2025年4月「銘柄ピックアップ」振り返り
2025年4月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から7/28終値までの騰落率上位6銘柄のうち、ハウメット・エアロスペース(HWM)、GEエアロスペース(GE)、ボーイング(BA)、ハイコ(HEI)など、航空・宇宙関連のメーカーおよびエンジンなど航空基幹部品関連の企業が上位を占めている。関税交渉でボーイング機の購入を約束した国が多かったことが背景にある。その中で1位となったのがセメントメーカーのセメックス(CX)。関税交渉で米国投資を増やす約束をした国が多かったことも要因だろう。
2025年4月「銘柄ピックアップ」振り返り〜関税交渉トランプ・ディール成果
米GENIUS法とAIアクションプラン
暗号資産で米ドルに価値を連動させる「ステーブルコイン」の普及を目指す「GENIUS法」が7/18に成立。ステーブルコイン「USDC」の発行元のサークル社の傘下で、関連インフラを提供するサークル・インターネット・グループ(CRCL)が6/5に新規上場。暗号資産関連ではビットコインのマイニング事業を展開するライオット・プラットフォームズ(RIOT)、暗号資産取引サービスを提供するコインベース・グローバル(COIN)やロビンフッド・マーケッツ(HOOD)の株価が堅調に推移している。
トランプ米大統領は7/23、米国のAI(人工知能)関連国家戦略「AIアクションプラン」を発表。米国防総省でのAI導入はパランティア・テクノロジーズ(PLTR)にとって、位置情報を使う半導体輸出管理強化はブロードコム(AVGO)にとって追い風だ。
米GENIUS法とAIアクションプラン〜暗号資産拡大と安全保障へのAI活用
米財政赤字は関税で改善するか?
米財務省が7/11に発表した6月の財政収支は270億ドルの黒字。増加傾向にある関税収入の寄与により、6月の歳入は前年同月比13%増の5260億ドルと、6月としては過去最高を記録。一方、歳出は7%減の4990億ドル。25会計年度(24年10月〜25年9月)の6月まで9ヵ月累計財政赤字は、医療費、社会保障費、国防費、債務利払いの増加を背景に5%増の1兆3370億ドルと、改善の兆しは見えない。
トランプ米大統領は8/1から相互関税の新たな関税率を発動させる予定。それに伴い実効税率がさらに上がる可能性がある。大規模減税・歳出法が7/4に成立したこともあり、歳入における関税の位置付けは米連邦政府にとってますます重要になるだろう。交渉による税率引き下げも時間の経過とともにハードルが高くなるだろう。
米財政赤字は関税で改善するか?〜6月単月黒字は直近6年間で初
S&P500構成銘柄の四半期騰落率
S&P500構成銘柄の終値に基づく25年3月末〜6月末の騰落率上位40銘柄およびそれらの24年末〜25年3月末の騰落率からは、24年末〜25年3月末に不振だったハイテク・半導体、データセンター関連銘柄が上位に来ていることがわかる。中国AI(人工知能)企業DeepSeekが1月に発表した低コスト・高性能AIモデルが米AI関連企業の株価を急落させた反動で、株価が持ち直した影響が窺われる。
24年末〜25年3月末、25年3月末〜6月末ともに株価が堅調に推移した銘柄は、先行き不透明な相場環境の中で、外部環境に影響されにくい銘柄として相対的に有望な面もあるだろう。パランティア・テクノロジーズ(PLTR)、ハウメット・エアロスペース(HWM)、モザイク(MOS)、ダラー・ゼネラル(DG)が注目される。
S&P500構成銘柄の四半期騰落率〜1-3月と4-6月とも堅調銘柄は少ない
ダウ平均構成銘柄の四半期騰落率
ダウ工業株30種平均構成銘柄(終値)について、@24年末〜25年3月末、A25年3月末〜25年6月末のそれぞれの騰落率を見ると、@の上位銘柄がAで下位となる騰落順位の入れ替えが起こった。トランプ関税を巡る不透明感により、4/2発表の相互関税の適用が7/9まで猶予されたことを受けて、@で下落した銘柄ほどAで大きく反発したとみられる。
Aで多くの大型ハイテク株が堅調に推移した中、アップル(AAPL)は@・Aともに株価が軟調に推移。AI(人工知能)への取組みの遅れを挽回すれば反転上昇の余地があると考えられる。一方、テクノロジー銘柄の中でもIBM(IBM)やシスコシステムズ(CSCO)は@・Aを通じて堅調に推移。「ハイテク・ディフェンシブ」としての安定感が注目される。
ダウ平均構成銘柄の四半期騰落率〜1-3月と4-6月で一変、アップル不振
S&P500配当貴族指数と構成銘柄
「S&P500配当貴族指数」は、S&P500指数構成銘柄のうち25年以上連続増配銘柄を対象とした均等加重型の指数。時価総額30億USD以上、かつ1日当たり平均売買代金が500万USD以上の優良大型株から構成。野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS S&P500 配当貴族指数連動型ETF(364A)」が6/11に東証に新規上場。S&P500配当貴族指数の構成銘柄は同ファンド開示情報から窺われる。
S&P500配当貴族指数は、フィラデルフィア半導体株指数と比較すると価格変動が小さい点に特徴がある。半導体関連が買われ過ぎたところでS&P500配当貴族指数に連動したETFあるいはその構成銘柄へ資金をシフトし、半導体関連が売られるまで待機するような投資戦略も検討の余地があるように思われる。
S&P500配当貴族指数と構成銘柄〜半導体関連からディフェンシブ・シフト