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1月は銘柄物色の「グレート・ローテーション」の動向に注目

2025/12/30

提供:フィリップ証券株式会社

リサーチ部:笹木 和弘

2025年9月「銘柄ピックアップ」振り返り

2025年9月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から12/19終値までの騰落率上位6銘柄のうち、地球観測衛星の運用と衛星画像データを政府等に提供するプラネット・ラブズPLに加え、トランプ政権がリチウムを重要鉱物とみなし生産強化に動いていることが追い風のアルベマールALBが上位を占めた。AI(人工知能)関連ではAI半導体・インフラ銘柄が調整局面となった一方、ソフトウェア分野のユーアイパスPATHが堅調に推移。メーシーズMウォルマートWMTなど小売関連も好調だった。

米国「K字経済」は「k」から「K」へ

米ミシガン大学が12/5に発表した12月の消費者信頼感指数(速報値)は11月の確報値から2.3ポイント上昇。改善したものの2022年半ば付近水準にとどまり、物価高と労働市場を巡る懸念は続いている。

米市場関係者の間では「経済は小文字のkから大文字のKへと移行した」ということが言われ始めた。「k」の上向きの線と下向きの線は、相反する方向に進む集団を表し、富裕層は上向きで繁栄を、その他の層は下向きで苦境を表す。大文字のKになると上向きの線がより目立つことから、資産価格の上昇による効果で富裕層が恵まれるようになったことを意味する。一方、下向きの線は貧困層だけでなく中間層も含むようになった面もある。小売り銘柄の中でも、1ドルショップと高級ブランドの主要銘柄がそれぞれ堅調に推移している。

米機関投資家は強気ポジション

NAAIMエクスポージャー指数とは、全米アクティブ投資マネージャーズ協会(NAAIM)の会員が毎週水曜日に協会に対して全体的な株式エクスポージャーを表す数値を報告、集計したもの。中長期的にはその値が80%超えになると「過度の楽観」、20%を下回ると「過度の悲観」と捉えられる傾向がある。

2025年は5/21以降、80%超〜100%近辺の高水準で推移し、12/10現在97.13%となっている。米バンク・オブ・アメリカが12/16公表した12月の機関投資家調査(5-11日に実施)でも機関投資家の現金保有比率が3.3%と過去最低水準にある。市場参加者は引き続き楽観的な投資姿勢を維持しているものの、最近の動向から見て同指数が80%を割り込めば、米S&P500指数が下落しやすくなると考えられる。

金に続く銀・プラチナの価格高騰

CMX(COMEX)金先物価格の12/12終値は昨年末比で約64%上昇。同じ貴金属でCMX銀先物は112%上昇、CMXプラチナ先物は94%上昇と、金先物の上昇率を上回った。銀とプラチナは安全資産としての投資需要に加え、景気連動の産業需要が価格を押し上げている。銀は太陽光パネルやAI(人工知能)データセンター向け、プラチナは自動車触媒や水素エネルギー向けの需要が高まっている。銅についても電力インフラ需要拡大と米国のトランプ関税対応による在庫急増が他地域の供給をひっ迫させている。

他方、原油先物はロシアとウクライナの和平交渉など地政学リスク低下期待から売られているものの、ウクライナ復興需要期待に加え、インフレ時に上昇しやすいことから投資好機の面もあるだろう。

米国の利下げと長期金利の関係

12/9-10に開催された米FOMC(連邦公開市場委員会)で0.25%ポイントの利下げが決定。AI(人工知能)関連やハイテク銘柄を中心に高PER(株価収益率)で金利低下の恩恵を受けやすいグロース銘柄は米国株市場で堅調に推移し、市場参加者の中からも「クリスマスラリー」到来への期待が高まっている。

政策金利の利下げが実施されても米長期金利が低下するとは限らない。昨年の9月から昨年末までの3回にわたる合計1.0%ポイントの利下げ局面では長期金利が上昇していた。経済指標では雇用の弱さが目立つものの、今回もインフレが懸念される中での利下げに対し、債券市場で長期債が売られる可能性がある。グロース銘柄は長期金利上昇に対し弱い傾向があることから要注意だろう。

米国株はバイオシフトの可能性

米半導体銘柄を代表するフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は、AI(人工知能)関連の過剰投資が懸念され、10月下旬以降は調整下落局面にある。一方で、バイオ医薬品開発企業から構成されるナスダック・バイオテクノロジー指数は堅調に推移。米半導体大手エヌビディアNVDAの株価がSOX指数と同様のタイミングで調整下落局面となる中、製薬大手イーライ・リリーLLYの時価総額、11月に1兆ドルを突破した。

バイオ技術分野で米国と激しい覇権争いを繰り広げる中国ではハンセン・バイオテック指数がハンセン指数をアウトパフォームしている。トランプ米政権がバイオ医薬品業界の国際競争力を維持・強化するため一連の改革を推進していることは米バイオ関連銘柄へ追い風だろう。

フィリップ証券株式会社

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