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“ブラックフライデーは好調、米国株の2つの「偏り」は要警戒”
“ブラックフライデーは好調、米国株の2つの「偏り」は要警戒”
2024/12/3
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘
“ブラックフライデーは好調、米国株の2つの「偏り」は要警戒”
- 感謝祭翌日の「ブラックフライデー」恒例の大幅値引きに対する消費者の反応は好調の模様だ。アクセス解析ツールのアドビアナリティクスは、11/29のオンライン購入額は前年比9.9%増の108億USD(過去最高)になると予想。背景には、トランプ次期政権で貿易関税が幅広く課されれば物価が上昇することを予想した消費者が値引きセールでまとめ買いをしようとしたこともありそうだ。「トランプ関税」前の駆け込み消費で11月の小売売上高、およびウォルマート(WMT)をはじめとした大手小売関連企業の足元の業績が上振れる可能性があるだろう。
- 米国ウィークリー2024年8月14日号「米国株上昇の原動力だった2つの『偏り』の動向を占う」上で、第1に、大型ハイテク株への偏りとして時価総額上位7銘柄の「マグニフィセント7」合計時価総額の対S&P500株価指数銘柄全体の合計時価総額に対する比率の高さについて述べた。日次終値ベースで昨年1/5に18.7%まで低下後。今年7/10に34.4%の史上最高水準まで上昇した。その後はやや低下したものの、11/29は31.3%の高水準にある。第2に、米国上場全株式の時価総額合計を米国の名目GDP(国内総生産)で割った割合(%)を示す「バフェット指数」の月末推移について述べた。21年11月の過去最高水準222.67から、22年9月の152.16まで低下した後、反転して今年11月に216.79に上昇した。
- これらの事実は、米国株を巡る偏りが緩和する方向ではなくますます進行していることを示しており、高値からの売りを警戒すべき局面にあることを示している。それでも政府の財政支出拡大や中央銀行による金融緩和などを通じた流動性の供給が続く限り、株価下落も一時的にとどまると考えられる。世界主要国のマネーサプライ(M2)の合計金額を指数化したグローバルマネーサプライ指数(M2)の日次推移を見ると、今年9/30に108.51の史上最高水準に達した後、11月末に105.33に低下している。
- フランスで9月に発足したバルニエ政権が、年内成立を目指して提出した来年度予算案を巡って政権崩壊の危機を招いている。歳出削減や増税といった内容の法案を通すことが難しい一方で、財政赤字の対GDP比率に改善の見通しが立たなければフランス国債が売られ、かつてのユーロ危機再来といった金融市場が混乱することも懸念される。このように、財政支出拡大によるマネーサプライ供給はフランスに限らず、世界的に限界に達しつつある可能性がある。
- 2020年の新型コロナ禍以降に株価が大幅上昇した情報技術(IT)・金融技術(フィンテック)関連銘柄には、21年頃に付けた過去最高値から、失望売りにより数年かけて大幅に株価が下落した銘柄が見られる。財務改善と業績の裏付けを伴い、株価回復基調にある銘柄は投資チャンスとして注目される。(笹木)
- 12/3号は、オートデスク(ADSK)、アンバレラ(AMBA)、ジェイビル(JBL)、ペイパル・ホールディングス(PYPL)、ブロック(SQ)、トレードデスク(TTD)を取り上げた。
S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄騰落率(11/29現在)
| 12月3日(火) | マーベル・テクノロジー、セールスフォース |
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| 12月4日(水) | シノプシス、ホーメルフーズ、ザ・キャンベルズ・カンパニー、ダラー・ツリー |
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| 12月5日(木) | ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、アルタ・ビューティ、ルルレモン・アスレティカ、クーパー、ブラウン・フォーマン、ダラー・ゼネラル、クローガー |
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| 12月9日(月) | モンゴDB
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| 12月2日(月) | - 米サイバーマンデー(感謝祭翌週の月曜日)、 米ニューヨーク連銀総裁と米ウォラーFRB理事が会議で基調講演
- S&Pグローバル米製造業PMI・改定値(11月)、 米建設支出(10月)、米ISM製造業景況指数(11月)
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| 12月3日(火) | - 米クーグラーFRB理事が講演、米シカゴ連銀総裁が会議で閉会の辞、NATO外相会合(4日まで)
- 米自動車販売(11月)、 米求人件数(10月)
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| 12月4日(水) | - 米パウエルFRB議長がニューヨーク・タイムズ(NYT)紙主催「ディールブック・サミット」の討論会で発言、米セントルイス連銀総裁が講演、米地区連銀経済報告(ベージュブック)
- S&Pグローバル米サービス業・総合PMI・改定値(11月)、米ADP雇用統計(11月)、米耐久財受注(10月)、米製造業受注(10月)、米ISM非製造業総合景況指数(11月)
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| 12月5日(木) | - 米新規失業保険申請件数(11月30日終了週)、 米貿易収支(10月)
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| 12月6日(金) | - 米ボウマンFRB理事と米クリーブランド連銀総裁が講演、米シカゴ連銀総裁と米サンフランシスコ連銀総裁が討論会で発言
- 米雇用統計(11月)、 米ミシガン大学消費者マインド指数・速報値(12月)、米消費者信用残高(10月)
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| 12月9日(月) | - 米卸売売上高・在庫(10月)、米ニューヨーク連銀1年先インフレ期待調査
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- 1982年設立。汎用CADソフトウェア「AutoCAD」などを提供。「建築・エンジニアリング・施工(AEC)」、「AutoCAD・AutoCAD LT」、「製造(MFG)」、「メディア・娯楽(M&E)」の4つの製品別セグメントを展開。
- 11/26発表の2025/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比11.0%増の15.70億USD(会社予想:15.55-15.70億USD)、非GAAPの調整後EPSが同4.8%増の2.17USD(同:2.08-2.14USD)。企業のデジタル変革(DX)需要増を背景に、継続課金の請求額(Billings)は同28%増、前四半期比で24%増。
- 通期会社計画は、Billingsを前期比14-15%増の59.0-59.8億USD(従来計画58.8-59.8億USD)へ上方修正。売上高が前期比約11%増の61.15-61.30億USD、調整後EPSが同9-10%増の8.29-8.35USDと従来計画を据え置き。同社はソフトウエア業界でのCFO(最高財務責任者)およびCOO(最高執行責任者)経験豊富なムーアジャニ氏を12/16付けで新CFOに任命すると発表。経営手腕が期待される。
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アンバレラ(AMBA)市場:NASDAQ・・・2025/2/27に2025/1期4Q(11-1月)の決算発表予定
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- 2004年設立の半導体関連企業。デバイス内で処理を行うエッジ人工知能(AI)、画像信号処理、ビデオ圧縮を提供する低電力システムオンチップ(SoC)半導体を幅広い先端分野用途向けに開発。
- 11/26発表の2025/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比63.4%増の82百万USD(会社予想:77-81百万USD)、非GAAPの調整後粗利益率が同横ばいの62.6%(同:62.5-64.0%)、調整後EPSが前年同期の▲0.28USDから0.11USDへ黒字転換。AIを活用した高価格帯の新製品の売上が伸びた。
- 2025/1期4Q(11-1月)会社計画は、売上高が前年同期比47-55%増の76-80百万USD、調整後粗利益率が61.5-63.0%(前年同期62.5%)。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」、および自動車分野の先進運転支援システム(ADAS)など新製品が牽引する見通し。株式市場で投資の注目分野とされるエッジAIの売上比率が全体の約70%に達することから、エッジAI関連銘柄として注目されそうだ。
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ジェイビル(JBL)市場:NYSE・・・2024/12/13に2025/8期1Q(9-11月)の決算発表予定
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- 1966年設立。幅広い業界に電子機器に係る様々なサービスを一括で請け負う「電子機器受託製造サービス(EMS)」、および電子機器以外の「多様化受託製造サービス(DMS)」の2部門を展開。
- 9/26発表の2024/8期4Q(6-8月)は、売上高が前年同期比17.7%減の69.64億USD(会社予想:63-69億USD)、非GAAPのコアEPSが同6.1%減の2.30USD(同:2.03-2.43USD)。通期では売上高が前期比16.7%減、コアEPSが同1.6%減となる中でも調整後フリーキャッシュフローが同2.8%増の10.55億USD。
- 2025/8通期会社計画は、売上高が前期比6.5%減の270億USD、コア営業利益率が同0.1ポイント低下の5.4%、コアEPSが同1.9%増の8.65USD。減収減益にもかかわらずキャッシュフローを確保できる強みとして、異なる市場・業種に対応可能な製造インフラを擁し、高利益率の市場に経営資源を迅速にシフトできることが挙げられる。米中対立に伴う供給網分断リスクは追い風となる可能性がある。
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- 1998年設立の電子決済サービス企業。利用者が事業者にクレジットカード番号等を伝える必要がない点に強み。Eコマースやホテル・飲食店での予約・事前決済など個人・法人向けで利用される。
- 10/29発表の2024/12期3Q(7-9月)は、営業収益が前年同期比5.8%増の78.47億USD(会社予想:1桁台半ばの伸び率)、非GAAPの調整後EPSが同22.4%増の1.20USD(同:1桁台後半の伸び率)。稼働口座数が同0.9%増にとどまるも1口座当たり取引件数の増加により決済総額が同9%増へ拡大。
- 通期会社計画を3ヵ月前に続いて上方修正。調整後EPSを前期比10%台後半(従来計画:同10%台前半~半ば)の伸び率とした。昨年9月就任のクリス新CEOが打ち出した変革の一環で引き続き合理化に注力し財務改善が進む中で昨年10月安値から株価は約77%上昇したもののも、21年7月高値からは約72%下落。予想PERも18倍台。米トランプ次期政権下で金融の規制緩和が期待される。
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- 2009年に設立。米国・カナダ・日本など幅広い地域で個人事業主から幅広い規模の企業まで対象としてモバイル決済ソリューションを提供のほか、個人向けの金銭管理アプリ「Cash App」も提供。
- 11/7発表の2024/12期3Q(7-9月)は、粗利益が前年同期比18.4%増の22.5億USD(会社予想:22.2億USD)、非GAAPの調整後営業利益が同393%増の4.44億USD(同:3.20億USD)。粗利益の内訳はSquare事業が同16%増、Cash App事業が暗号資産の収益貢献もあり同21%増の13.1億USD。
- 通期会社計画を上方修正。調整後営業利益を前期比344%増の15.6億USD(従来計画3.5億USD)とした。粗利益は前期比18.5%増の88.9億USDと従来計画を据え置いた。ジャック・ドーシーCEOは、ビットコインのマイニング事業および自社管理ウォレット「ビットキー」への投資を強化する方針を発表した。株価は昨年10月安値から約2.4倍上昇も21年8月高値から約67%下落水準にとどまる。
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(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。
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- 2009年設立。デマンドサイドプラットフォーム(DSP)と呼ばれる広告向けソフトウエアプラットフォームを運営。AI(人工知能)を広告に活用し、広告主向けに効率的な広告提供で収益化を実現する。
- 11/7発表の2024/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比27.4%増の6.28億USD(会社予想:6.18億USD)、非GAAPの調整後EBITDAが同28.5%増の2.57億USD(同2.48億USD)、調整後EPSが同24.2%増の0.41USD。顧客契約更新率が10年連続で95%超を維持し、3Qも同水準で推移した。
- 2024/12期4Q(10-12月)会社計画は、売上高が前年同期比24.8%増の7.56億USD、調整後EBITDAが同27.8%増の3.63億USD。同社が強みを有する「パブリッシャー直接取引」が取引手数料の透明性を高めている。更に、同社が開発した、新しい広告識別子「Unified ID 2.0」は個人情報保護の観点からサードパーティCookie廃止の潮流の中で代替需要にとどまらず業界の標準となりつつある。
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- (※)決算発表の予定は現地11/29現在であり、変更される可能性があります。
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