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“好決算企業への資金流入が続こう!”

2015/10/28
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:庵原 浩樹、袁 鳴

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(10/23現在)

“好決算企業への資金流入が続こう!”

  • 10/23現在、2015/3Q(7-9月)決算はS&P500種構成企業のうち170社が発表し121社が市場予想のEPSを上回る(サプライズ比率71.2%)など概ね順調に推移している。そうしたなか10/22、ドラギECB総裁は理事会後に12月の追加緩和を示唆する発言を行い、中国人民銀行は10/23に銀行の預金金利の上限規制の撤廃に加え、貸出と預金の金利及び預金準備率の引き下げなど追加利下げを行った。海外の緩和的金融政策も追風となって米国株は10月に入って大幅に上昇している。10/23現在、10月月初来の上昇率は、NYダウが8.36%、S&P500種株価指数が8.08%、ナスダック8.91%と主要3指数は急落した8月の6%超の下落率を上回る大幅な上昇となっている。
    S&P500は、終値ベースで5/21に2,130.82と史上最高値をマークしたがその後大幅に下落し8/25に52週安値となる1,867.61とこの間12.35%もの下落となった。S&P500の10業種別でみると、この間の下落率が大きかったセクターは順に、エネルギー▲26.21%、素材▲20.54%、資本財・サービス▲14.29%、情報技術(ハイテク)▲13.86%であった。
  • その後S&P500はWボトムを形成し、10/23の終値は2,075.15と8/25の安値から11.1%の上昇となった。業種別には、ハイテク△17.83%、エネルギー△16.75%、資本財・サービス△12.77%、一般消費財・サービスが△12.22%など売られたセクターが買い戻され上昇している。個別には、市場予想を上回る好決算を発表したハイテクのKLAテンコール(KLAC)、イーベイ(EBAY)、テキサス・インスツルメンツ(TXN)などの株価が大幅に上昇している。
    ただ、主要指数は短期的な大幅上昇から今期予想PERが年初来の平均値をやや上回っている。このため、今後の上昇ピッチは緩やかになると見るが、好業績企業への資金流入は続くと予想する。ゼネラル・モーターズ(GM)は既に好決算を発表し株価は上昇。フォード・モーター(F)や傘下のイタリア高級スポーツ自動車メーカーのフェラーリ(RACE)を10/21に上場(NY証券取引所)させたフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCAU)など決算発表を控える大手自動車の業績動向にも注目したい。(庵原)
  • 10/27号ではアマゾン(AMZN)ボーイング(BA)アルファベット(GOOGL)JPモルガン・チェース(JPM)プロクター・アンド・ギャンブル・カンパニー(PG)を取り上げた。

企業決算の予定

27日(火)UPS、メルクファイザーフォードアップルツイッターアリババギリアド・サイエンシズ、コーチ、デュポン
28日(水)アムジェン、ニューモント・マイニング、フォルクスワーゲン
29日(木)マスターカードスターバックスグッドイヤー、ドイツ銀行
30日(金)エクソンモービルシーゲイト・テクノロジー、エアバス
11月2日(月)ビザ、HSBCホールディングス

主要イベントの予定

27日(火)
  • 9月の耐久財受注
  • 8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数
  • FOMC(10/27-28)
28日(水)
  • FOMCが終了、金融政策の決定
29日(木)
  • 新規失業保険申請件数(10/23終了週)
  • 7-9月のGDP(速報値)
30日(金)
  • 9月の個人所得・支出
  • 10月の購買部協会景気指数
  • 10月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)
11月2日(月)
  • 10月のISM製造業景況指数
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

  • 1994年設立のオンライン販売会社。書籍、音楽関連、PC、電子機器、家屋、庭園向け製品、食品、ファッション関連などを販売。2007年よりキンドル(電子書籍端末)を発売している。
  • 2015/12期3Q(7-9月)は売上高が前年同期比23.2%増の253.6億USD、純利益は前年同期の▲4.4億USD から7,900万USDの黒字に転じた。EPSは0.17USDと市場予想の▲0.13USDから改善。北米市場の売上高が拡大したほか、クラウドサービス「AWS」事業が好調だった。
  • 「AWS」事業の売上高は同78.4%増の20.9億USD、全体の売上高の8.2%を占めた。同事業の営業利益は同5.3倍の5.2億USDで収益のけん引役として注目されている。2015/12期4Q(10-12月)の会社計画は売上高が前年同期比14%-25%増の335.0億-367.5億USDである。同社は営業利益が0.8億-12.8億USDを見込み上限が前年同期の5.9億USDを上回る。(袁)
  • 1917年に創業。世界最大の航空宇宙機器開発・製造会社である。民間用の大型旅客機だけではなく、軍用機、ミサイル、宇宙船や宇宙機器などの研究開発・設計製造も行っている。
  • 2015/12期3Q(7-9月)は売上高が前年同期比8.7%増の258.5億USD、純利益は同25.1%増の17.0億USD。EPSは2.47USDと市場予想の2.17USDを上回った。商用機納入数の増加で民間航空機部門が好調だったほか、防衛部門で戦闘機「F15」の契約見直しが利益を押し上げた。また、7-9月期の民間航空機の納入実績は同13機増の199機、1-9月期の納入実績が同52機増の580機と過去最高を更新した。
  • 2015/12通期の会社計画は売上高が前期比5億USD増の950億-970億USDに上方修正した。EPSは従来予想の7.70-7.90USDから7.95-8.15USDに引き上げた。また、通期の民間航空機納入数の見通しを5機引き上げて755-760機とした。今後の同社業績に期待したい。(袁)
  • 1998年創業のインターネット検索最大手グーグルなどを傘下として2015/10に設立された持ち株会社。子会社を通じて主にウェブベースの検索、表示広告とツール、デスクトップとモバイルオペレーティングシステム、ハードウェア製品などを提供する。
  • 2015/12期3Q(7-9月)は売上高が前年同期比13.0%増の186.8億USD、純利益が同45.3%増の39.8億USDだった。調整後のEPSは7.35USDと市場予想の7.20USDを上回った。主力の広告収入は同13.0%増の167.8億USD、特に「YouTube」事業を中心とするモバイルや動画に向けた広告事業が好調だった。また、同社のユーザー数は10億人を超えた。
  • 10/2に、同社の再編は完了。ネット検索と広告事業を柱とするグーグルは中核子会社として傘下に入り、住宅設備、医療や通信などの事業や研究開発部門は別会社として切り離された。また、約51億USDの自社株買いの実施を明らかにした。株価の動向に注目したい。(袁)
  • 1799年に設立した商業・投資銀行を運営する老舗の銀行グループ。投資銀行、トレジャリーサービス、証券、資産管理、商業銀行業務、住宅金融などのサービスを提供している。
  • 2015/12 期3Q(7-9月)は、売上高に当たる営業収益が前年同期比6.4%減の235.4億USDとなったが、純利益は同22.3%増の68.0億USDだった。EPS は1.68USD と市場予想の1.39USD を上回った。純営業収益は、債券トレーディング業務や住宅金融業務の低迷が続いているが、税制上の利益押し上げ要因や経費削減で増益を確保した。
  • 低金利の継続は一部の利益を圧迫したが、同社CEOは米国に関して楽観的な見通しを示し、米利上げは米国に恩恵をもたらすだろうとも述べた。また、米当局が年内に利上げすれば、同社の利ザヤ拡大など収益環境の改善で利益の拡大が予想される。(袁)
  • 1837年に設立した世界最大の一般消費財メーカーである。洗剤、掃除用品、紙、美容品、食品、ヘルスケア用品など多数の事業を保有し世界180ヵ国・地域で展開している。
  • 2016/6期1Q(7-9月)は売上高が前年同期比12.0%減の165.3億USD。化粧品、ヘルスケアなど全5製品の販売減となったほか、ドル高で海外事業も響いた。ただ、純利益が同30.7%増の26.0億USD、EPS は0.96USDと市場予想の0.92USDを上回った。利益率の高い商品の扱いを増やしたことにより増益を確保した。
  • 2016/6通期の会社計画は既存事業の売上高成長率を1桁前半に据え置き、EPSは前期の2.44USDに比べて53%-63%増と予想する。また、アラン・ラフリー現CEOは退任し、デビッド・テイラー氏が11/1付けで後任となる。海外市場の比率が高い同社はドル高の問題に直面しており、経営陣の変更で業績の改善が期待される。(袁)
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