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“8月は「グレート・ローテーション」と「トランプ・トレード」に注目”

2024/8/1
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

24年4月「銘柄ピックアップ」振り返る

24年4月「銘柄ピックアップ」振り返る~療関連ディフェンシブ銘柄上位

米共和党の政策綱領発表

  • 米共和党のトランプ前大統領の選挙陣営は7/8、同党の2024年政策綱領が党全国委員会で承認されたと発表。厳しい国境措置や減税、中国との恒久的正常貿易関係(PNTR)撤回などこれまでトランプ氏が公言していた内容が反映された。関税による輸入物価上昇と移民規制に伴う人手不足、減税による財政拡大がインフレに繋がるとの見方が強いなか、エネルギーコスト低下とウクライナ情勢解決に伴う穀物価格下落はインフレ抑制に繋がりそうだ。
    「アウトソーシングをやめて米国を製造大国にする」項目は工場建設に伴う工事や設備投資関連の需要増が期待される。 他方、「米ドルを基軸通貨として維持」の項目はトランプ氏が暗号資産に前向きだとする市場の見方と矛盾する面も見られる。

米共和党の政策綱領発表~2020年の大統領選挙時には政策綱領なし

米国株のグレートローテーション

  • 米国株の主要株価指数の内、S&P500やナスダック100は時価総額加重平均型の指数であることから時価総額上位の大型ハイテク株のウェート拡大を通じて指数が嵩上げされやすい。S&P500とナスダック100はそれぞれ均等加重平均型と比較した相対指数で見た場合、23年10月以降に乖離が拡大している。
    7/11発表の6月の米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化が鮮明となって以降、市場では9月利下げが完全に織り込まれ、少数の時価総額上位銘柄から、資金調達環境改善を見越した中小型銘柄へのシフト中心の「グレートローテーション」が顕著となっている。米上場で時価総額1001位~3000位まで銘柄中心に構成されるラッセル2000指数は今までの出遅れから急速にキャッチアップしつつある。

米国株のグレートローテーション~巨大時価総額銘柄から中小型銘柄へ

S&P500構成上位10銘柄の変遷

  • 米国株を代表する株価指数のS&P500は米国上場大型株500社から構成される時価総額加重平均柄の指数で、時価総額の大きな企業ほどウェートが高くなる。新型コロナパンデミック発生の2020年以降の上位10銘柄を見ると、その合計ウェートが2023年以降に上昇。特に24年は上位3社がそれぞれ時価総額3兆ドル超となったほか、7~9位の銘柄も1兆ドルが迫るなど「勝ち組」の巨大化が加速。
    特定少数の勝ち組に時価総額が偏る傾向が持続可能なのかが問題となるものの、現金ポジションの大きさが金利上昇時にも有利となるほか消去法的な物色も見込まれる。他方、足元の高い成長率で買われている一部の銘柄は、決算発表で増収・増益率が鈍化した時に反動で大きく売られる可能性に要注意だろう。

S&P500構成上位10銘柄の変遷~23年以降、10銘柄合計ウェートが上昇

アルファベットとテスラの2Q決算

  • 米主要企業の4-6月期決算発表が相次ぐ。時価総額上位大型ハイテク株への物色偏りに行き過ぎが見られる中で株価の更なる上昇へのハードルは市場の予想以上に高そうだ。23日取引時間終了後に発表された主要ハイテク銘柄2社のうち、アルファベット(GOOGL)は前年同期比14%増収、29%最終増益と堅調も、YouTube広告の増収率(13%)や設備投資額拡大が嫌気されて24日終値は前日比5%下落。ネット広告やクラウド事業は堅調。押し目好機と見る余地もあろう。
    テスラ(TSLA)は電気自動車(EV)の値引きに伴う平均単価下落に加え、平均コスト削減に時間を要する点は懸念される。他方、大型蓄電池などエネルギー関連事業の売上比率が12%近くへ拡大。高成長事業を擁する点は評価されよう。

アルファベットとテスラの2Q決算~株価反応は冴えないものの注目点あり

米FRBバランスシートと財政赤字

  • 米FRB(連邦準備制度理事会)はバランスシート総額を2022年4月の9.01兆ドルをピークに縮小。今年7月下旬に7.25兆ドルと、20年11頃に水準まで減額させた。バランスシート縮小は「量的引き締め」(QE)とも言われ、資産売却で市場に流通するお金を減らすことを意味する。
    米連邦政府の財政赤字を財政年度(10月~翌年9月)ごとに見ると、2019-20年、2020-21年に新型コロナパンデミック救済対応で急拡大した後、2021-22年に正常化に向けて縮小したものの、2022-23年に再拡大。2023-24年も5月までの累積額はほぼ同水準。市中に出回る額が減る中で財政支出拡大に対応した国債発行額が増えることになると、その消化に支障が出やすく国債利回りも低下しにくくなる。その点は問題となり得よう。

米FRBバランスシートと財政赤字~BS縮小と財政赤字拡大で問題もあり

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