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マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “オミクロン変異体とワクチン、インフレ、グロース銘柄”

“オミクロン変異体とワクチン、インフレ、グロース銘柄”

2021/11/30
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“オミクロン変異体とワクチン、インフレ、グロース銘柄”

  • 11/26に南アフリカで検出された新型コロナの新しい変異体(オミクロン)について日本でも報道され、デルタ変異株以上の感染力、および多くの変異があることから従来のワクチンをすり抜ける免疫逃避(エスケープ)への疑いが投げかけられた。26日はWTI原油先物終値が前日比13%以上急落し、米国10年債利回りも同16ベーシスポイント低下。米国株式市場も、航空・エネルギー・金融などを中心に景気敏感の幅広い業種が売られ、NYダウ平均株価終値は前日比905ドル安の急落となった。
  • その一方、バイオ企業モデルナ(MRNA)が前日終値比20%、独バイオ企業ビオンテック(BNTX)が同14%、ファイザー(PFE)が同6%上昇するなどオミクロンに対応できる新型コロナワクチン供給への期待の高まりを示す動きが見られた。ビオンテックは、オミクロン変異体についてファイザーと共同開発のワクチンが有効か判断するためのデータが2週間以内に得られるとの見通しを示したほか、必要な場合には6週間以内にワクチンを再設計して100日以内に初期ロットを出荷できると付け加えた。モデルナも追加接種用ワクチンの開発を進めていると表明。また、 ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も同社開発ワクチンについて有効性を検証しているとした。仮に感染が拡大しても、短期間での対処が期待されよう。ただし、仮にオミクロン感染が収束したとしても、また次の新たな変異株が出て来るのではないかとの懸念が残らざるを得ないことから、グローバル経済活動の正常化への道のりの遠さ・険しさが来年以降の株価上昇の上値を重くする展開もまた想定されよう。
  • 26日に米長期金利が急低下し、中央銀行FRBによる利上げ前倒しとテーパリング(量的緩和による資産買入れ額縮小)への懸念が遠のいたかに見える。しかし、リスクシナリオとして、オミクロン変異体の感染拡大への対応で世界各国が移動規制を強化した場合、製品の原材料や半導体などの不足による供給制約、および雇用面での人手不足が深刻化し、期待インフレ率が高騰する可能性には要注意だろう。その場合、景気が悪化しても利下げが困難となり、物価上昇の不景気である「スタグフレーション」が懸念されよう。
  • 11/10発表の10月の米消費者物価指数が前年同期比6.2%上昇と、31年ぶりの6%台になった。11/30-12/2に2021年8-10月期の決算発表を行う予定のITやソフトウエア関連企業のグロース銘柄の中には、その辺りを境にして株価が急落している銘柄も見受けられる。仮に移動規制でテレワーク需要が再び高まれば、短期的に「グロース買い」復活の可能性があろう。(笹木)
  • 11/30号では、アボットラボラトリーズ(ABT)コストコホールセール(COST)ディア(DE)ラボラトリー・コープ・オブ・アメリカHD(LH)マーベル・テクノロジー(MRVL)ヴィーヴァ・システムズ(VEEV)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/26現在)

主要企業の決算発表予定

11月30日(火) ネットアップ、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、セールスフォース・ドットコム
12月1日(水) クラウドストライク・ホールディングス、スプランク、オクタ、PVH、シノプシス
12月2日(木) マーベル・テクノロジー、ドキュサイン、アルタ・ビューティ、クーパー、ダラー・ゼネラル、クローガー

主要イベントの予定

11月30日(火)
  • FRB議長と財務長官が上院銀行委で証言、ニューヨーク連銀総裁が同連銀主催のイベントで冒頭挨拶、クラリダFRB副議長とクリーブランド連銀総裁がFRBの独立性巡り討論、世界貿易機関(WTO)閣僚会合(ジュネーブ、12月3日まで)、北大西洋条約機構(NATO)外相会合(リガ、12月1日まで)
  • FHFA住宅価格指数(9月)、主要20都市住宅価格指数(9月)、消費者信頼感指数(コンファレンスボード)(11月)
12月1日(水)
  • 下院金融委員会でFRBと財務省のコロナ対応巡る公聴会、地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、メタ・プラットフォームズの証券コードが「FB」から「MVRS」に変更、経済協力開発機構(OECD)経済見通し
  • 米自動車販売(11月)、ADP雇用統計(11月)、建設支出(10月)、ISM製造業景況指数(11月)、マークイット米製造業PMI・改定値(11月)
12月2日(木)
  • アトランタ連銀総裁・クオールズFRB理事・アトランタ連銀総裁・サンフランシスコ連銀総裁とリッチモンド連銀総裁が講演、「OPECプラス」閣僚級会合
  • 米新規失業保険申請件数(27日終了週)
12月3日(金)
  • セントルイス連銀総裁の講演
  • 雇用統計(11月)、製造業受注(10月)、ISM非製造業総合景況指数(11月)、マークイット米サービス業・総合PMI・改定値(11月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アボットラボラトリーズ(ABT)市場:NYSE・・・2022/1/27に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1900年に設立。多角化されたヘルスケアカンパニーとして、「エンシュア」や「EAS」といった栄養剤製品事業、診断薬事業、後発医薬品事業、および免疫学的測定装置等の医療機器事業を営む。
  • 10/20発表の2021/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比22.4%増の109.28億USD、継続事業に係るNon-GAAPの調整後純利益が同43.1%増の25.18億USD。4事業が全て増収となったなか、迅速診断に係る新型コロナ検査プラットフォームからの収益伸長により診断薬事業が同48.2%増収。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを前期比37.0-39.7%増の5.00-5.10USD(従来計画4.30-4.50USD)とした。南アフリカで見つかった新型コロナ「オミクロン変異株」は11/26に世界保健機関(WHO)が「懸念される変異ウイルス」に指定。感染状況を把握するためのウイルスのゲノム解析のほか、疑い例を迅速に見つけるためのPCR検査や抗体検査への需要増が世界的に見込まれよう。

コストコホールセール(COST)市場:NASDAQ・・・2021/12/10に2022/8期1Q(9-11月)の決算発表を予定 

  • 1976年創業。ウェアハウス・クラブ(会員制倉庫型店舗)を運営しており、生鮮・加工食品、家電や自動車関連などを卸売価格で販売する。世界の店舗数は11/3現在で820店舗。Eコマースも展開。
  • 9/23発表の2021/8期4Q(8/29までの16週間)は、売上高が前年同期比17.4%増の626.75億USD、純利益が同20.2%増の16.70億USD。会費収入は同11.6%増の12.34億USDと伸びた。また、ガソリンや為替変動を除いた既存店売上高は同9.4%増と堅調に推移。その内、Eコマースが同8.9%増収。
  • 11/3発表の10月(4週間)のガソリンや為替変動を除いた既存店売上高が前年同月比17.5%増(内、Eコマースが同16.5%増)と4Qから伸びが加速。10月の米消費者物価指数が前年同月比6.2%上昇、同月米個人消費支出(PCE)も同5%上昇と消費へ逆風が強まるなか、同社は顧客への利益還元優先で会費収入を粗利益の源泉とするのは、インフレ時の価格設定で相対的に有利となろう。

ディア(DE)市場:NYSE・・・2022/2/18に2022/10期1Q(11-1月)の決算発表を予定 

  • 1837年に創業。世界最大の農業機械メーカー。大型・精密農機、小型農機、建機・林業、金融サービスの主要4事業セグメントを営む。2017年にロボット開発のブルー・リバー・テクノロジーを買収。
  • 11/24発表の2021/10期4Q(8-10月)は、売上高が前年同期比16.4%増の113.27億USD、純利益が同69.5%増の12.83億USD。大型・精密農機が同22.6%増収、小型農機が同21.8%増収、建機・林業が同14.0%増収と堅調に推移。金融サービスは同2.5%減収も純利益が同22.0%増と伸びた。
  • 2022/10通期の会社計画は、セグメント別売上高で大型・精密農機が前期比20-25%増、小型農機が同15-20%増、、建機・林業が同10-15%増と堅調な伸びを見込む。米国議会で可決の1兆USD規模のインフラ投資計画を受けた建機需要の増加が期待される。また、南米沖で海面水温が低下する「ラニーニャ現象」が発生。天候不順に伴う農作物価格上昇を通じた農機需要増が期待される。

ラボラトリー・コープ・オブ・アメリカHD(LH)市場:NYSE・・・2022/2/11に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1971年設立の医療診断企業。定期臨床検査を行う「Labcorp診断(LCD)事業」、および血液化学分析や尿検査、感染症その他専門検査の開発に係る「Labcorp医薬品開発(LDD)事業」を営む。
  • 10/28発表の2021/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比4.3%増の40.62億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同19.7%減の6.61億USD。新型コロナのPCR・抗体検査関連が同6.8%減少したものの、基盤(Base)事業の伸びが増収に寄与。一方、粗利率低下および販管費率上昇が響き減益。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を前期比13.0-14.0%増(従来計画6.5-9.0%増)、調整後EPSを同8.6-17.0%増の26.0-28.0USD(同21.5-25.0USD)とした。その内、新型コロナ検査関連収入を同6-11%減(同33-38%減)としている。南アフリカで見つかった新型コロナ「オミクロン変異株」は感染力が強いとみられるなか、世界各国は警戒度引上げでPCR検査などの強化方針を打ち出している。

マーベル・テクノロジー(MRVL)市場:NASDAQ・・・2021/12/2に2022/1期3Q(8-10月)の決算発表を予定 

  • 1995年設立の半導体製造企業。通信ネットワーク向けIC(集積回路)およびHDD(ハードディスクドライブ)用ストレージ装置向けアプリケーションを扱う。2021年4月に同業大手インファイの買収完了。
  • 8/26発表の2022/1期2Q(5-7月)は、売上高が前年同期比47.9%増の10.75億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同2.0倍の2.83億USD。通信用ICに強いインファイの買収の貢献もあり、AWSやAzure、およびGooGle Cloudなどのクラウドコンピューティングの拡大に伴いデータセンター向けが急成長。
  • 2022/1期3Qの会社計画は、売上高が前年同期比48-57%増の11.10-11.79億USD、調整後EPSが同40-64%増の0.35-0.41USD。2Qのデータセンター向け売上高は、前年同期比で62.5%増、前四半期比でも56.6%増と足元での急成長により売上構成比が40%に達した。また、イーサネットスイッチを手掛ける米イノビウム買収を年末までに完了予定など更なるデータセンター事業強化の方針だ。

ヴィーヴァ・システムズ(VEEV)市場:NYSE・・・2021/12/1に2022/1期3Q(8-10月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 2007年設立の製薬・ライフサイエンス業界特化型SaaS(Software as a Service)企業。世界中の製薬・ライフサイエンス企業向けにソフトウェアのクラウドサービスを通じたソリューションを提供する。
  • 9/1発表の2022/1期2Q(5-7月)は、売上高が前年同期比28.8%増の4.55億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同36.2%増の1.52億USD。その内、クラウドコンピューティングの提供を主とする定額課金のサブスクリプション収入が同29.3%増の3.66億USDに拡大。調整後粗利率も同0.4ポイント上昇。
  • 9/1に通期会社計画を上方修正。売上高を前期比24.9-25.3%増の18.30-18.35億USD(従来計画18.15-18.25億USD)、調整後EPSを同21.4%増の3.57USD(同3.49USD)とした。同社のクラウドサービスは世界的大手製薬・バイオテクノロジー企業を含む製薬・ライフサイエンス業界の大半で利用されている。新たなワクチンや治療薬開発で医師と製薬会社間の情報交換での利用増が見込まれる。
  • (※)決算発表の予定は11/26現在であり、変更される可能性があります。
フィリップ証券株式会社

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