24年6月「銘柄ピックアップ」振り返る
今年6月分の米国ウィークリー「銘柄ピックアップ」について掲載直前週末終値から9/24終値までの騰落率上位6銘柄を見ると、生成AI(人工知能)関連はAIプラットフォーム「ワトソン」のIBM(IBM)が好調。データセンターの電力問題を反映してGEベルノバ(GEV)やコンステレーション・エナジー(CEG)は堅調。新興ランニングシューズ・ブランドで脚光を浴びるオン・ホールディングズ(ONON)や南米のデジタル金融拡大を追い風としたヌー・ホールディングズ(NU)も躍進。通信大手AT&T(T)は高配当利回り・ディフェンシブの代表格だろう。
24年6月「銘柄ピックアップ」振り返る~ディフェンシブ中心も新興企業も台頭
米雇用は広義の失業率(U6)上昇
米国現地18日、米FOMC(連邦公開市場委員会)で政策金利の0.50ポイント引下げが決定。前日発表の8月の小売売上高が市場予想外に堅調だったことから0.25ポイントの小幅引下げにとどまるとの見方が根強かった中で、パウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長は「失業率は上昇も依然低い水準」としながらも大幅引き下げの根拠の一つとして「労働市場は過剰なひっ迫から冷え込んだ」と述べた。
8月の雇用統計における失業率は前月比0.1ポイント低下(4.2%)だったものの、「現状は仕事を探していないが過去12ヵ月間で求職活動を行った者」および「フルタイムを希望していてもパートタイムで妥協している者」を含めた「広義の失業率(U6)」は8月が前月比0.1ポイント上昇の7.9%へ悪化している点は重要だろう。
米雇用は広義失業率(U6)上昇~フルタイム雇用悪化で実質的に厳しさ増す
米国株のディフェンシブ・シフト
米国株市場は生成AI(人工知能)関連の半導体や大型ハイテク株に牽引されて今年7月半ばまで堅調に推移。代表的株価指数のS&P500は7/16に史上最高値5669ポイントを付けた後、8/5まで約1割下落から8月26日と30日に史上最高値まで一時接近。その後は高値圏での推移だ。
終値で7/16から9/10までS&P500構成銘柄の騰落率上位と下位を見ると、上位ではヘルスケア、飲食、防衛関連が目立つ。ヘルスケアは医療施設が低所得者向け公的医療保険(メディケイド)追加支払い地域拡大を追い風とする。他方、今まで主力だった半導体関連の主力銘柄が軒並み下位に低迷と、生成AIに関する投資家の関心が急速に失せている。更に、低所得者向けのディスカウントストアも大きく売られるなど、消費の厳しさも窺われる。
米国株のディフェンシブ・シフト~7月中旬以降半導体・ハイテクと対照的
ガートナーの「ハイプ・サイクル」
米調査会社ガートナーが8/21、「先進技術におけるハイプ・サイクル2024年度版」を発表。ハイプ・サイクルは2000を超える技術と応用フレームワークから先進テクノロジーとその成熟度を図でまとめたもの。先進的技術が「黎明期」から「過度な期待」「幻滅」「最終的な安定普及」といった共通パターンを経て定着することから、それぞれの技術がハイプ・サイクルのどこに位置するのかを示している。
生成AI(人工知能)は「過度の期待のピーク期」と「幻滅期」の境界線に位置付けられ、現在の大きな期待値に対し今後はネガティブな側面に目が向きやすいとされる。他方、生成AIの前に一世風靡したメタバース(インターネット上に構築される3Dの仮想空間)やAR(拡張現実)は「幻滅期」から「啓発期」に差し掛かる。
ガートナーの「ハイプ・サイクル」~「生成AI売り-メタバース買い」トレンドも
西暦偶数年の米国株・秋の動向
9月までの米国株相場は堅調に推移。ダウ工業株30種平均は9/19、史上最高値更新中となるなか、4年毎の米大統領選を11月上旬に控えて先行き不透明感からの警戒が広がるのかどうか予断を許さない面は残る。連邦議会の中間選挙も同じ時期に行われる。米国の財政年度が9月最終月であることに加え、夏のドライブシーズンが終わることから元々9月に株価軟調となりやすいとされていた。
S&P500指数(終値)について2012年以降2年毎の年初からの日次推移を見ると、急激な金融引締め局面だった2022年を除けば、2014年、16年、18年、20年と、10月近辺で年初と同水準。18年を除けばその後年末に向けて上昇するものの、今年は9月まで年初来騰落率が特に高いことから調整あれば要注意だろう。
西暦偶数年の米国株・秋の動向~大統領選と中間選挙年における季節性
長期・積立・定額投資とドル円相場
新NISAのつみたて投資枠のような「長期・積立・定額投資」で、現在1万円の基準価格の投資信託に毎月1万円ずつ10年間積み立て投資を行うとした場合、価格が毎月50円ずつ値上がりして10年と1ヶ月後に1万6000円になる「直線右肩上がりパターン」よりも、価格が毎月100円ずつ値下がりして5年と1ヶ月後に4000円まで下落後、5年間は反対に毎月100円ずつ値上がりして、結局10年と1ヶ月後に元の1万円に戻る「下に凸の谷・V字」の「往って来い」パターンのほうがパフォーマンスが良いことが分かる。
海外株価指数に連動するインデックス投信は為替相場も考慮する必要があるなか、ドル円相場は約9年ごとに「下に凸の谷・V字」のサイクルを形成する傾向があるように見受けられるのは興味深い。
長期・積立・定額投資とドル円相場~ドル円相場の約9年ごと下に凸周期

