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2024-03-29 05:32:55

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“スタグフレーション懸念示唆、半導体銘柄への視点”

2022/1/18
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“スタグフレーション懸念示唆、半導体銘柄への視点”

  • 1月10-14日の米国市場は、米上院でのパウエルFRB議長再任指名およびブレイナードFRB副議長指名の公聴会を中心として利上げやバランスシート縮小への懸念を強める市場心理を背景に、12月の米消費者物価指数(CPI)および米小売売上高への米国株市場の反応を探る週だった。更に、大手銀行の決算発表に対する株価動向、および半導体受託生産の台湾積体電路製造[TSMC](TSM)の設備投資動向で半導体関連銘柄がどう動くかもポイントだったと言えるだろう。それに加えて、ウクライナへの軍事侵攻の準備を進めるロシアと米国とのジュネーブでの2国間協議も重要なイベントだった。
  • FRB関連では、既に週初の時点で経済を犠牲にしてもインフレ退治を最優先するのではないかとの懸念が先行。債券市場で長期金利上昇、株式市場でグロース株の売りが行き過ぎていた面があった。そのため、パウエルFRB議長の発言のほか、12月のCPIが前年同月比7.0%と39年半ぶりの高水準となったことに対しても、相場に織り込まれていたとして売り先行からの買戻しに繋がった。その一方、「ハト派」で知られるブレイナード副議長発言が想定外の「タカ派」寄りとして売り材料とされた。また、12月の小売売上高が前月比1.9%減と大幅減だったことに対して通常であれば景気減速として金利低下・米ドル下落に繋がり易いところ、インフレによる購買力の低下が懸念されてインフレ退治の金融引き締めが意識されて米10年国債利回りが先週末に続いて1.8%近辺まで上昇。金融市場が新たな段階に突入したことが印象付けられた。インフレを伴うことで金利上昇とコモディティ価格高騰、そして景気悪化が同時に起こる「スタグフレーション」のリスクには要注意だろう。
  • 決算発表では、TSMC社の22年度の設備投資額が最大で前年比4割強の増加計画と伝えられたことが、半導体関連の中でも製造装置や検査装置メーカーの株価への追い風になった。当面は半導体供給不足が続く見通し下で関連企業の業績見通しに死角は無いように思われる。死角として考えられる点は、爆発的に増大するデータを人工知能(AI)で分析するためには膨大なエネルギーが必要になることから、既にアップル(AAPL)が進めている半導体内製化に見られるように、規格大量生産された汎用チップからAI処理に特化した特注・少量の専用チップへのシフトの動きが加速するかどうかだろう。
  • 1994年2月、2004年6月、2015年12月など過去3回の最初の利上げ実施後、NYダウ平均株価は数ヵ月かけて約1割前後の株安局面を迎えたことは要注意だろう。また、過度な金融引き締めによる景気後退懸念に関して、長短金利が逆転する「逆イールド」の発生までは時間を要するだろう。(笹木)
  •  1/18号では、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)アプライド・マテリアルズ(AMAT)ファスナル(FAST)フリーポート・マクモラン(FCX)トレックス(TREX)ウエルズ・ファーゴ(WFC)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(1/14現在)

主要企業の決算発表予定

1月18日(火) JBハント・トランスポート・サービシズ、ゴールドマン・サックス・グループ、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、トゥルイスト・ファイナンシャル、シグネチャー・バンク
1月19日(水) ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ、ユナイテッド・エアラインズ・HD、キンダー・モルガン、モルガン・スタンレー、ステート・ストリート、ファスナル、バンク・オブ・アメリカ、コメリカ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、プロロジス、シチズンズ・フィナンシャル・グループ、ユナイテッドヘルス・グループ、USバンコープ、ASMLホールディング
1月20日(木) SVBファイナンシャル・グループ、インテュイティブサージカル、PPGインダストリーズ、CSX、ネットフリックス、ユニオン・パシフィック、ベーカー・ヒューズ、フィフス・サード・バンコープ、リージョンズ・ファイナンシャル、キーコープ、トラベラーズ、ノーザン・トラスト、M&Tバンク、アメリカン航空グループ
1月21日(金) シュルンベルジェ、IHSマークイット、ハンチントン・バンクシェアーズ
1月24日(月) IBM、ブラウン・アンド・ブラウン、ハリバートン

主要イベントの予定

1月18日(火)
  • OPEC月報、ブルームバーグ「The Year Ahead」イベント(オンライン、19日まで)、世界経済フォーラム(WEF)主催「ダボス・アジェンダ」(17〜21日まで、オンライン形式)
  • ニューヨーク連銀製造業景況指数(1月)、NAHB住宅市場指数(1月)、対米証券投資(11月)
1月19日(水)
  • ブルームバーグClimate Resilienceイベント(オンライン)
  • 米住宅着工件数(12月)
1月20日(木)
  • 米バイデン大統領就任1年
  • 米新規失業保険申請件数(15日終了週)、米中古住宅販売件数(12月)
1月21日(金)
  • IMF筆頭副専務理事にギータ・ゴピナート氏就任
  • 米景気先行指標総合指数(12月)
1月24日(月)
  • シカゴ連銀全米活動指数(12月)
  • マークイット米国製造業・サービス業・総合PMI速報値(1月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)市場:NYSE・・・2022/1/25に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1902年に創業後、1923年にミッドランドを買収。カーギルと共に「二大穀物メジャー」と称され、農産物の調達・輸送・備蓄・販売を行う。食用油の原料となる大豆や綿花、トウモロコシに強みを持つ。
  • 10/26発表の2021/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比34.5%増の203.40億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同9.8%増の5.48億USD。製品別取扱加工量は、油糧種子がハリケーン・アイダの影響で同5.1%減の一方、トウモロコシが同23.7%増。穀物相場の高騰が増収増益に寄与した。
  • 通期会社業績予想は未公表。米農務省は1/12発表の1月の穀物需給にて、2021-22年度の大豆とトウモロコシの世界在庫見通しを前月比で引き下げた。CBTの大豆とトウモロコシ先物相場は昨年5月以降に調整下落局面だったなか、大豆は11月以降、トウモロコシは9月以降に反転上昇。小麦はロシアが輸出制限を強化のほか、同じ輸出国ウクライナとの軍事的緊張も相場高騰を後押ししよう。

アプライド・マテリアルズ(AMAT)市場:NASDAQ・・・2022/2/16に2022/10期1Q(11-1月)の決算発表を予定 

  • 1967年に設立した半導体・ディスプレイ製造装置メーカー。マテリアルズ・エンジニアリングのリーディング企業として世界中のほぼ全ての半導体チップや先進ディスプレイの製造に関与している。
  • 11/18発表の2021/10期4Q(8-10月)は、売上高が前年同期比30.6%増の61.23億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同53.0%増の17.12億USD。前四半期では、供給制約が響き1.2%減収となったが、調整後粗利益率は同0.2ポイント上昇の48.2%、調整後EPSも0.2%増の1.94USDと向上した。
  • 2022/10期1Q(11-1月)の会社計画は、売上高が前年同期比14.5-24.2%増の59.1-64.1億USD、調整後EPSが同28.1-38.1%増の1.78-1.92USD。供給制約が続く見通し下、調整後粗利益率を47.4%と3Q実績から引き下げ。半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSM)が13日、22年度の設備投資額が最大前年比4割強増加の440億USDに達するとした。同社業績への追い風となろう。

ファスナル(FAST)市場:NASDAQ・・・2022/1/19に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1967年創業。工業・建設資材の卸売大手。ファスナー、ボルト、ナット、ねじなどを業者向けに販売する。世界で1,859支店を展開(2021年9月末)。顧客内店舗や資材の自動販売機の設置も行う。
  • 1/12発表の2021/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比10.0%増の15.54億USD、純利益が同9.9%増の2.43億USD。新型コロナ対応関連の安全・衛生製品の売上が減少したものの製造業と建設業向けが堅調に推移。粗利益率は安全・衛生製品の貢献も加わり、同1.0ポイント上昇の46.3%。
  • 通期会社業績予想は非開示。昨年11月の1日当たり売上高伸び率は13.2%増。その内、新型コロナ対応関連の安全・衛生製品は同0.4%増と減速したが、12月以降はオミクロン変異株感染拡大に伴い伸び加速が見込まれる。同社は顧客の工場や建設現場への距離短縮のため店舗開設を増やすなか、9月末で支店を前年末7.2%減の一方、現場内店舗を同8.1%増と現場重視を強める方針。

フリーポート・マクモラン(FCX)市場:NYSE・・・2022/1/26に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1987年設立。世界的鉱業会社で米アリゾナ州を本拠地とする。米モレンチ鉱物地区、ペルーのセロベルデ鉱山のほか、世界最大の銅・金鉱床の1つであるインドネシアのグラスベルグ鉱山を運営。
  • 10/21発表の2021/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比58.0%増の60.83億USD、純利益が同4.3倍の13.99億USD。主力の銅販売は、電気自動車(EV)生産増の追い風を受けて平均販売単価が同39.5%上昇、販売量が同21.8%増。前四半期比でも売上高が5.8%増、純利益が29.2%増。
  • 通期会社計画を下方修正。金販売量は同52.0%増の130万オンスで据え置いたが、銅販売量を前期比19.1%増の38.1億ポンド(従来計画38.5億ポンド)とした。4Q(10-12月)の会社計画は、銅販売量が前四半期比0.8%減、金販売量が同6.7%減。CMX銅先物相場は昨年5月に4.89USDの過去最高値を付けて概ね横ばいで推移する中、世界的EV生産増に伴う実需増による高騰余地もあろう。

トレックス(TREX)市場:NYSE・・・2022/1/25に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1996年設立の建材メーカー。主に住宅用デッキや手摺り用途向けに木材とプラスチックを合成・加工して環境性能や安全性・耐久性の高い再生利用木質建材を製造し、「トレックス」ブランドで販売。
  • 11/8発表の2021/12期3Q(4-6月)は、売上高が前年同期比45.1%増の3.35億USD、純利益が同72.8%増の7,379万USD。前年同期に計上した保証引当金の影響を除く粗利益率は原材料費や物流費ほかインフレ圧力上昇により悪化したが、販管費率が同3.1ポイント低下の9.0%と向上した。
  • 2021/12期4Q(10-12月)の会社計画は、売上高が前年同期比28.8-33.2%増の2.95-3.05億USD。また、2022年度は前期比2桁の増収を見込む。産業廃棄物とされるプラスチックフィルムと再生利用木材から高付加価値製品へと作り替える同社製品のブランド価値向上により、コストの販売価格への転嫁は容易な面もあろう。CME木材先物価格が昨夏より上昇基調を強めていることも追い風だろう。

ウエルズ・ファーゴ(WFC)市場:NYSE・・・2022/4/14に2022/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1852年設立。サンフランシスコ市を本社として米西部を地盤とし、総資産で全米3位(2018年現在)、支店数で全米首位(2017年7月現在)を誇る。預金と融資を中心とした商業銀行業務に強み。
  • 1/14発表の2021/12期4Q(10-12月)は、総収益が前年同期比12.8%増の208.56億USD、純利益が同86.0%増の57.50億USD。純金利収益が同0.1%減だったが、非金利収益が同26.9%増と増収に寄与。経費率が同16.7ポイント低下の63.3%のほか、信用損失引当金戻入れ増加が増益に貢献。
  • 4Qの前四半期比は、総収益が10.7%増、純利益が12.3%増と堅調に推移。純金利マージンが0.08ポイント上昇の2.11%と回復したことが貢献した。FRBの利上げ方針は追い風となろう。それに対し、同日決算発表の他の大手2行の4Qの前四半期比では、シティグループ(C)は、総収益が2.5%減、純利益が31.7%減。JPモルガン・チェース(JPM)は、総収益が1.3%減、純利益が11.0%減。
  • (※)決算発表の予定は1/14現在であり、変更される可能性があります。
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