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2018-12-10 13:35:13

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “FAANGなどハイテク買い戻しの展開へ!”

“FAANGなどハイテク買い戻しの展開へ!”

2018/12/4
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:庵原 浩樹、増渕 透吾

“FAANGなどハイテク買い戻しの展開へ!”

  • 運用比率を引き下げられたFAANGなどハイテク株の買い戻しの動きが強まる展開を予想する。10月初旬以降、金利の急上昇、世界景気減速、半導体市場の伸び鈍化などの懸念から、株式に加えて原油など商品市況も大きく下落し、リスクオフの展開が続いた。ただ、これらの悪材料は、ほぼ出尽くしたと見ている。
    11/21にOECDは、世界経済の成長率が2018年推計の3.7%に対して2019年、2020年は何れも3.5%と予測。多くの新興国で資本流出や通貨安が進み、貿易摩擦を背景に貿易の伸びと投資が落ち込むことを想定。米国による関税率や政策金利引き上げが、原材料費高騰や新興国からのマネー流出を引き起こし、世界的な景気冷え込みへの懸念が強まった。しかし、パウエルFRB議長は11/28の講演で、「政策金利が中立金利に近付いた(“Just below”)」と発言。11/29に公表された11/7-8開催分のFOMC議事要旨では、金利水準の正常化を進める中で、これまで必ず存在した「さらなる段階的な利上げが適切」との文言が削除され、ほぼ四半期ごとに進めてきた利上げ打ち止めの可能性が示された。パウエル議長の発言が裏付けられた格好である。新興市場を含む景気冷え込みのシナリオはやや後退したものと見られる。
  • また、11/27にWSTS(世界半導体統計)が発表した2018年秋季半導体市場予測によれば、世界の半導体市場は2017年の前年比21.6%増に対し、2018年が年後半の減速から同15.9%増、2019年は貿易摩擦などから同2.6%増と慎重な見通しが示された。ただ、株式市場では既に半導体市場の伸び鈍化を織り込み、関連株は大幅に下落。むしろ、悪材料が出尽くしたと言えよう。また、世界半導体市場は、金額ベースで2018年4,016.25億ドル、2019年4,095.53億ドルが見込まれ、前回2018年春季半導体市場予測の2018年3,905.09億ドル、2019年4,069.18億ドルから上方修正された。
    12/1、G20閉幕後の米中首脳会談は大きな進展こそ見られなかったが、米国による追加関税発動が90日間猶予されることで合意に至り、両国の貿易戦争は一時休戦となった。米国は将来の軍事的脅威となり得る「中国製造2025」の見直しを迫るが、中国も譲れない大きな政策で、両国の争いは長期化する公算が高い。ただ、米国が求める貿易赤字縮小や市場開放などに対し、段階的な農産品・資源輸入拡大による解決や、サービス・農業の規制緩和の協議などで中国側は譲歩の姿勢を示した。株式市場は、悪材料出尽くしと米中首脳会談での小さな前進を評価し、大きく売られたFAANGなどハイテクを買い戻す動きが強まり、堅調な展開を予想する。(庵原)
  • 12/4号ではアラスカ・エア・グループ(ALK)セールスフォース・ドットコム(CRM)ディア(DE)HP(HPQ)アルトリア・グループ(MO)ヴイエムウェア(VMW)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(11/30現在)

主要企業の決算発表予定

12月4日(火)ヒューレット・パッカード・エンタープライズ
12月6日(木)クローガー、ブロードコム、アルタ・ビューティ

主要イベントの予定

12月4日(火)
  • EU財務相理事会
12月5日(水)
  • パウエルFRB議長、上下両院合同経済委員会で証言
  • ジョージ・H・Wブッシュ元大統領の死去に伴う国民追悼の日により株式市場休場
  • 地区連銀経済報告(ベージュブック)
  • 11月の ADP雇用統計、米11月のISM非製造業指数
  • 中国11月の財新サービス業PMI 、財新コンポジットPMI
12月6日(木)
  • アトランタ連銀総裁、講演
  • OPEC総会(ウィーン)
  • 12月 1日終了週の新規失業保険申請件数
  • 10月の貿易収支
  • 10月の製造業受注
12月7(金)
  • ブレイナードFRB理事、講演
  • 一部政府機関の予算が期限切れ
  • 12月のミシガン大学消費者マインド指数(速報値)
  • 11月の雇用統計
  • 10月の卸売在庫
  • 10月の消費者信用残高
  • ユーロ圏7-9月のGDP(確定値)
12月8日(土)
  • 中国11月の 貿易収支
12日9日(日)
  • 中国11月のPPI、CPI
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アラスカ・エア・グループ(ALK)市場:NYSE ・・・2019/1/24に2018/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1937年設立。傘下にアラスカ航空、ヴァージン・アメリカ、ホライゾン航空の3つの航空会社や、航空サービスのMcGeeなどがある。1日あたりの便数は1,200便で、就航都市は118都市。
  • 10/25発表の2018/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比4.8%増の22.12億USD、純利益が同16.2%減の2.17億USD。旅客数は伸びたものの、買収関連費用やヘッジコストを含む燃料費の増加が重荷となり減益。調整後EPSは1.91USDと市場予想の1.87USDを上回った。
  • 11/27の投資家説明会で提示した2018/12期4Q(10-12月)のRASM(有効座席マイル当たりの旅客収入)見通しは、前年同期比3-5%増。2019/12通期は容積量が前期比2%増に対し、燃料費を除くCASM(有効座席マイル当り営業費用)を同2.0-2.5%増に抑える計画。通期市場予想は、売上高が同3.8%増の82.37億USD、当期利益が同49.7%増の5.20億USD。(増渕)

セールスフォース・ドットコム(CRM)市場:NYSE ・・・2019/2/27に2019/1期4Q(11-1月)の決算発表を予定

  • 1999年創業。CRM(顧客関係管理)のグローバルリーダー。クラウドプラットフォーム「Salesforce」を通じ、見込み客の開拓やマーケティングなど様々なソリューションを提供する。
  • 11/27発表の2019/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比25.6%増の33.92億USD、純利益は同1.9%減の1.05億USD。幅広い産業・地域で需要が伸び、4つのクラウドが全て増収となったものの、販管費などが増えた。調整後EPSは0.61USDと市場予想の0.50USDを上回った。
  • 2019/1期4Q(2018/11-2019/1)会社計画は、売上高が35.51-35.61億USD、調整後EPSが0.54-0.55。通期会社計画を上方修正し、売上高を従来計画の131.25-131.75億USDから132.3-132.4億USDへ、調整後EPSを2.50-2.52USDから2.60-2.61USDへ引き上げた。通期市場予想は、売上高が同26.3%増の132.39億USD、当期利益が同12.8倍の25.79億USD。(増渕)

ディア(DE)市場:NYSE ・・・2019/2/15に2019/10期1Q(11-1月)の決算発表を予定

  • 1837年創業の農業・建設機器メーカー。「ジョンディア」ブランドで農業・芝産業、建設業・林業向けのトラクターやコンバインなどを製造・販売する。他社製品の交換部品の供給も行う。
  • 11/21に発表した2018/10期4Q(8-10月)は、売上高が前年同期比17.4%増の94.15億USD、純利益が同53.8%増の7.84億USD。調整後EPSは2.30USDと市場予想の2.44USDを下回った。
  • 2019/10通期会社計画は、買収したWirtgenを含め機械売上高及び全体の売上高が共に前期比7%増、純利益が約36億USD。2019/10通期市場予想は、売上高が前期比4.2%減の357.75億USD、当期利益が同55.4%増の36.79億USD。12/1の米中首脳会談では、中国は米国産農産物を購入することで合意。農業関連株が物色される展開も予想されよう。(増渕)

HP(HPQ)市場:NYSE ・・・2019/2/21に2019/10期1Q(11-1月)の決算発表を予定

  • 1939年にウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードによって創業。1947年設立。PCや周辺機器、プリンターなどを手掛ける。2015年にヒューレット・パッカード・エンタープライズと分離。
  • 11/29発表の2018/10期4Q(8-10月)は、売上高が前年同期比10.3%増の153.66億USD、純利益が同2.2倍の14.51億USD。調整後EPSは0.54USDと市場予想と一致。PCの更新需要が強かったほか、2017/11に韓国サムスン電子から買収したプリンター事業も収益を押し上げた。
  • 2019/10期1Q(2018/11-2019/1)会社計画は、調整後EPSが0.50-0.53USD。2019/10通期会社計画は、調整後EPSが2.12-2.22USD。市場予想は2.19USDであった。通期市場予想は、売上高が前期比1.1%増の591.22億USD、当期利益が同38.8%減の32.59億USDである。(増渕)

アルトリア・グループ(MO)市場NYSE ・・・2019/1/31に2018/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1919年創業。米国タバコ業界のリーディング・カンパニー。傘下にはフィリップモリスUSA、ジョン・ミドルトン、電子タバコのNu Mark、ワインメーカーのミッシェル・ワイン・エステートがある。
  • 10/25発表の2018/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比1.6%増の68.37億USD、純利益が同4.1%増の19.43億USD。タバコや無煙タバコの販売が伸び、物品税控除後の売上高は同3.3%増の約53億USDとなった。調整後EPSは1.08USDと市場予想の1.06USDを上回った。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを従来計画の3.94-4.03USDから3.95-4.03USDへ引き上げた。通期市場予想は、売上高が前期比0.8%増の196.52億USD、当期利益が同25.8%減の75.86億USD。電子タバコのジュール・ラブズの少数株取得に向け交渉中のもよう。(増渕)

ヴイエムウェア(VMW)市場:NYSE ・・・2019/2/28に2019/1期4Q(11-1月)の決算発表を予定

  • 1998年に創業した仮想化技術のパイオニア。サーバーやデスクトップ、ネットワークなどの仮想化製品のほか、パブリッククラウドなど仮想化技術をベースにしたソリューションも提供する。
  • 11/29発表の2019/1期3Q(8-10月)は、売上高が前年同期比13.5%増の22.00億USD、純利益が同15.4%減の3.34億USD。幅広い地域でクラウドサービス「VMware Cloud」が伸長したものの、株式報酬費用が嵩み減益。調整後EPSは1.54USDと市場予想の1.49USDを上回った。
  • 2019/1期4Q(2018/11-2019/1)の会社計画は、売上高が前年同期比12.3%増の25億USD、調整後EPSが1.87USD。2019/1通期の会社計画を上方修正。売上高を従来計画の88.20億USDから88.82億USDへ、調整後EPSを6.14USDから6.22USDへ引き上げた。2019/1通期市場予想は、売上高が前期比12.0%増の88.75億USD、当期利益が同4.4倍の25.03億USD。(増渕)
フィリップ証券株式会社

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