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“中国動向、原油価格の見通しと銘柄ピックアップ”

2016/01/19
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:庵原 浩樹、袁 鳴

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(1/15現在)

“中国動向、原油価格の見通しと銘柄ピックアップ”

  • 中国懸念と原油価格下落が投資家のリスク回避姿勢を強め、世界の株式相場を大きく押し下げている。1/15、上海総合指数は2,900.97と昨夏の株価急落局面でつけた2,927.288(2015/8/26)を下回り、終値ベースで再び節目の3,000台を割り込んだ。上海総合指数は年初来では18.0%、2015/12/23の直近高値3,684.567からは21.3%もの下落となった。
    人民元相場変動を巡る先行き不透明感や上海の一部銀行が小型株を融資の担保として受け入れることを停止したとの報道が相場を押し下げた。中国証券当局が実施した株価下支え策の効果は吹き飛ばされた格好である。中国株式市場の主体である個人投資家が、当局の施策を懐疑的に捉えている側面もあろう。ただ、軟調な推移が続いた人民元の対ドル基準値は足元で下げ止まりの兆しが見られ、投資家の売り一巡の契機となる可能性もあろう。
  • WTI原油先物価格は1/15、2003年以来となる30ドル/バレル割れとなった。ただ、サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は1/17、時間を要するものの「世界の石油市場の安定回復、原油相場の改善、主要産油国間の協力に楽観的だ」とコメント。また、2015/9/11のレポートで原油価格が20ドル/バレルまで下落すると予想してきたゴールドマン・サックス(GS)は、最新のレポートで原油は世界的に供給の過剰から不足に転じ価格は年内に反発し、強気相場入りを果たすと予想。原油価格の値下がりにより世界的な供給過剰を是正するため生産停止に追い込まれ、米国のシェールオイル・ブームは今年7-12月に後退すると指摘。市場見通しでは経済制裁解除で原油を100万バレル/日まで増産すると見込まれるイランだが、増産量は半分程度になるとの見方も浮上。投機筋による買い戻しが進めば、原油価格は反転する可能性がある。
    中国懸念が緩和し原油安に歯止めがかかるシナリオも浮上し、昨年来レンジの下限を下回るNYダウやS&P500の予想PERが改めて見直される可能性もある。当面は業績動向と投資指標から割安感のある銘柄に注目したい。2015年10-12月期決算で良好な業績動向が確認された銘柄や見通しが明るい業界、景気動向に左右されにくい企業などをピックアップしたい。(庵原)
  • 1/19号ではゼネラルモーターズ(GM)JPモルガン・チェース(JPM)ロッキード・マーチン(LMT)スターバックス(SBUX)ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を取り上げた。

企業決算の予定

19日(火)ネットフリックス、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー
20日(水)ゴールドマン・サックス
21日(木)スターバックス、シュルンベルジェ、ベライゾン・コミュニケーションズ
22日(金)ゼネラル・エレクトリック
25日(月)マクドナルド

主要イベントの予定

19日(火)
  • 1月のNAHB住宅市場指数
  • IMF世界経済見通し(改訂版)
20日(水)
  • 2015/12の住宅着工指数、建設許可指数
  • 2015/12のCPI(消費者物価指数)
  • 世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、1/23まで)
21日(木)
  • 新規失業保険申請件数(1/15終了週)
  • ECB理事会
22日(金)
  • 1月の製造業PMI(速報値)
  • 2015/12の中古住宅販売件数
  • 2015/12の景気先行指標総合指数
25日(月)
  • シリア平和協議再開の見込み
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

  • 1908年設立の米自動車メーカー最大手。乗用車・トラックの製造販売のほか、一般サービス、部品、アクセサリー、メンテナンス、サテライトラジオ、業務車用装置なども提供している。
  • 2015/12期3Q(7-9月)は売上高が前年同期比1.3%減の388.0億USDとなったが、ドル高の影響を除けば売上高は前年同期と比べて23億USD上振れた。純利益は同7.5%減の13.6億USDとなったが、EPS は1.50USD と市場予想の1.19USD を大幅に上回った。ガソリン安に伴い、強みの大型ピックアップトラックや、スポーツ用多目的車(SUV)の需要が大きく増加した。
  • 同社は2016/12通期の調整後EPS見通しは5.25-5.75USDと従来予想の5.00-5.50USDを上方修正。2015年に発表した自社株買いの規模を従来の50億USDから90億USDに拡大し期間を2017年へ延長すると発表。四半期配当は従来計画の0.36USDから0.38USDと引き上げる方針。(袁)
  • 1799年に設立した商業・投資銀行を運営する老舗の銀行グループ。投資銀行、トレジャリーサービス、証券、資産管理、商業銀行業務、住宅金融などのサービスを提供している。
  • 2015/12 期4Q(10-12月)は、売上高に当たる営業収益は前年同期比1.0%増の237.0億USD、市場予想の228.9億USDを上回った。純利益は同10.2%増の54.3億USD、2015/12通期の純利益が244.4億USDと過去最高を更新。調整後のEPSは1.34USDと市場予想の1.27USDを上回った。訴訟に絡む費用と従業員報酬の減少などコスト削減が寄与したほか、小口金融部門が好調だった。
  • 事業別の純利益では、コマーシャルバンキングは同20.6%減益だったが、コーポレート&投資銀行は同79.8%増益、コンシューマー&コミュニティバンキングは同10.5%増益となった。また、費用面では、訴訟関連費用は前年同期の11億USDから6.4億USDに減少した。(袁)
  • 1995年に設立した航空機や宇宙船の製造会社。世界トップクラスの軍需企業として宇宙、航空、電気通信、情報サービス、エネルギーやITソリューションなど幅広い事業を手がけている。
  • 2015/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比3.1%増の114.6億USD、純利益が同2.6%増の8.7億USDとなった。調整後のEPS は2.77USD と市場予想の2.72USDを上回った。政府からの受注が減少し、コスト増加も響き純利益は伸び悩んだ。主力の製品事業の販売は同2.4%増の88.1億USDと伸び悩んだ。一方、同社は3Qに410万株の自社株買いを実施した。
  • 2015/12通期の会社計画は受注金額が435億-450億USDと従来予想を維持した。営業利益は55.5億USDと従来予想の中央値の55.0億USDを引き上げ、EPSは11.30USDと従来予想の中央値の11.15USDを上方修正。また、同社は2016/12通期の営業利益率が11.0-11.5%、売上高は前年並みを見込んでいる。新聞報道によれば、韓国防衛事業庁は同国空軍の主力戦闘機KF-16の性能改良事業の事業者を同社に変更。134機のKF-16のレーダーやミッションコンピューター、武装システムなどの改良事業で約1兆7,500億ウォンが見込まれ、同社の収益動向に注目したい。(袁)
  • 1971年にシアトルで開業した世界最大のコーヒーチェーン店。自社ブランドコーヒーの販売を中心に小売店を運営。カタログ販売、スーパー、ネットを通じた販売も行っている。
  • 2015/9期4Q(7-9月)は売上高が前年同期比17.6%増の49.1億USD、純利益が同11.0%増の6.5億USD。EPSは0.43USDと市場予想に一致。米州を中心に既存店売上高が順調に伸びた。世界の既存店売上高は同8%増、地域別で米州が同8%増、中国・アジア太平洋が同6%増と好調。また、4Qの世界の新規出店数は524店、全世界で2万3,043店舗を展開している。
  • 人件費増から2016/9期1Q(2015/10-12月)のEPS会社予想は0.44-0.45USDと市場予想の0.47USDを下回った。一方、2016/9通期のEPS1.87-1.89USDを見込み、上限値は市場予想の1.88USDを上回った。また、2016/9通期の同社計画で新規1,800店舗の出店を予定している。地域別では、米州が約700店舗、中国・太平洋地区は約900店舗、ヨーロッパ、中東及びアフリカは約200店舗を出店する見通し。出店拡大による今後の収益動向に注目したい。(袁)
  • 1983年に設立した通信大手会社。固定音声、ワイヤレス事業、データ、インターネットなどのサービスを手掛けるほか、電話通信設備、公衆電話などのネットワークサービスを提供。
  • 2015/12期3Q(7-9月)は売上高が前年同期比5.0%増の331.6億USD、純利益が同9.3%増の40.4億USDとなった。調整後のEPSは1.04USDと市場予想の1.02USDを上回った。通信サービスやその他事業の売上高は前年同期比横ばいとなったものの、新たな分割払いプランによる端末購入の増加が売上高に寄与した。3Qの端末販売の売上高は同約1.7倍の42.9億USDと好調だった。
  • 同社は世界通信機器大手のエリクソンとIoTアプリに向けた移動通信用低消費電力広域ネットワーク(LPWA)の開発や配信における協力関係を継続すると発表。LPWA関連製品の開発や市場への投入を加速するため、同領域の動向に注目したい。2015/12通期の市場予想は売上高が前期比3.4%増の1,314.6億USD、純利益が同67.9%増の161.6億USDである。(袁)
フィリップ証券株式会社

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