主にAI関連銘柄の割高感や景気指標の悪化などを背景に、米国株市場が揺れている。米国株市場のテクニカル指標の一つで、市場の急落やクラッシュの可能性を示唆するシグナルとされる「ヒンデンブルグ・オーメン」が10/29以降、11/7までに4回程度発生し、米国の市場関係者の間で話題となっている。この指標は、1937年のヒンデンブルク飛行船爆発事故にちなんで名づけられ、1980年代に数学者のJim Miekka氏によって開発されたとされる。
主な条件は以下の4つで、これら全てが同時に満たされるとシグナルが点灯する。@NYSE(ニューヨーク証券取引所)で直近52週間の高値更新銘柄数と安値更新銘柄数がいずれもその日の値上がり・値下がり数の合計の2.8%以上に達する。ANYSE総合指数(NYSE上場全普通株を対象とする調整時価総額加重平均指数)が50営業日前の価格を上回る。B値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の差の動向に基づき短期的騰勢を示す「マクラーレン・オシレーター」の値がマイナスである。C52週間の高値更新銘柄数が安値更新銘柄数の2倍を超えない。
株価指数が上昇トレンドを維持する中、高値更新銘柄と安値更新銘柄が同時に多数発生することは、市場の「不健全な分裂」として天井圏における相場の内部的な弱さを示すとみなすのが基本的な考え方である。過去の経験上、1回の点灯では「ダマシ」に終わることが多いが、短期間に複数回発生する「クラスター化」により大幅下落への警告としての信頼性が一層高まるとされる。
S&P500株価指数との相関が高い暗号資産のビットコインは、今年1〜2月頃、S&P500が高値更新を続ける中で先行して下落トレンドに転じ、3月以降、S&P500がその後に続いた。今年10月も同様にビットコインが下落傾向を強めており、S&P500がその後に続く懸念は残る。
米議会上院は11/9、連邦政府機関の閉鎖を終わらせるための法案を前進させる手続き上の表決を実施し、可決。政府機関閉鎖の終結に向けて前進が見られたものの、1年後に中間選挙を控え、失効が迫る医療保険制度改革法(オバマケア)保険料補助金の延長を含まない合意案を民主党指導部が受け入れるかどうかは予断を許さない。また、11/4投開票のニューヨーク市長選では、急進左派の民主党候補マムダニ氏が賃貸住宅の値上げ凍結や高所得者層への増税を公約に掲げて当選。不動産価格への影響を懸念する声が高まりそうだ。
ドリスコル米陸軍長官は11/7、米陸軍が今後数年で最低100万機の無人機(ドローン)を購入すると表明。年5万機程度の現状から大幅に増やす。ドローンに関連する部品の国内生産を急ぎ、商業用にも使えるドローンを生産する企業と協力する方針だ。小型のドローン装備が重要との見解も示している。(笹木)