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2019-04-18 22:26:30

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“債券市場の「金利低下トラップ」に要注意”

2019/3/26
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘、増渕 透吾

“債券市場の「金利低下トラップ」に要注意”

  • 米国10年国債利回りは年初から低下を続け、利回り低下に対して株式市場は様々な反応を示してきたが、3/22に2.418%まで低下し、TB3か月物の2.46%台を下回る「(長短)逆イールド」現象がトリガーとなってVIX指数も16台まで急上昇、NYダウも前日比460ドル安と、1/3(660ドル安)に次ぐ今年2番目の下げ幅となった。3/20に終了したFOMCでは、成長率見通しが2019年は2.3%から2.1%へ、2020年は2.0%から1.9%へ引き下げられバランスシート縮小も9月末に停止する方針が示されるなどハト派色を強める内容で、市場の「利下げ」催促に対して満額回答といえるものだった。それを受けて長期金利は低下を辿っていたが、3/20はリスクオフが先行してNYダウで141ドル安だったのに対し、3/21は3月フィラディルフィア連銀製造業指数や2月景気先行指数が予想を上回ったこともあってリスクオンに傾くなど、株式市場の反応は日替わりで異なるものだった。
  • ここまでの長期金利低下に対する株式市場の反応を振り返ると、①パウエル議長からの「利上げ停止」メッセージを素直に好感する展開、②中国や欧州などのグローバル経済減速を示す経済指標に対しても、インフレ圧力を緩和する程度に見なし、内需を中心に好調な米国経済の景気指標を受けて上昇する展開、③FRBの目標である年率2%を上回る範囲での「適温相場」を示す物価上昇率を維持したまま長期金利が低下することによって実質長期金利が低下することから、負債比率が相対的に高い半導体関連株やIT関連株に対してポジティブに反応する展開など、異なる表情を見せながらも、株式市場は、逆イールドにならない限りは、長期金利低下を好意的に評価していたものと言えよう。
  • しかしながら、3/22の長短金利逆イールド現象による株式相場の売りは、主に欧州の景気指標を材料に発生したものである。逆イールドが不況の前兆として株式の売り材料になることは事前にAIなどでプログラミングされており、金融市場に大きなボラティリティーを発生させて短期的に利益を上げたい投機筋に狙われやすい状況にもあっただろう。昨年以降、国内産業保護のための関税政策によって米国とその他のグローバル経済は必ずしても同調しておらず、欧州の減速が米国経済減速にはつながらないことには注意が必要であろう。
  • 最近は、民主党も政府債務残高に関する「MMT(現代金融理論)」を取り入れる機運もあり、財政赤字への抵抗感も薄れつつあることから、政府支出による景気下支えが期待できる状況である。押し目の後の再出発に期待したい。(笹木)
  • 3/26号ではコナグラ・ブランズ(CAG)ダーデン・レストランツ(DRI)マイクロン・テクノロジー(MU)ニューズ・コーポレーション(NWSA)ティファニー・アンド・カンパニー(TIF)トゥイリオ(TWLO)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(3/22現在)

主要企業の決算発表予定

3月26日(火)マコーミック、カーニバル
3月27日(水)ペイチェックス、PVHレナー
3月29日(金)カーマックス

主要イベントの予定

3月26日(火)
  • 住宅着工件数 (2月)、FHFA住宅価格指数 (1月)、主要20都市住宅価格指数 (1月)
  • 消費者信頼感指数 (3月)
3月27日(水)
  • ECBのドラギ総裁が講演(フランクフルト)
  • 米貿易収支 (1月)、米経常収支 (4Q)
  • 中国工業利益 (2月)
3月28日(木)
  • 米中の閣僚級貿易協議(北京、29日まで)
  • 南ア中銀、政策金利発表
  • GDP (4Q、確定値)
  • 中古住宅販売成約指数 (2月)
  • 新規失業保険申請件数 (23日終了週)
  • ユーロ圏マネーサプライ (2月)、独CPI (3月、速報値)
3月29日(金)
  • 英国のEU離脱予定日
  • 個人所得 (2月)、米個人支出 (1月)
  • 新築住宅販売件数 (2月)
  • ミシガン大学消費者マインド指数 (3月、確定値)
  • ユーロ圏CPI (3月、速報値)、独失業率 (3月)
3月31日(日)
  • 欧州夏時間開始
  • ウクライナ大統領選挙、トルコ統一地方選挙
  • 中国製造業・非製造業・コンポジットPMI (3月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

コナグラ・ブランズ(CAG)市場:NYSE ・・・2019/6/26に2020/5期4Q(3-5月)の決算発表を予定

  • 1919年に製粉会社として創業。北米を代表する食品会社で、消費者向けに「Marie Callender's」「Reddi-wip」「Hunt's」「Healthy Choice」「Slim Jim」「Orville Redenbacher's」などのブランドを展開。
  • 3/21発表の2019/5期3Q(2018/12-2019/2)は、売上高が前年同期比35.7%増の27.07億USD、純利益が同33.3%減の2.42億USD。Pinnacle FoodsとSandwich Brosの買収により売上が押し上げられたが、税制改革に伴う一時利益が剥落。調整後EPSは0.51USDと市場予想の0.48USDを上回った。
  • 通期会社計画は、オーガニック売上高が前期比1%増、調整後EPSが2.03-2.08USD。調整後EPS見通しの中央値は市場予想の2.05USDを上回った。コノリーCEOによると、10月に買収したPinnacle Foodsは3Q時点で1,200万USDのシナジー効果を達成。同事業は前四半期の売上が芳しくなく、業績貢献への懸念が燻っていた。4/1の説明会で追加のシナジーについて説明するもよう。(増渕)

ダーデン・レストランツ(DRI)市場:NYSE ・・・2019/6/20に2019/5期4Q(3-5月)の決算発表を予定

  • 1995年設立のレストランチェーン運営会社。「Olive Garden」「Cheddar's Scratch Kitchen」「LongHorn Steakhouse」「Yard House」「The Capital Grille」等を展開。2014年にRed Lobster事業を売却した。
  • 3/21発表の2019/5期3Q(2018/12-2019/2)は、売上高が前年同期比5.5%増の22.46億USD、純利益は同2.7%増の2.23億USD。調整後EPSは1.80USDと市場予想の1.74USDを上回った。39店舗の新規出店が寄与。価格改定やメニューミックス改善により既存店売上高が同2.8%増と伸びた。
  • 通期会社計画を上方修正。売上高を従来計画の前期比5.0-5.5%から下限を切り上げ同5.5%増、既存店売上高を同2.5%増から上限を引き上げ2.5-2.7%増とし、調整後EPSを5.60-5.70USDから5.76-5.80USDへ引き上げた。上方修正は3度目。主力業態のOlive Garden、LongHorn Steakhouseの3Q既存店売上高がそれぞれ同4.3%増、同3.8%増と伸びており、今後の成長に期待。(増渕)

マイクロン・テクノロジー(MU)市場:NASDAQ ・・・2018/6/20に2019/8期3Q(3-5月)の決算発表を予定

  • 1978年創業。DRAM、NAND、NOR、3D XPointなど半導体メモリーを手掛ける。コンピューティング向けやネットワーキング向けから、モバイル機器向け、組み込み製品まで幅広い製品を提供する。
  • 3/20発表の2019/8期2Q(2018/12-2019/2)は、売上高が前年同期比20.6%減の58.35億USD、純利益が同51.1%減の16.19億USD。メモリー価格低迷により減収となったほか、粗利益率が49.1%と前年同期の58.1%から900bp低下。調整後EPSは1.71USDと市場予想の1.65USDを上回った。
  • 2019/8期3Q(3-5月)会社計画は、売上高が46-50億USD、粗利益率が37-40%、営業費用が7.60‐8.10億USD、EPSは0.75-0.95USD。メロートラCEOは会見で、2019年後半には顧客の在庫状態が改善し、需要拡大が再開すると期待していると述べた。また、DRAMウェハーを5%、NANDウェハーを5%減産すると発表。厳しい市況に対処するため、合理的なアプローチといえよう。(増渕)

ニューズ・コーポレーション(NWSA)市場:NASDAQ ・・・2019/5/9に2019/6期3Q(1-3月)の決算発表を予定

  • 2012年設立。総合情報・メディアサービス会社。セグメントは、ニュース・情報、書籍出版、デジタル不動産、動画サブスクリプション。子会社が「ウォール・ストリート・ジャーナル」を取り扱う。
  • 2/7発表の2019/6期2Q(10-12月)は、売上高が前年同期比20.5%増の26.27億USD、純利益9,500万USDと前年同期の▲8,400万USDから黒転。セグメント別売上高は、動画サブスクリプションが前年同期比4.7倍の5.62億USD、書籍出版が同5.8%増の4.96億USDで増収に貢献した。
  • Apple社が3/25に発表を予定している新サービス事業の「月額利用料を支払えば読み放題のニュースアプリ」に同社傘下の「ウォール・ストリート・ジャーナル」が参加する契約を締結したと「ニューヨーク・タイムズ」が報道。Apple社の取引条件を受け入れるかどうかで「ワシントン・ポスト」や「ニューヨーク・タイムズ」などの同業他社と対応が分かれ、今後の業績動向への影響に要注目。(笹木)

ティファニー・アンド・カンパニー(TIF)市場:NYSE ・・・2019/6/4に2020/1期1Q(2-4月)の決算発表を予定

  • 1837年にニューヨーク市で創業。宝飾品などを販売する世界的企業。「Tiffany&Co」ブランドのもと宝飾品を製造するほか、販売店舗「TIFFANY&CO」を運営する。ネット販売やカタログ販売も行う。
  • 3/22発表の2019/1期4Q(2018/11-2019/1)は、売上高が前年同期比1.0%減の13.20億USD、純利益が同3.3倍の2.04億USD。EPSは1.67USDと市場予想の1.61USDを上回った。前年同期の税制改革に伴う一時費用の反動が出た。全店の既存店売上高は為替変動を除くベースで同横ばい。
  • 2020/1通期会社計画は、売上高が前期比1桁台前半の伸び率、EPSが同1桁台中盤の伸び率。米ドル高や外国人観光客の支出減、ニューヨーク旗艦店プロジェクトへの設備投資により年前半の利益成長は弱含むものの、後半にかけて改善する見通し。同社によるとeコマースは事業全体の2倍のペースで成長しており、中国でのeコマース対応サイトの立ち上げなども計画している。(増渕)

トゥイリオ(TWLO)市場:NYSE ・・・2019/5/7に2019/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

  • 2008年設立。企業のWeb開発者向けに、電話・IP音声通信・テキストメッセージをWeb・モバイル・電話アプリに統合するクラウド・コンピューティング・プラットフォームを提供するソフトウエア会社。
  • 2/12発表の2018/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比77.3%増の2.04億USD、営業利益は▲4,399万USDで同▲2,022万USDから赤字拡大だが、調整後ベースの営業利益は240万USDで前年同期の▲390万USDから黒字転換。稼働顧客口座数は、前年同期比31.2%増の64.286件。
  • 2019/12通期の会社計画は、売上高が10.65-10.77億USD(2018/12通期が6.50億USD)、調整後ベースの営業利益が400-800万USD(同410万USD)。同社が重視する「ドルベースの純拡大率」(既存の稼働顧客からの増収率)は2018/12通期が147%で前期の118%から上昇、稼働顧客数増加率と既存稼働顧客からの増収率の掛け算でサブスクリプション収入の伸びが見込める。(笹木)
フィリップ証券株式会社

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