2025年8月「銘柄ピックアップ」振り返り
2025年8月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から11/24終値までの騰落率上位6銘柄のうち、AI(人工知能)に学習させる膨大なデータの扱い方に関連したモンゴDB(MDB)に加え、データ通信の高速化・省電力化に関する光通信の素材を扱うコーニング(GLW)が上位を占めた。AIによるデータ処理の動力となる電力や発電機に関連したカミンズ(CMI)やエクセル・エナジー(XEL)、およびAIを活用したソフトウェア・プラットフォームのアップラビン(APP)も堅調に推移。小売り関連でTJX(TJX)は低価格販売の独自の事業モデルに特徴がある。
【2025年8月「銘柄ピックアップ」振り返り〜AI関連銘柄への追い風は続く】
ビットコインは米国株の先行指標
代表的な暗号資産であるビットコイン(日次終値)は10/6に12万6250ドルの史上最高値まで上昇後、11/21に8万0553ドルまで下落。2024年4月に新規発行量が半分になる「半減期」が訪れてから1年半経過し、相場のアノマリー(経験則)から下落局面入りが警戒されていた中、強気相場が継続していた。米FRB(連邦準備理事会)のパウエル議長が10/29、FOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見で利下げ観測を牽制したことからビットコイン価格の下落が加速。アノマリーが再注目された。
ビットコイン価格と米国株のS&P500指数はリスク資産として同様の値動きをたどる傾向がある中、今年1-3月にビットコイン価格の下落が先行し、S&P500指数の下落が後に続いた。先行指標として注目される。
【ビットコインは米国株の先行指標〜今年1月から3月と類似した展開か】
ビットコインの半減期アノマリー
代表的な暗号資産のビットコインには約3年10〜11ヵ月ごと(1ブロック約10分に対して21万ブロックごと)に発生する「半減期」の仕組みがある。半減期とは「マイニング」によって得られる報酬の新規発行量が半分に減少するイベント。ビットコインは、あらかじめ流通量の上限が2100万ビットコインに設定されているため、需給バランスを調整し、希少性を保つために半減期が設定されている。
ビットコイン相場と2016年および2020年の半減期との関係を見ると、@16年7月半減期〜17年末、A20年5月半減期〜21年11月と、それぞれ約1年半の上昇後、短期間で大幅下落に見舞われた。B24年4月の半減期についても、同様に1年半後の今年10月、現時点ではピークアウトを示しつつある状況だ。
【ビットコインの半減期アノマリー〜株式市場も巻き込まれ約4年ごと調整】
米バークシャー保有銘柄の動向
著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社の米バークシャー・ハサウェイが11/14に2025年9月末時点の保有銘柄リストを米証券取引委員会(SEC)に提出。バークシャー保有上場株において最大の投資銘柄のアップル(AAPL)は保有株式数を約15%減らした。バフェット氏はアップル製品のブランド価値を高く評価していたが、クックCEOの来年退任を巡る報道が取り沙汰され、トップ交代に備えて慎重となっている可能性もある。
他方、グーグル親会社のアルファベット(GOOGL)のAクラス株を新たに取得した。アルファベットはAI(人工知能)半導体を内製化できるほか、傘下のディープマインド社が深層学習を主導する先駆者でもあることなど、AIに関する潜在的価値が評価されていると考えられる。
【米バークシャー保有銘柄の動向〜アルファベット買い・アップル売りが鮮明】
メタ・プラットフォームズとアルファベット決算
「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる米大手ハイテク株のうち、アルファベット(GOOGL)とメタ・プラットフォームズ(META)が10/29の取引終了後に7-9月期決算を発表。アルファベットは、前年同期比16%増収、純利益が33%増益。その中でもクラウドコンピューティング事業が34%増収、85%営業増益と伸長。同社傘下のディープマインド社はAI(人工知能)の中核を成す深層強化学習のパイオニア的存在。アルファベットは高いAI技術を背景にネット広告でも競争優位性を保っている。
メタ・プラットフォームズは前年同期比26%増収、税務関連一時費用の影響を除く調整後純利益が19%増。広告事業が堅調の一方、データセンターやAI関連設備への投資拡大により総経費が大幅増の見通し。株価にはネガティブだろう。
【メタ・プラットフォームズとアルファベット決算〜7-9月期決算発表後の株価は好対照】
アマゾン・ドット・コムのAWS事業
アマゾン・ドット・コム(AMZN)が10/30発表した2025年7-9月決算は、生成AI(人工知能)向け需要が伸び、クラウド事業が2割増収と好調だったこともあり、売上高が前年同期比13%増、純利益が38%増。3四半期ぶりに最高益を更新。クラウド事業の営業利益は全社の約6割に達した。7-9月期の設備投資はデータセンター建設や半導体購入が増えて前年同期比で6割増の342億USD。10-12月期も約350億USDを見込んでいる。
営業キャッシュフローが堅調に推移する中、資本支出額が四半期ごとに拡大し、フリーキャッシュフロー(FCF)の減少傾向が続いている。フリーキャッシュフローは理論株価を計算する上で重要であり、株価上昇のためにはFCFの減少に歯止めがかかることが必要と考えられる。
【アマゾン・ドット・コムのAWS事業〜設備投資と営業利益の拡大が好循環】