“公聴会と決算発表を経て、GAFAは安泰なのか?”
- 7/29の米議会下院の司法委員会で、アルファベット(GOOG)傘下のグーグル、アップル(AAPL)、フェイスブック(FB)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の4社(GAFA)に関し反トラスト法違反の疑惑を巡る公聴会が開かれ、経営トップが揃って出席。超党派議員から競争を阻害していると非難され「解体」を求める意見が出たほか、トランプ大統領も大統領令により規制強化も辞さないと表明した。
- その翌日7/30に発表されたGAFAの4-6月決算は、企業向けネット広告の減少が響いて初の前年同期比で減収となったアルファベットを除けば新型コロナウイルス感染拡大が業績拡大への追い風となる好調な内容だった。アップルは在宅勤務や遠隔教育の世界的な拡がりを受けて同11%増収、アマゾン・ドット・コムは外出規制に伴うネット通販の需要増により同40%増収、フェイスブックも世界的な外出規制の拡がりに伴うSNSサービスの利用増を受けて同11%増収となった。特にアップルは7/31終値の株価が前日比10.4%上昇。時価総額が1.84兆ドルに達し、サウジアラムコを抜いて世界最大となった。議会からの批判を物ともせず、新型コロナウイルス感染拡大も成長要因として取り込むGAFAの更なる時価総額増大に死角は無いのだろうか?
- 懸念される点は以下の4点である。①まず、短期的な買われ過ぎである。7/31株価終値の200日移動平均からの乖離率は、アマゾン・ドット・コムが46%、アップルが42%、フェイスブックが24%、アルファベットが9%である。乖離率は業績の差を反映している面があるものの、乖離率の直近200日の平均値は、アマゾン・ドット・コムが14%、アップルが24%、フェイスブックが7%、アルファベットが8%である。②次に、7/30に発表された米国4-6月期GDP(速報値)が前期比年率換算で32.9%減となったことの影響である。GDPの絶対値が減少することに伴い、株価の割安・割高を判断する際に使われる指標で「株式市場の時価総額÷その国のGDP×100」で表される「バフェット指数」も上昇することとなる。③第3に、構成銘柄にGAFAの4企業を含むナスダック総合指数への一極集中への懸念である。同指数をS&P500で割った倍率は7/31に3.28倍まで上昇。これはドットコム・バブルと呼ばれた2000年3月以来の高水準である。最後に、失業者に対する週600ドルの特別給付措置が7月末で失効を迎えるなか、追加対策法案を巡る与野党協議が平行線を辿っている点である。消費者の所得が減少すればGAFAの業績拡大への重しになることも考えられよう。(笹木)
- 8/4号では、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、インテル(INTC)、サービスナウ(NOW)、ファイザー(PFE)、ペイパル・ホールディングス(PYPL)、ショッピファイ(SHOP)を取り上げた。
ウィークリーストラテジー
S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(7/31現在)
主要企業の決算発表予定
8月4日(火) | ウエスタンユニオン、ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー、アリスタネットワークス、アシュラント、アクティビジョン・ブリザード、エクストラ・スペース・ストレージ、ベリスク・アナリティクス、FMC、ペイコム・ソフトウエア、フォックス、マイクロチップ・テクノロジー、モンスタービバレッジ、ラルフローレン、ウエストロック、レイドス・HD、アメテック、インサイト、エクセロン、ガートナー、エマソン・エレクトリック、IPGフォトニクス、ジンマー・バイオメット・HD、プルデンシャル・ファイナンシャル |
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8月5日(水) | エベレスト・リー・グループ、アルベマール、リンカーン・ナショナル、マラソン・オイル、メットライフ、センチュリーリンク、アンシス、パブリック・ストレージ、ウエスタンデジタル、レスメド、ファイサーブ、バリアンメディカルシステムズ、アメリカン・ウォーター・ワークス、ウェルタワー、CFインダストリーズ・HD、ライブ・ネーション・エンタテインメント、アメリソースバーゲン、ボルグワーナー、ディスカバリー、リジェネロン・ファーマシューティカルズ、ナイソース、センプラ・エナジー、ペリゴ、CVSヘルス、ニールセン・HD、CDW、ヒューマナ、モデルナ |
8月6日(木) | DXCテクノロジー、TモバイルUS、ブッキングHD、リパブリック・サービシズ゛、ノートンライフロック、フリートコア・テクノロジーズ、イルミナ、モトローラ・ソリューションズ、アライアント・エナジー、アメレン、コンソリデーテッド・エジソン、フリアーシステムズ、センターポイント・エナジー、ブリストル・マイヤーズスクイブ、ホーリーフロンティア、シールド・エアー、ボール、フォーティネット、ベクトン・ディッキンソン、カーディナルヘルス、ゾエティス、AES、、ハンティントン・インガルス・インダストリーズ、ヒルトン・ワールドワイド・HD、バイアコムCBS、アビオメッド、クアンタ・サービシーズ、ハウメット・エアロスペース、アメリカン・エレクトリック・パワー、デンツプライ・シロナ、ニューズ・コーポレーション |
8月7日(金) | ベンタス |
主要イベントの予定
8月4日(火) |
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8月5日(水) |
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8月6日(木) |
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8月7日(金) |
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- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
アマゾン・ドット・コム(AMZN)市場:NASDAQ・・・2020/10/23に2020/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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インテル(INTC)市場:NASDAQ・・・2020/10/23に2020/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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サービスナウ(NOW)市場:NYSE・・・2020/10/23に2020/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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ファイザー(PFE)市場:NYSE・・・2020/10/29に2020/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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ペイパル・ホールディングス(PYPL)市場:NASDAQ・・・2020/10/23に2020/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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ショッピファイ(SHOP)市場:NYSE・・・2020/10/29に2020/12期3Q(7-9月)の決算発表を予定
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