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2019-06-19 01:05:36

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“FOMCを控えた利上げへの思惑とマーケット動向”

2016/09/13
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:庵原 浩樹、袁 鳴

“FOMCを控えた利上げへの思惑とマーケット動向”

  • 394.96ドル安。9/9のNYダウは大幅な下落となった。きっかけは、ボストン連銀のローゼングレン総裁による利上げへの前向きな発言である。9/9、マサチューセッツ州で講演した同総裁はFRBが利上げを待ち過ぎることのリスクが大きくなりつつあり、「緩やかに金融政策を引き締めていくのが適切とみられる」と強調。段階的な金融引き締めが適切となる公算が大きいとの考えを示した。
    海外景気の鈍化は懸念材料だが、米国経済は底堅く推移しておりFRBが政策を据え置く期間が長期化し過ぎれば米経済が過熱する可能性もあるとも言及。「緩やかなペースでの緩和策解除を続けなければ、この回復局面は長くなるよりも、むしろ短くなる可能性がある」と述べた模様である。同氏のコメントを受けて9月の利上げ観測が高まり、同日の米国主要3指数は英国のEU離脱決定以降で最大となる2%を大幅に超える下落となった。直前には1.5%台前半まで低下していた10年国債利回りが、1.6%台後半まで急上昇し、ドルは全ての通貨に対して上昇。原油や金などもドル建てであることもあって下落し、マーケット全般にリスクオフモードが強まった。投資家心理を示す恐怖指数とも言われるVIXは、9/8の12.51から翌9/9には17.50と一気に39.9%もの上昇となり、平時の上限である20に近い水準まで高まった。
  • では、なぜローゼングレン総裁のコメントがこれほどまでマーケットを混乱に陥れたのであろうか?第一に9/21-22のFOMCを控え9/13からのブラックアウト期間(金融政策に関する発言が制限される期間)直前の段階で9月の利上げ確率が28%まで低下していたため多くの投資家が9月利上げなしのポジションを取っていたと見られること、第二に、ハト派として知られていたローゼングレン総裁が突如タカ派に変貌したことに加えFOMCでの投票権を有していること、などが挙げられよう。
    当面、米国株はドル高や商品市況下落の影響も相俟って、一段の下落となることを想定したほうがよさそうだ。短期的には、好配当や景気敏感セクターの売りが続く可能性がある。一方で、銀行や保険など金融や医薬品、ヘルスケアなどは底堅い推移を予想。原油安メリット企業にも目を向けたい。(庵原)
  • 9/13号ではアメリカン・インターナショナルG(AIG)アパッチ(APA)メルク(MRK)ジェットブルー・エアウェイズ(JBLU)JPモルガン・チェース(JPM)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(9/9現在)

主要企業の決算発表予定

9月15日(木)オラクル

主要イベントの予定

9月13日(火)
  • 財政収支(8月)
  • 国連総会(ニューヨーク、26日まで)
  • ドイツ ZEW景況感指数(9月)
  • 中国 工業生産・小売売上高・固定資産投資(8月)
14日(水)
  • 輸入物価指数(8月)
  • ユーロ圏 鉱工業生産(7月)
15日(木)
  • 経常収支(4-6月)
  • 小売売上高(8月)
  • 新規失業保険申請件数(10日終了週)
  • 生産者物価指数(8月)
  • ニューヨーク連銀製造業景況指数(9月)
  • 鉱工業生産(8月)
  • イングランド銀行(英中銀)金融政策決定、議事録公表
16日(金)
  • 消費者物価指数(8月)
  • ミシガン大学消費者マインド指数(9月速報値)
  • 家計純資産(4-6月)
  • 対米証券投資(7月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

  • 世界最大規模の保険グループ。主に個人、法人向けのインシュアランスの両部門を通して、100以上の国や地域で、約9,000万の顧客に生損保など保険商品・サービスを提供している。
  • 2016/12期2Q(4-6月)は売上高又は営業収入が前年同期比6.2%減の147.24億USD、純利益が同6.3%増の19.13億USD、調整後EPSは0.98USDと市場予想の0.92USDを上回った。1Qまで3四半期連続の赤字計上となっていたが、人員削減と資産売却で増益を確保。最大30億ドル(約3,000億円)の追加の自社株買いも発表した。
  • 2016/12通期の市場予想は、売上高又は営業収入が前期比10.4%減の522.60億USD、純利益が同2.1倍の45.20億USDである。今年1月、ピーター・ハンコックCEOは250億ドル規模の株主還元計画を発表。2月には著名投資家で物言う株主として知られるカール・アイカーン氏の側近を取締役に選任。アイカーン氏は迅速な資産売却を評価しているようだ。(庵原)
  • 1954年、ミネソタ州で創業した独立系石油・天然ガス掘削・生産会社。メキシコ湾など米国のほか、カナダ、エジプト、英国で展開。社名は複数の創業者のイニシャルに由来。
  • 2016/12期2Q(4-6月)は売上高が前年同期比38.5%減の13.82億USDとなったが、純利益は赤字幅が縮小。調整後EPSは市場予想の0.14USDの赤字に対して0.26USDであった。2Qの掘削・生産コストは7.38USD/バレルと前年同期比17%減と大幅に改善。2Qの同社の全世界での生産は、日量53.5万BOE(原油換算バレル)と前年同期の53.1万BOEを上回った。
  • 9/7、同社はテキサス州のデラウエア盆地南部において、天然ガス75兆フィート、原油30億バレル相当の大規模資源埋蔵地域を発見したと発表。年内設備投資額を2億ドル増やし全社で約20億ドルとし開発を急ぐ。2016/12通期の市場予想は売上高が前期比14.0%減の54.73億USD、営業損益、純利益ともに赤字幅は大幅縮小へ。来期は完全黒字化へ。(庵原)
  • 1891年設立の大手医薬品メーカー。主要製品は、高脂コレステロール治療薬、脱毛症治療薬、骨粗しょう症予防薬、高血圧治療薬、アレルギー性鼻炎薬などがある。
  • 2016/12期2Q(4-6月)は売上高が前年同期比1.0%増の98.44億USD、純利益が同75.4%増の12.05億USDとなった。調整後EPSは0.930USDと市場予想の0.911USDを上回った。糖尿病治療薬「ジャヌビア」と関連薬の「ジャヌネット」の売上高は同2.3%増、がん治療薬「キートルーダ」の売上高は同ほぼ3倍増の3.14億USDと市場予想の2.87億USDを大幅に上回った。
  • 同社は、ブラジルの動物向け医薬品大手「Vallée」株式の約93%を4億USDで取得すると発表した。中南米地域の現地大手企業の買収で同地域の家畜向けワクチンなど関連市場の需要を取り込む計画。2016/12通期の会社予想は、EPSが3.67-3.77USDと従来予想の3.65-3.77USDから下限を引き上げた。通期の市場予想は売上高が前期並みの396.39億USD、純利益が同35.3%増の60.10億USDである。(庵原)
  • 米国内を中心に展開する格安航空会社。1998年設立、2000年にNYのジョン・F・ケネディ国際空港に就航。米国内に加え、メキシコ、カリブ海諸国、南米への国際線を運航している。
  • 2016/12期2Q(4-6月)は売上高が前年同期比2.0%増の16.43億USD、営業利益が同11.0%増の3.13億USD、純利益は同18.5%増の1.80億USD。EPSは0.53USD と市場予想の0.49USD を上回った。米国の航空会社はフライト数を増やし、需要増を上回るペースで座席数を増やしており、同社の平均運賃は同8.8%減の153.94USDとなった。同社はエアバス社からA321を30機購入することで合意。欧州など長距離路線の新規開拓などを進めていく模様。
  • 昨年来、株価は下落基調にあるが、アナリストの評価は総じて高く予想PER水準も10倍台を大きく割り込んでいる。2016/12通期の市場予想は売上高が前期比2.5%増の65.76億USD、営業利益が同5.6%増の12.84億USD、純利益は同8.1%増の11.86億USDである。(庵原)
  • 1799年に設立した商業・投資銀行を運営する老舗の銀行グループ。投資銀行、トレジャリーサービス、証券、資産管理、商業銀行、住宅金融などのサービスを提供している。
  • 2016/12 期2Q(4-6月)は営業収益が前年同期比2.8%増の252.14億USDと減収を見込んだ市場予想に反して増収となった。債券トレーディングが好調となったほか、融資額の拡大も増収に寄与した。ただ、貸倒引当金を14億USD計上したことが収益を圧迫し、純利益は同1.4%減の62.0億USDとなった。一方、EPSは1.55USD と市場予想の1.43USD を上回った。
  • 同社は高頻度取引(HFT)大手の米バーチュ・ファイナンシャルと提携。少なくとも協力関係は3年間続く見通し。同提携を通じ、同社は米国債市場へのアクセスとトレーディングにバーチュ・ファイナンシャルの技術を活用し、債券取引の効率化を目指している。年内利上げの観測が高まる中、業績改善の期待が高まり、株価の評価は更に高まる可能性があろう。(庵原)
フィリップ証券株式会社

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