付き低価格プランとの相乗効果で広告収入の増加および利益率向上が見込まれる。足元の株価は昨年6月末の過去最高値から約33%下落した水準。

ヴァンエック・ウラン原子力ETF (NLR)NYSEArca 分配金:年1回(12月)

ロケット・カンパニーズ (RKT)NYSE 2026/2/11に2025/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1985年設立。ネット経由で「ロケット・モーゲージ」ブランドの住宅ローンを提供。アプリからの申請書提出で融資の申し込みが可能。不動産や個人向け融資、自動車販売など補完事業も営む。
  • 10/30発表の2025/12期3Q(7-9月)は、非GAAPの調整後売上高が前年同期比34.8%増の17.83億USD(会社予想16.00-17.50億USD)、調整後EBITDAが同22.0%増の3.49億USD。ローン組成完了額が14%増の324億USD、ローン売却利益マージンが0.02ポイント上昇の2.80%と、堅調に推移。
  • 2025/12期4Q(10-12月)会社計画は、調整後売上高が前年同期比77-94%増の21-23億USD。同社は2027年の住宅ローン借り換え市場のシェア目標を20%とする中、昨年7月に不動産仲介のレッドフィンを17.5億USDで、10月に金融サービスのミスター・クーパーを94億USDで買収完了。トランプ米大統領は1/10、住宅ローン金利引下げ目的で2000億USD相当の住宅ローン買入れ指示を示唆。

シンボティック (SYM):NASDAQ 2026/2/5に2026/9期1Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値 (陰線)」なら緑、「始値<終値 (陽線)」なら赤。
  • 2007年設立。小売・消費企業向けを中心に、AI(人工知能)活用ソフトウェアにより完全自律型移動ロボットが荷物の取得・梱包等を行う倉庫自動化システム「シンボティック・システム」を構築・運用。
  • 11/24発表の2025/9期4Q(7-9月)は、売上高が前年同期比9.5%増の6.18億USD(会社予想5.90-6.10億USD)、非GAAPの調整後EBITDAが同15.7%増の0.49億USD(同0.45-0.49億USD)。調整後粗利益率が4.2ポイント上昇の22.1%。物流業界の人手不足や効率化需要を背景に業績を拡大した。
  • 2026/9期1Q(10-12月)会社計画は、売上高が前年同期比25-29%増の6.10-6.30億USD、調整後EBITDAが同2.7-3.0倍の0.49-0.53億USD。同社の顧客には、ウォルマート(WMT)を筆頭に、ターゲット(TGT)など主要大手小売企業が名を連ねる。同社は人手不足、物流施設の運営費用増、過剰在庫等の経営課題へのソリューションを提供。顧客企業の業績改善が自社の成長に繋がっている。
  • 決算発表の予定は現地1/9現在であり、変更される可能性があります。

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